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1章 悪役令息、パーティに参加する
ダンジョン探索グループワーク授業に参加する悪役令息
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-side ジークハルト-
ウィリアムと一緒に登校して、目立ちたくもなかったのに散々目立ってしまった後、俺様は学校の教室へ入る。
それまで、ざわざわしていた教室も俺様が入るとシーンとしてしまう。毎回、空気を悪くしてすまんかったという気持ちだけはある。
席まで、歩いていくと自然と道を譲ってもらえるので、楽に席に着ける。これから、長い1日が始まると思うと憂鬱だ。
「ジ、ジークハルト君。おはよう」
「ああ。アリス。おはよう」
俺様が、退屈しのぎに窓を眺めていると、幼馴染のアリスが声をかけてきた。
金髪セミロングに、碧眼の伯爵令嬢で、なぜか、何かと俺のことを気にかけてくれている優しい女子である。取り巻き以外で話すのはほぼこいつだけだ。
お互い17歳にもなるが、婚約者もいない。
俺は良いのだが、アリスは良いのか?既にほとんどの貴族は婚約者がいるというのに。
まあ、身分も高いし、器量もいい。その気になれば、貰いたい男など山ほどいそうだから大丈夫か。これだけ優良物件なのに、相手がいない。箱入り娘って大変なのだろうとは思う。
「あのさ」
「ん?」
そんなことを考えていると、アリスがおずおずと口を開く。
「ジークハルト君、今日の戦闘実習のグループワーク一緒にやらない?その、ジークハルト君強いから」
「ああ。そんなことか。いいぞ」
どうやらダンジョン探索に誘いたかったようだ。俺様は強いからな。ウィリアムによると、ダンジョン探索で、非常に役に立つから誘いたいという奴は結構多いらしい。誘われたことないんだが、本当だろうか?
大体は躊躇して誘う前に他の奴と組んでしまうから、俺様はぼっち参戦が多いのかもしれない。希望的観測すぎるか。
それはそれとして、今回は珍しく、アリスから誘ってきてくれたので、ぼっちを回避できそうだ。よっし、と俺様が小さくガッツポーズをしようとする。
「ちょっと、ジークハルト。アリス様が、可哀想でなくて?」
「そうですね。非常に可哀想だと思います」
誘いを受け入れようとしたところに横槍を入れてきた輩がいた。
赤髪縦ロールにエメラルドグリーン眼のお嬢様はエリーゼ。公爵令嬢だ。黒髪黒目でクールな雰囲気をした男性は学生でありながら、彼女の執事でもあるセバスチャン。
2人ともアリスと仲が良い。そして、正義感が強く面倒な奴らだ。生徒会にも入っている。厄介なやつに絡まれたものだ。
「ではどうしろと?俺様は1人でも構わないが」
そう言うと、アリスは泣きたそうな顔をしてこちらを見た。
「いいじゃん、別に一緒に行こうよ。アリス達も……、ね?仲良くしてほしいな?」
「わ、分かった。一緒に行こう」
「ま、まあ、あなたがそう言うなら、別にいいけど」
「アリス様がよろしいのであれば別に」
流石に、親しい人に泣かれるには気まずい。3人ともが同じ気持ちだったので、アリスをフォローする。
「本当に!?良かったぁ……」
アリスはホッとした様子で笑った。
守りたい、この笑顔。
そんなこんなで、決まっていた。
コソッ……!
「やばい!アリハルと同じグループになっちゃった……!無理……過剰供給で、てぇてぇ死ぬかも……」
「まだ始まってもいませんが、赤飯3杯はいけます。生きている全てに感謝ですね。」
この時、俺様もアリスに気が動転していたのだろう。だから、気づかなかったんだ。まさか、アリスの親友2人がこんな話をしているのだなんて。
「……?なんか言ったか?」
「い、いえ!なんとも?」
「こちらの話です」
やっぱり、なぜか分からないが、俺様は2人から、嫌われているらしい。
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ウィリアムと一緒に登校して、目立ちたくもなかったのに散々目立ってしまった後、俺様は学校の教室へ入る。
それまで、ざわざわしていた教室も俺様が入るとシーンとしてしまう。毎回、空気を悪くしてすまんかったという気持ちだけはある。
席まで、歩いていくと自然と道を譲ってもらえるので、楽に席に着ける。これから、長い1日が始まると思うと憂鬱だ。
「ジ、ジークハルト君。おはよう」
「ああ。アリス。おはよう」
俺様が、退屈しのぎに窓を眺めていると、幼馴染のアリスが声をかけてきた。
金髪セミロングに、碧眼の伯爵令嬢で、なぜか、何かと俺のことを気にかけてくれている優しい女子である。取り巻き以外で話すのはほぼこいつだけだ。
お互い17歳にもなるが、婚約者もいない。
俺は良いのだが、アリスは良いのか?既にほとんどの貴族は婚約者がいるというのに。
まあ、身分も高いし、器量もいい。その気になれば、貰いたい男など山ほどいそうだから大丈夫か。これだけ優良物件なのに、相手がいない。箱入り娘って大変なのだろうとは思う。
「あのさ」
「ん?」
そんなことを考えていると、アリスがおずおずと口を開く。
「ジークハルト君、今日の戦闘実習のグループワーク一緒にやらない?その、ジークハルト君強いから」
「ああ。そんなことか。いいぞ」
どうやらダンジョン探索に誘いたかったようだ。俺様は強いからな。ウィリアムによると、ダンジョン探索で、非常に役に立つから誘いたいという奴は結構多いらしい。誘われたことないんだが、本当だろうか?
大体は躊躇して誘う前に他の奴と組んでしまうから、俺様はぼっち参戦が多いのかもしれない。希望的観測すぎるか。
それはそれとして、今回は珍しく、アリスから誘ってきてくれたので、ぼっちを回避できそうだ。よっし、と俺様が小さくガッツポーズをしようとする。
「ちょっと、ジークハルト。アリス様が、可哀想でなくて?」
「そうですね。非常に可哀想だと思います」
誘いを受け入れようとしたところに横槍を入れてきた輩がいた。
赤髪縦ロールにエメラルドグリーン眼のお嬢様はエリーゼ。公爵令嬢だ。黒髪黒目でクールな雰囲気をした男性は学生でありながら、彼女の執事でもあるセバスチャン。
2人ともアリスと仲が良い。そして、正義感が強く面倒な奴らだ。生徒会にも入っている。厄介なやつに絡まれたものだ。
「ではどうしろと?俺様は1人でも構わないが」
そう言うと、アリスは泣きたそうな顔をしてこちらを見た。
「いいじゃん、別に一緒に行こうよ。アリス達も……、ね?仲良くしてほしいな?」
「わ、分かった。一緒に行こう」
「ま、まあ、あなたがそう言うなら、別にいいけど」
「アリス様がよろしいのであれば別に」
流石に、親しい人に泣かれるには気まずい。3人ともが同じ気持ちだったので、アリスをフォローする。
「本当に!?良かったぁ……」
アリスはホッとした様子で笑った。
守りたい、この笑顔。
そんなこんなで、決まっていた。
コソッ……!
「やばい!アリハルと同じグループになっちゃった……!無理……過剰供給で、てぇてぇ死ぬかも……」
「まだ始まってもいませんが、赤飯3杯はいけます。生きている全てに感謝ですね。」
この時、俺様もアリスに気が動転していたのだろう。だから、気づかなかったんだ。まさか、アリスの親友2人がこんな話をしているのだなんて。
「……?なんか言ったか?」
「い、いえ!なんとも?」
「こちらの話です」
やっぱり、なぜか分からないが、俺様は2人から、嫌われているらしい。
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