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物語の始まり始まり…
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朝…この日の朝は国にとってめでたい朝になるはずだった。
「オギャァ!オギャァ!オギャァ!」
ここは国王の宮殿。
元気に産声をあげる赤ん坊…。
目はまだあいてないが美しい緑色の髪、白い肌、申し分の無い王家の血をひいた子だ。
しかしそれを見る周りの目は「祝福」とはかけ離れた冷たい目だった。
「なんと…女の子だと…?」
「はい…元気な『女の子』でございます」
「よりによって…無駄なお産だったというのね…」
当時、身分が高くなれば高くなるほど跡継ぎとなる第一子は大事にされた。それが男の子なら尚更。
しかし、その日生まれた子は第二子であり女の子…。あってもなくても良い誕生…いや、むしろ他国に嫁に行かねばならないため国の支配が危うくなることもある為ない方が良い誕生なのだ。
「いかが致しましょう…」
王家専属の助産師が国王の様子を伺いながら聞いた。彼女の名はガネット。王家専属助産師の中では1番若かった。
「どうせ第二子だ。無かったことにすればいいではないか」
「…と、申しますと……」
「自ら歩けるようになるまではお前が裏で育てよ。それからは捨ておけ。『これ』の誕生はなかった。いいな?」
「か…かしこまりました。。」
助産師はその赤ん坊を布に巻き抱き上げ、裏へと連れていった。
コンコンッ…
「入るわよ…」
助産師は自分と仕事仲間の寝床へ赤ん坊と共に入った。
「お疲れm…ってガネット!!そ、そのお方は!!」
ベッドで寝転んでいた同じ助産師が飛び起きて目を丸くした。
「大丈夫。このお方はもう王族ではないわ」
「まさか…お、女の子だったの?」
「そのまさか。よりによって…運が悪かったのね…。まだ殺されなかっただけマシよ?昔は第二子で女の子だと分かれば使用人にするか殺されてたかだったから…」
まだ目の開かない赤ん坊をみると口をパクパクさせている。
「大変…ミルクを探してるのよ」
「今取ってくるわ!」
急いで用意されたのはミルクを乾燥させ粉末にしたものをまたお湯でミルクにかえしたものだった。
母乳と比べ栄養が十分とはいえない。
それでもそのミルクを赤ん坊は一生懸命飲んでいた。その姿に2人は心動かされた。
「このお方…いいえ、この子は一生懸命生きようとしてる…。私が責任もってここで育てる」
「私も手伝うわ!残りのみんなにも伝えてみんなで育てましょ!」
その後、残りの助産師を説得し、この赤ん坊はアルと名付けられ、ガネットを含む3~4人の助産師によって育てられることになった。
そして、一つの大きな国の一つの城の地下にあるこの小さな部屋での決断がこの国の運命を大きく変えることになる。
~数ヶ月後~
アルの目はぱっちりと開き、首も座っていた。その瞳はお妃に似て美しい…まるで宝石のデマントイドガーネットのような瞳をしていた。
「アル様!ミルクの時間ですよ?」
サッとガネットがアルを抱き上げミルクを見せた。するとアルはキャッキャッと声を上げて笑い、手を叩いた。
「ほーんと食いしん坊ね~」
「それにしても可愛いわね!さすが王族の血をひくお姫様」
「こらこら、アル様の兄上であるカロル様はご健康なの。王位継承権がアル様に来る可能性はゼロ」
「まぁ、確かに…まっ、きっと大丈夫よ。普通に元気よく育ってくれれば!」
「そうね!…あら、もう飲み終わったわ」
「どんどん大きくなるのよ~」
「いたっ!!」
「どうかした?」
ガネットが聞くと叫んだ仕事仲間が近づき、
「みてよ~切っちゃったわ」
仲間の一人が紙で切れた指を見せてきた
「あらら…消毒しなさいよ?」
すると次の瞬間、アルがその指をパクッとくわえしゃぶり始めた。
「アル様!?これはミルクじゃありませんよ?!」
ガネットが急いで指から離すと…
「あら?私切ったのここよね…?」
「そうよ?…」
見るとさっきまであった切り傷が消えてなくなっていた。
「ど、どういうこと??」
「さぁ…。あ、」
ガネットはあることを思い出したかのようにアルを見た。
「ガネット?」
「いや、なんでもない!でもこのことは無かったことにして欲しいの」
「分かった。約束するわ」
その約束のおかげがその一瞬の出来事はなかったことになった。
お母さん代わりの助産師にかこまれ、アルはどんどん成長していった。
~2年後~
2歳半になったアルはすっかりお喋りになり、歩くどころか走るようになっていた。
普通の子より話す言葉も多いらしい。
「ガネットさん!ガネットさん!」
アルは彼女の名を呼ぶとサッとカーテンに隠れた。
「は~い?…ってアル様!またイタズラして!!」
床にちらばった花びらと割れた花瓶をみてガネットは目を丸くしてアルを叱った。
「ごめんなさい…」
ひょこっとカーテンから顔を出したアルの手を握りガネットがアルと目を合わせた。
「アル様?花とはいえ植物も生き物です。それを傷つけてはなりません。アル様が急に髪をむしり取られたら泣いてしまうでしょ?」
「うん……」
「だから生き物や自分より弱いものをいじめてはいけませんよ?良く接していればいつか自分に返ってきますから…」
「分かった!!」
2人は指切りをし、アルとガネットは花びらと花瓶を片付けをすることになった。
「ほうきをもってきますから待っててくださいね?」
ガネットがほうきとバケツを持ってきた時…
「アル様!触っちゃいけません!」
ガネットが花瓶を触っていたアルの手を掴むとその手には元に戻った花と花瓶が…
「…え……?……」
「ガネットさん?」
アルはキョトンとしている。
「思えば言葉の発達も…他の子よひ遥かに早い……。まさか…本当に…?」
するとガネットは深く息を吸って、
「あ…アル様……。いつからこういったことが出来るようになったのですか…」
…と真剣な眼差しでアルを見た。
「わかんない…ずっと前から!」
「…ッ!?アル様!決してこの技を私以外の者に見せたり教えたりしてはいけませんよ?!」
「なんで??」
「世の中には私たちみたいに貴方に優しくしようと思う大人ばかりではないんです…。今は難しいからこれだけしか言えませんが、けして…誰にも見せてはいけませんよ?」
綺麗な眼差しでガネットを見つめるアルにガネットは口調柔らかくもどし言った。
「うん!わかった!!」
アルは大きく頷いてガネットに抱きついた
ガネットはそんなアルを思いっきり抱きしめた…が、その腕は微かに震えていた。
その日の夕方…
「大変…布がきれたわ!アル様!一緒にお買い物にいきますか?」
「いいの!?」
「えぇ…今日は他のみんなは出かけていますから、一緒に行きましょ」
「わーい!」
アルにとって記憶上初めての外出だった。
髪色がバレぬよう村娘のように布を被り、できるだけ顔を隠して街へでた。
門の外に広がる街はまさに美しかった。
市場に入ると沢山の屋台、賑わう人々…アルにとって興味が湧くものばかりだ。
「すごいね!」
「えぇ、みんなそれぞれ生きるために頑張ってるのですよ?」
「へぇ~…」
買い物を終えた二人は夜が近かった為近道をして帰った。
しばらく歩くと……
「キャン!キャンキャン!」
アルの足元で何かが鳴いた。
「ガネットさん!ワンワン!」
そこに居たのは木の箱に入れられた小さな子犬だった。
「あら可哀想に……痩せてるわ…捨て犬かも知れません」
「捨てちゃったの?」
「恐らく…目の色が片方ずつ違っているから気持ち悪がったのかも知れません…」
「酷いね…いじわるだね…」
「弱いものに優しく出来ない飼い主だったのでしょう…」
「私優しくできる!約束したから!」
「育てたいですか?」
「うん!!」
アルが大きく頷きガネットはそれを見てクスッと笑った。
「いいですよ?私も昔犬を飼ってましたから…色々教えますから」
「やった!」
ぴょんぴょんはねながら喜んだ後、その子犬を抱っこし連れ帰った。
ガネットは帰って桶にお湯をため、子犬を石鹸で洗った。アルはまだ小さい為タオルを構えて横で見ていた。
土や虫で汚くなっていたところが落ち、あっというまにきれいになった。
綺麗なベージュの毛で目もキラキラとしていた。
「かわいい!」
「本当に!アル様お名前をつけましょう!」
「なまえ?うーん…おなかにホシがあるから『スター』!」
アルは子犬のお腹にある星の形のような模様を指して言った。
「いい名前ですね!そうしましょう!」
こうしてアルの初めての親友ができた。
アルはスターと共にどんどん成長していった。
~~~~~~~
~5年後~
アルは8歳近くなっていた。
5歳くらいから毎日のように街へ出ては広場で走り回ったり、おつかいをしていた。
もちろん髪はフード状の布で覆いかくして…
今日も散歩に出かけた。
「アルちゃんおはよう!パンが焼きたてだけどつまむかい??」
「おじさんおはようございます!食べていいの?」
「あぁ!新商品さ!」
「ありがとう!!モグモグ……美味し!!ガネットさん達のも買っていい!?」
「いいよ?でもアルちゃん可愛いからおまけして半額にしてあげよう!」
「やった!ありがとうございます!」
「アルちゃん!コロッケが出来たてよ!たべてって!」
「わぁ!ありがとうございます!」
本来の族である王族に育てられなかったアルは見た目の可愛らしさに加え、ガネットやその周りの大人の影響で心優しく明るい性格に育った為街の住人からも可愛がられた。
アルはいつもの誰もいない原っぱになった広場に向かった。
そこには気が沢山あり川も流れ、鳥たちが歌を歌っていた。アルのお気に入りの場所だ。
そこに一本、1番太く大きな木が原っぱの真ん中に立っていた。
「おはよう!」
アルがそう挨拶すると…
ゴゴゴゴゴォ…
枝に絡まった太いツルが伸び、アルの足元まで垂れ下がってきた。
「ありがとう!」
慣れたようにそのツルを掴むと木はスっ…とアルを持ち上げた
そしてその木の枝からアルは街を見渡した。
アルはこの時間が大好きだ。自分で外に出られるようになってから毎日こうしている。
この木は昔枯れかけていた。
しかし小さなアルが幹に手で触れると元の元気の良さを取り戻し生命が宿ったのだ。
アルはこの力を不思議には思っていない。物心ついた時からもっていたから……
ものの命や傷を癒すだけではない。
アルが干上がった川や池に入れば水が湧き、何も無い大地に寝転べば数日で草木の生える草原に変わった。
アルはまだこの力のことを誰にも話していない。知っているのはガネットだけだ。
「ガネットさんはこの力を誰にも見せちゃいけないって言ってたな…。なんでだろ…」
でもきっとガネットさんが言うんだからちゃんと理由があるんだとずっと秘密にしているのだ。
草っ原に生えたお花を一つずつ積んで束にした。おっきい葉っぱに包んで綺麗な花束の完成だ。
「ガネットさん喜ぶかな!」
アルはいつも通り地下の部屋に戻りガネットを探した。
「ガネットさん!コロッケとパン貰ったよ!お花もつんできたの!」
でもいつもの様に「おかえりなさい!」というガネットの声は聞こえてこなかった。
「ガネット…さん?どこ~?」
台所へ行くと…
「あ、アル様!」
ガネットさんと同じ助産師のソフィが椅子に縄で縛り付けられていた。体には無数のムチで打ったあとが…
「ソフィさん!大丈夫!?ガネットさんは?!」
「アル様…早くお逃げください!ガネットは…ガネットは……!」
「おい、あの子…おいガキ!!そこでなにしてる!」
突然、後ろから走ってきた兵隊にアルは腕を捕まれ、振り払おうとした瞬間頭の頭巾が落ちてしまった。
「本当に…いたのか……か、隠し子が…!」
「やだ!離してよ!!」
「お前!大人しくこい!!」
「おい!傷つけるなよ?」
横からほかの兵がその兵隊に注意した。
わかってる!と言わんばかりの顔でアルをヒョイっとかついでしまった。
「やだ!助けて!!」
どんなに暴れても逃げられるわけもなく…
そのまま上にある宮殿へと連れてかれた。
ドサッ!
アルが降ろされたのは宮殿の中央にある玉座の間だった。
「痛…。え……」
アルは目の前の光景を信じたくはなかった。
「ガネット…さん…?」
全身何かに殴られたような跡や傷で埋め尽くされたガネットが血を吐いて倒れていた。
「あ…アル様……。申し訳ありません…」
「どうしてそんなに傷だらけなの?!」
兵隊の手を振りほどき、ボロボロになったガネットに駆け寄り傷を撫でようとした。
ガネットはアルに目を合わせ首を横に振った。力を使うなと言っているんだろう。
「やだよ…死んじゃう……」
「まさか本当に生きてたとはな…」
斜め上から図太い声がした。
アルが上を見ると…
「ほぅ、母親の血はしっかり受け継いだか」
立派な服、マント、宝石、王冠に身を包んだ体の大きな男がこちらに近ずいてきた。
「だれ……おじさん…」
「父に向かって…おじさん…だと?」
パンッ!!
突然頬に手が当たったかと思えばアルの体が吹っ飛び壁に強くぶつかった。
「アル様……!」
「…い…ッ」
「生意気な小娘だ。礼儀の一欠片も無い。ガネット…あの時歩けるようになったら『捨ておけ』といったはずだ…」
「しかし……」
「あの後何年かし、山賊に城の周辺を廻らせたがそれらしい子はいなかったらしい…。まさかとは思っていたがしっかり育てていたとはな。おかげで余計な兵力の無駄遣いだ」
「私がいるっ……て分かりもしなかったのに?ガネットさんやソフィさんにこんな事…したの!」
「口を割らなかったこヤツらの責任だ。それよりお前…。お前に街をうろつかれてはいずれお前の正体がバレてこちらがが困る」
「私の正体…って…?」
「アル様…貴女はこの国の国王陛下とお妃様との実の第二子でございます…」
「左様…。お前には紛れもない王家の血が流れている。ただ、お前の誕生は無かったことになっている為バレては困るのだ…。よって、お前を自由にしておくことは出来ない。白のひとつの部屋に監禁させてもらう」
「か、勝手なこと言わないで!私はガネットさんと帰る!」
「ガネットは死ぬのだから…お前に帰る場所は無いだろう…?」
「な…なんで!」
「コイツは私の命令に背いた…。当然の報いだろ」
「やだよ…!ガネットさん!!」
アルは体を引きずってガネットのそばによった。
「申し訳……ありません…アル様…貴女が……産まれた…とき…貴女が……一生…懸命生きるのを…みて……貴女が…成…長するの…をみて…愛しさ…を…まるで…我が子の様に…愛おしく…思ってしまい…ました……」
「ガネットさんは…悪くないよ…!ガネットさんがいなかったら私……」
「アル様……本当に…いい子……私の可愛い…娘……」
ガネットの声が少しずつ小さくなっていく。
すると兵隊が2人に近づき引き離そうとした
「やだ!!離してよ!ガネットさん!ガネットさん!」
ガネットを乱暴に掴んで持ち上げようとした兵隊を見てアルの顔色が変わった。
「やめて!ガネットさんに触らないで!!」
手をその兵隊に向かって前に出した
「吹き飛んじゃ…」
「やめなさい…!!」
「…ッ!!」
アルの言葉を遮りガネットが叫んだ。
『今はダメ……その時が来るまで決して…見せてはいけません…!』
アルの頭の中でガネットの声が響いた。
ガネットの心の声だとすぐに分かった。
『貴女はやろうと思えば好きな時に力が使える…でもむやみに使えば利用されかねない…!だから…今は…お願いです…』
『いや…ガネットさんを助けらるなら私!』
『アル様はその力をもっと大きなことに使うのです…!私一人ではなく…もっと多くの人を救うために…!』
『ガネットさんがいなきゃやだよ!』
アルは目からたくさん溢れ出た涙がぶたれた頬に染みて痛かった。でもそれよりも、大切な家族を救えるのに救えないことが悔しくて胸が痛かった。
『あなたはとてもいい子で、私の言う事を毎日しっかり守ってくれました。だから…最後のお願いもどうか聞いてください。』
「いや!『最後』なら聞きたくない!」
「生きて…強く……」
「…ッ!!」
ガネットは兵隊にかつがれ扉が開いた。
外の風が強く入ってきた。
「貴族だの……王族だの…宝石や毛皮で着飾っただけの獣にはならないで!今の貴女の…その宝石のような心のまま!強く…!生きなさい!アル!!」
「ガネットさん…!!」
ダンッ!!!
ガネットが扉の向こうに放り投げられ扉が閉まり、辺りは静まり返った。
「いやだ……そんな…いやぁぁぁ!!」
なんでたった一度も…彼女の言葉に背かなかったのか。アルは強く自分を憎んだ。
でも…あの目を見てしまっては、どうしてもあの言葉を信じてしまうのだ。
『「その時」が来るまで…』
「その時」なんて…いつ来るのだろう…。
アルは投げ入れられた大きく広い部屋の隅で震えながらそう思っていた。
「ガネットさん……」
目からは涙が止まらず流れ出ていた。
いつも泣いた時はガネットさんがエプロンで拭いてくれたのだ。ボロボロの布で痛かったが…優しかったし布越しに伝わるガネットの手が暖かかった。
これからは独りぼっちなのだろうか……
まだ小さなアルには未来のことなど分からなかった。
トントンッ…
ガチャ…
外から光が刺した。
扉が開いたのだ。
「やぁ、君がアルか…」
「え?」
顔を上げるとそこには優しそうな青年が立派な服に身を包み立っていた。
手には美味しそうなお肉やスープ、パンが乗ったトレイ。
「だれ…?」
その青年はニッコリと笑い…
「僕は君の兄。時期国王のカロル王子です。以後お見知りおきを…プリンセス…アル」
……To be continued
「オギャァ!オギャァ!オギャァ!」
ここは国王の宮殿。
元気に産声をあげる赤ん坊…。
目はまだあいてないが美しい緑色の髪、白い肌、申し分の無い王家の血をひいた子だ。
しかしそれを見る周りの目は「祝福」とはかけ離れた冷たい目だった。
「なんと…女の子だと…?」
「はい…元気な『女の子』でございます」
「よりによって…無駄なお産だったというのね…」
当時、身分が高くなれば高くなるほど跡継ぎとなる第一子は大事にされた。それが男の子なら尚更。
しかし、その日生まれた子は第二子であり女の子…。あってもなくても良い誕生…いや、むしろ他国に嫁に行かねばならないため国の支配が危うくなることもある為ない方が良い誕生なのだ。
「いかが致しましょう…」
王家専属の助産師が国王の様子を伺いながら聞いた。彼女の名はガネット。王家専属助産師の中では1番若かった。
「どうせ第二子だ。無かったことにすればいいではないか」
「…と、申しますと……」
「自ら歩けるようになるまではお前が裏で育てよ。それからは捨ておけ。『これ』の誕生はなかった。いいな?」
「か…かしこまりました。。」
助産師はその赤ん坊を布に巻き抱き上げ、裏へと連れていった。
コンコンッ…
「入るわよ…」
助産師は自分と仕事仲間の寝床へ赤ん坊と共に入った。
「お疲れm…ってガネット!!そ、そのお方は!!」
ベッドで寝転んでいた同じ助産師が飛び起きて目を丸くした。
「大丈夫。このお方はもう王族ではないわ」
「まさか…お、女の子だったの?」
「そのまさか。よりによって…運が悪かったのね…。まだ殺されなかっただけマシよ?昔は第二子で女の子だと分かれば使用人にするか殺されてたかだったから…」
まだ目の開かない赤ん坊をみると口をパクパクさせている。
「大変…ミルクを探してるのよ」
「今取ってくるわ!」
急いで用意されたのはミルクを乾燥させ粉末にしたものをまたお湯でミルクにかえしたものだった。
母乳と比べ栄養が十分とはいえない。
それでもそのミルクを赤ん坊は一生懸命飲んでいた。その姿に2人は心動かされた。
「このお方…いいえ、この子は一生懸命生きようとしてる…。私が責任もってここで育てる」
「私も手伝うわ!残りのみんなにも伝えてみんなで育てましょ!」
その後、残りの助産師を説得し、この赤ん坊はアルと名付けられ、ガネットを含む3~4人の助産師によって育てられることになった。
そして、一つの大きな国の一つの城の地下にあるこの小さな部屋での決断がこの国の運命を大きく変えることになる。
~数ヶ月後~
アルの目はぱっちりと開き、首も座っていた。その瞳はお妃に似て美しい…まるで宝石のデマントイドガーネットのような瞳をしていた。
「アル様!ミルクの時間ですよ?」
サッとガネットがアルを抱き上げミルクを見せた。するとアルはキャッキャッと声を上げて笑い、手を叩いた。
「ほーんと食いしん坊ね~」
「それにしても可愛いわね!さすが王族の血をひくお姫様」
「こらこら、アル様の兄上であるカロル様はご健康なの。王位継承権がアル様に来る可能性はゼロ」
「まぁ、確かに…まっ、きっと大丈夫よ。普通に元気よく育ってくれれば!」
「そうね!…あら、もう飲み終わったわ」
「どんどん大きくなるのよ~」
「いたっ!!」
「どうかした?」
ガネットが聞くと叫んだ仕事仲間が近づき、
「みてよ~切っちゃったわ」
仲間の一人が紙で切れた指を見せてきた
「あらら…消毒しなさいよ?」
すると次の瞬間、アルがその指をパクッとくわえしゃぶり始めた。
「アル様!?これはミルクじゃありませんよ?!」
ガネットが急いで指から離すと…
「あら?私切ったのここよね…?」
「そうよ?…」
見るとさっきまであった切り傷が消えてなくなっていた。
「ど、どういうこと??」
「さぁ…。あ、」
ガネットはあることを思い出したかのようにアルを見た。
「ガネット?」
「いや、なんでもない!でもこのことは無かったことにして欲しいの」
「分かった。約束するわ」
その約束のおかげがその一瞬の出来事はなかったことになった。
お母さん代わりの助産師にかこまれ、アルはどんどん成長していった。
~2年後~
2歳半になったアルはすっかりお喋りになり、歩くどころか走るようになっていた。
普通の子より話す言葉も多いらしい。
「ガネットさん!ガネットさん!」
アルは彼女の名を呼ぶとサッとカーテンに隠れた。
「は~い?…ってアル様!またイタズラして!!」
床にちらばった花びらと割れた花瓶をみてガネットは目を丸くしてアルを叱った。
「ごめんなさい…」
ひょこっとカーテンから顔を出したアルの手を握りガネットがアルと目を合わせた。
「アル様?花とはいえ植物も生き物です。それを傷つけてはなりません。アル様が急に髪をむしり取られたら泣いてしまうでしょ?」
「うん……」
「だから生き物や自分より弱いものをいじめてはいけませんよ?良く接していればいつか自分に返ってきますから…」
「分かった!!」
2人は指切りをし、アルとガネットは花びらと花瓶を片付けをすることになった。
「ほうきをもってきますから待っててくださいね?」
ガネットがほうきとバケツを持ってきた時…
「アル様!触っちゃいけません!」
ガネットが花瓶を触っていたアルの手を掴むとその手には元に戻った花と花瓶が…
「…え……?……」
「ガネットさん?」
アルはキョトンとしている。
「思えば言葉の発達も…他の子よひ遥かに早い……。まさか…本当に…?」
するとガネットは深く息を吸って、
「あ…アル様……。いつからこういったことが出来るようになったのですか…」
…と真剣な眼差しでアルを見た。
「わかんない…ずっと前から!」
「…ッ!?アル様!決してこの技を私以外の者に見せたり教えたりしてはいけませんよ?!」
「なんで??」
「世の中には私たちみたいに貴方に優しくしようと思う大人ばかりではないんです…。今は難しいからこれだけしか言えませんが、けして…誰にも見せてはいけませんよ?」
綺麗な眼差しでガネットを見つめるアルにガネットは口調柔らかくもどし言った。
「うん!わかった!!」
アルは大きく頷いてガネットに抱きついた
ガネットはそんなアルを思いっきり抱きしめた…が、その腕は微かに震えていた。
その日の夕方…
「大変…布がきれたわ!アル様!一緒にお買い物にいきますか?」
「いいの!?」
「えぇ…今日は他のみんなは出かけていますから、一緒に行きましょ」
「わーい!」
アルにとって記憶上初めての外出だった。
髪色がバレぬよう村娘のように布を被り、できるだけ顔を隠して街へでた。
門の外に広がる街はまさに美しかった。
市場に入ると沢山の屋台、賑わう人々…アルにとって興味が湧くものばかりだ。
「すごいね!」
「えぇ、みんなそれぞれ生きるために頑張ってるのですよ?」
「へぇ~…」
買い物を終えた二人は夜が近かった為近道をして帰った。
しばらく歩くと……
「キャン!キャンキャン!」
アルの足元で何かが鳴いた。
「ガネットさん!ワンワン!」
そこに居たのは木の箱に入れられた小さな子犬だった。
「あら可哀想に……痩せてるわ…捨て犬かも知れません」
「捨てちゃったの?」
「恐らく…目の色が片方ずつ違っているから気持ち悪がったのかも知れません…」
「酷いね…いじわるだね…」
「弱いものに優しく出来ない飼い主だったのでしょう…」
「私優しくできる!約束したから!」
「育てたいですか?」
「うん!!」
アルが大きく頷きガネットはそれを見てクスッと笑った。
「いいですよ?私も昔犬を飼ってましたから…色々教えますから」
「やった!」
ぴょんぴょんはねながら喜んだ後、その子犬を抱っこし連れ帰った。
ガネットは帰って桶にお湯をため、子犬を石鹸で洗った。アルはまだ小さい為タオルを構えて横で見ていた。
土や虫で汚くなっていたところが落ち、あっというまにきれいになった。
綺麗なベージュの毛で目もキラキラとしていた。
「かわいい!」
「本当に!アル様お名前をつけましょう!」
「なまえ?うーん…おなかにホシがあるから『スター』!」
アルは子犬のお腹にある星の形のような模様を指して言った。
「いい名前ですね!そうしましょう!」
こうしてアルの初めての親友ができた。
アルはスターと共にどんどん成長していった。
~~~~~~~
~5年後~
アルは8歳近くなっていた。
5歳くらいから毎日のように街へ出ては広場で走り回ったり、おつかいをしていた。
もちろん髪はフード状の布で覆いかくして…
今日も散歩に出かけた。
「アルちゃんおはよう!パンが焼きたてだけどつまむかい??」
「おじさんおはようございます!食べていいの?」
「あぁ!新商品さ!」
「ありがとう!!モグモグ……美味し!!ガネットさん達のも買っていい!?」
「いいよ?でもアルちゃん可愛いからおまけして半額にしてあげよう!」
「やった!ありがとうございます!」
「アルちゃん!コロッケが出来たてよ!たべてって!」
「わぁ!ありがとうございます!」
本来の族である王族に育てられなかったアルは見た目の可愛らしさに加え、ガネットやその周りの大人の影響で心優しく明るい性格に育った為街の住人からも可愛がられた。
アルはいつもの誰もいない原っぱになった広場に向かった。
そこには気が沢山あり川も流れ、鳥たちが歌を歌っていた。アルのお気に入りの場所だ。
そこに一本、1番太く大きな木が原っぱの真ん中に立っていた。
「おはよう!」
アルがそう挨拶すると…
ゴゴゴゴゴォ…
枝に絡まった太いツルが伸び、アルの足元まで垂れ下がってきた。
「ありがとう!」
慣れたようにそのツルを掴むと木はスっ…とアルを持ち上げた
そしてその木の枝からアルは街を見渡した。
アルはこの時間が大好きだ。自分で外に出られるようになってから毎日こうしている。
この木は昔枯れかけていた。
しかし小さなアルが幹に手で触れると元の元気の良さを取り戻し生命が宿ったのだ。
アルはこの力を不思議には思っていない。物心ついた時からもっていたから……
ものの命や傷を癒すだけではない。
アルが干上がった川や池に入れば水が湧き、何も無い大地に寝転べば数日で草木の生える草原に変わった。
アルはまだこの力のことを誰にも話していない。知っているのはガネットだけだ。
「ガネットさんはこの力を誰にも見せちゃいけないって言ってたな…。なんでだろ…」
でもきっとガネットさんが言うんだからちゃんと理由があるんだとずっと秘密にしているのだ。
草っ原に生えたお花を一つずつ積んで束にした。おっきい葉っぱに包んで綺麗な花束の完成だ。
「ガネットさん喜ぶかな!」
アルはいつも通り地下の部屋に戻りガネットを探した。
「ガネットさん!コロッケとパン貰ったよ!お花もつんできたの!」
でもいつもの様に「おかえりなさい!」というガネットの声は聞こえてこなかった。
「ガネット…さん?どこ~?」
台所へ行くと…
「あ、アル様!」
ガネットさんと同じ助産師のソフィが椅子に縄で縛り付けられていた。体には無数のムチで打ったあとが…
「ソフィさん!大丈夫!?ガネットさんは?!」
「アル様…早くお逃げください!ガネットは…ガネットは……!」
「おい、あの子…おいガキ!!そこでなにしてる!」
突然、後ろから走ってきた兵隊にアルは腕を捕まれ、振り払おうとした瞬間頭の頭巾が落ちてしまった。
「本当に…いたのか……か、隠し子が…!」
「やだ!離してよ!!」
「お前!大人しくこい!!」
「おい!傷つけるなよ?」
横からほかの兵がその兵隊に注意した。
わかってる!と言わんばかりの顔でアルをヒョイっとかついでしまった。
「やだ!助けて!!」
どんなに暴れても逃げられるわけもなく…
そのまま上にある宮殿へと連れてかれた。
ドサッ!
アルが降ろされたのは宮殿の中央にある玉座の間だった。
「痛…。え……」
アルは目の前の光景を信じたくはなかった。
「ガネット…さん…?」
全身何かに殴られたような跡や傷で埋め尽くされたガネットが血を吐いて倒れていた。
「あ…アル様……。申し訳ありません…」
「どうしてそんなに傷だらけなの?!」
兵隊の手を振りほどき、ボロボロになったガネットに駆け寄り傷を撫でようとした。
ガネットはアルに目を合わせ首を横に振った。力を使うなと言っているんだろう。
「やだよ…死んじゃう……」
「まさか本当に生きてたとはな…」
斜め上から図太い声がした。
アルが上を見ると…
「ほぅ、母親の血はしっかり受け継いだか」
立派な服、マント、宝石、王冠に身を包んだ体の大きな男がこちらに近ずいてきた。
「だれ……おじさん…」
「父に向かって…おじさん…だと?」
パンッ!!
突然頬に手が当たったかと思えばアルの体が吹っ飛び壁に強くぶつかった。
「アル様……!」
「…い…ッ」
「生意気な小娘だ。礼儀の一欠片も無い。ガネット…あの時歩けるようになったら『捨ておけ』といったはずだ…」
「しかし……」
「あの後何年かし、山賊に城の周辺を廻らせたがそれらしい子はいなかったらしい…。まさかとは思っていたがしっかり育てていたとはな。おかげで余計な兵力の無駄遣いだ」
「私がいるっ……て分かりもしなかったのに?ガネットさんやソフィさんにこんな事…したの!」
「口を割らなかったこヤツらの責任だ。それよりお前…。お前に街をうろつかれてはいずれお前の正体がバレてこちらがが困る」
「私の正体…って…?」
「アル様…貴女はこの国の国王陛下とお妃様との実の第二子でございます…」
「左様…。お前には紛れもない王家の血が流れている。ただ、お前の誕生は無かったことになっている為バレては困るのだ…。よって、お前を自由にしておくことは出来ない。白のひとつの部屋に監禁させてもらう」
「か、勝手なこと言わないで!私はガネットさんと帰る!」
「ガネットは死ぬのだから…お前に帰る場所は無いだろう…?」
「な…なんで!」
「コイツは私の命令に背いた…。当然の報いだろ」
「やだよ…!ガネットさん!!」
アルは体を引きずってガネットのそばによった。
「申し訳……ありません…アル様…貴女が……産まれた…とき…貴女が……一生…懸命生きるのを…みて……貴女が…成…長するの…をみて…愛しさ…を…まるで…我が子の様に…愛おしく…思ってしまい…ました……」
「ガネットさんは…悪くないよ…!ガネットさんがいなかったら私……」
「アル様……本当に…いい子……私の可愛い…娘……」
ガネットの声が少しずつ小さくなっていく。
すると兵隊が2人に近づき引き離そうとした
「やだ!!離してよ!ガネットさん!ガネットさん!」
ガネットを乱暴に掴んで持ち上げようとした兵隊を見てアルの顔色が変わった。
「やめて!ガネットさんに触らないで!!」
手をその兵隊に向かって前に出した
「吹き飛んじゃ…」
「やめなさい…!!」
「…ッ!!」
アルの言葉を遮りガネットが叫んだ。
『今はダメ……その時が来るまで決して…見せてはいけません…!』
アルの頭の中でガネットの声が響いた。
ガネットの心の声だとすぐに分かった。
『貴女はやろうと思えば好きな時に力が使える…でもむやみに使えば利用されかねない…!だから…今は…お願いです…』
『いや…ガネットさんを助けらるなら私!』
『アル様はその力をもっと大きなことに使うのです…!私一人ではなく…もっと多くの人を救うために…!』
『ガネットさんがいなきゃやだよ!』
アルは目からたくさん溢れ出た涙がぶたれた頬に染みて痛かった。でもそれよりも、大切な家族を救えるのに救えないことが悔しくて胸が痛かった。
『あなたはとてもいい子で、私の言う事を毎日しっかり守ってくれました。だから…最後のお願いもどうか聞いてください。』
「いや!『最後』なら聞きたくない!」
「生きて…強く……」
「…ッ!!」
ガネットは兵隊にかつがれ扉が開いた。
外の風が強く入ってきた。
「貴族だの……王族だの…宝石や毛皮で着飾っただけの獣にはならないで!今の貴女の…その宝石のような心のまま!強く…!生きなさい!アル!!」
「ガネットさん…!!」
ダンッ!!!
ガネットが扉の向こうに放り投げられ扉が閉まり、辺りは静まり返った。
「いやだ……そんな…いやぁぁぁ!!」
なんでたった一度も…彼女の言葉に背かなかったのか。アルは強く自分を憎んだ。
でも…あの目を見てしまっては、どうしてもあの言葉を信じてしまうのだ。
『「その時」が来るまで…』
「その時」なんて…いつ来るのだろう…。
アルは投げ入れられた大きく広い部屋の隅で震えながらそう思っていた。
「ガネットさん……」
目からは涙が止まらず流れ出ていた。
いつも泣いた時はガネットさんがエプロンで拭いてくれたのだ。ボロボロの布で痛かったが…優しかったし布越しに伝わるガネットの手が暖かかった。
これからは独りぼっちなのだろうか……
まだ小さなアルには未来のことなど分からなかった。
トントンッ…
ガチャ…
外から光が刺した。
扉が開いたのだ。
「やぁ、君がアルか…」
「え?」
顔を上げるとそこには優しそうな青年が立派な服に身を包み立っていた。
手には美味しそうなお肉やスープ、パンが乗ったトレイ。
「だれ…?」
その青年はニッコリと笑い…
「僕は君の兄。時期国王のカロル王子です。以後お見知りおきを…プリンセス…アル」
……To be continued
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