異世界てるてる坊主

えすくん

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第1章 マヤツマヨイ市の冒険

第013話 魚が死ぬ

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 俺が落とした雷はドラゴンを直撃。

「ああぁぁああぁぁああぁ!!」

 めっちゃ効いてる。
 そうだろう、そうだろう。
 だって、こいつ池の水に浸かってるもんな。
 感電注意の状態だもんな。

「魚もついでに死んでしまっとるぞ」

 じーさんが唖然とする。
 あ……本当だ。
 罪のない在来魚まで犠牲に……。

「ドラゴンめ、許せねー!」
「いや、お前さんがやったんじゃ――」
「ぎったぎたにしてやるぞ、ドラゴン!」
「おい、お前さんの雷で――」
「魚、仇はうってやる!」

 追加で雷を落としまくる。

「やめ……ちょ……あかんて、ほんまに死ぬ……」

 ドラゴンは苦しむ。
 できればそのまま気絶してほしかったが、

「消えた!」

 ドラゴンが一瞬にして消え失せた。
 そう言や現れた時も突然だったな。
 まあ、なんにせよこれで一件落着か?

「まだです、てるてる坊主様!」

 OKチョーケーは警戒を解かない。

「やつらは瞬間移動の魔法を使えるんです!」
「なるほど」

 で、どこから出てくるのかはわからないわけだ。

「水じゃ。やつらが瞬間移動できるのは水から水へなのじゃ」

 じーさん、物知りだな。
 でもよ、さっきあのドラゴンが水を吹き散らかしたせいで、そのへん水溜まりだらけじゃねーか。
 これ全部警戒しろってか?
 待てよ。
 性格の悪そうなドラゴンのことだ。

「後ろから狙って来る気がすr――」
「殺したらぁ!」
「ビンゴ!」

 予想通り。
 ドラゴンの噛みつきを、俺はひらりとかわす。

「クソボケてるてる坊主! なんでわしがこんなカスにしばかれなあかんのや! めっためたに引き裂いてケツ拭いて捨てたらぁ!」
「懲りてねえみたいだな。たっぷりお仕置きしてやるぜ」

 雷を落としてやろうと構えた俺の前に、

「やめんか!」

 と、じーさんが立ちはだかる。
 なんでだ!?

「お前さんほどの者が暴れたら、ここら一帯が火事になってしまうぞ!」

 あー……確かに。
 木がいっぱい生えてるもんな。
 自然環境をこれ以上破壊するのはマズいか。
 でも、じゃあ、

「どうすればいいんだ?」
「見ておれ」
「へ? まさか、じーさん……」

 あんたが戦うつもりなのか?
 じーさんは両手をドラゴンに向け、精神統一。
 やめろ!
 魚に負けてたやつがドラゴンに勝てるわけないだろ!
 だけど、じーさんは笑顔で、

「後は任せたぞ」

 そう言い残して魔法を発動した。

「ああああっ!!??」

 ドラゴンが苦しみだす。

「クソッ……わし運が悪すぎるやろ……。なんでこんな田舎でこんなヘンテコなやつらにしばかれなあかんねん。……兄貴にどつかれてまうけど、しゃーない。ここは退散や! 覚えとけ!」

 ドラゴンは一瞬で消えた。
 それと同時にじーさんが倒れる。

「ふ……わしも歳じゃな。昔じゃったら、あんな青二才の脳を焼ききるのに5秒もかからんかったわ」
「あんたヤベー魔法を使うんだな……。それだけの実力があるってことは、昔A級冒険者だったってのも嘘じゃなさそうだ」
「疑っておったのか? わしは……うぅ」
「おい! 死ぬなよ! おい、OKチョーケー! こいつを手当てしてやってくれ!」

 駆けつけたOKチョーケーは、

「てるてる坊主様、ダメです」
「どうしてだ!」
「……もう……お亡くなりになっています」
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