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第2章 びしょぬれ令嬢の回想
第015話 予言
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「ちょっと待てよ、おい!」
ギルドにて、テレジアちゃんがブチギレる。
「この前のクエストは成功だっただろ!? 外来魚は全部駆除できたじゃん!」
「おまけにドラゴン族を相手に見事な戦いぶりだったらしいな。だから、てるてる坊主はE級からA級に昇格。文句あんのか?」
ギルド長のアイアイはさも当然といった風に答えた。
「大ありだよ! なんで私はD級!!? ひとつしか昇格できてないじゃん!!」
「大して活躍できなかったろ?」
「んだと!」
今にも殴りかかりそうなテレジアちゃんを、いつものようにOKチョーケーが制止する。
ありがとう。
しばらくそのまま羽交い締めにしておいてくれ。
さて、アイアイのおっさんよ、
「早速、次のクエストを紹介してほしい」
「希望は?」
「何でもいいから池周辺のクエストで頼む」
「池……はないな。どうして池にこだわる?」
テレジアちゃんが俺の代わりに答えて、
「ドラゴン族をブッ飛ばすために決まってんだろ! あいつらは水から水に瞬間移動できるじゃん。だから池とか湖のそばに行って、待ち伏せるんだよ。遭遇できなくっても、何か痕跡を見つけられるかもしんねえしな!」
「しらみ潰しに?」
「何もしないクソギルドよりよっぽどマシだろうが!」
「ふっ」
アイアイは苦笑しつつも、
「おめぇの気持ちはわからんでもねぇよ」
彼の語るところによると、そもそもドラゴン族に対抗できる魔力を持つものは稀らしい。
だから誰も立ち向かわない。
だが、もし偶然そんな実力者とパーティーを組むことができたら、少なくとも、
「俺ならドラゴン殺しに人生を賭けてみたくならぁな。……ふっ。にしても、てるてる坊主か」
何だ?
俺がどうした?
「予言だよ。もしかすると、おめぇが予言された神かもしれねぇな」
「予言? 神? どういうことだ?」
怪訝そうに俺を見るなよ。
しょうがないだろ。
俺はこの世界に来たばかりで、あんたらにとっての常識ってもんを知らねーの。
というわけで、OKチョーケーに説明を求めた。
「昔から〝悪魔が世界を沈めようとする時、太陽の神が世界を照らす〟という予言が伝わっているのです」
「俺がその太陽の神様だってのか?」
「初めてお会いした時、私はそう確信しました。てるてる坊主様の強さは神の域です」
「はっ。どうだか。そんなヨタ話より、クエストを探そうぜ」
アイアイは頭を抱える。
「水の近くのクエストねぇ……」
と、そこへギルド職員のキャネコットちゃんが現れた。
アイアイの元まで走ってきて、
「ツマカタキヌサ市から業務連絡です!」
「ん~?」
紙に目を通したアイアイは、やがてにんまりして、
「どうやらおめぇらのクエストが決まったようだな」
ギルドにて、テレジアちゃんがブチギレる。
「この前のクエストは成功だっただろ!? 外来魚は全部駆除できたじゃん!」
「おまけにドラゴン族を相手に見事な戦いぶりだったらしいな。だから、てるてる坊主はE級からA級に昇格。文句あんのか?」
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「大して活躍できなかったろ?」
「んだと!」
今にも殴りかかりそうなテレジアちゃんを、いつものようにOKチョーケーが制止する。
ありがとう。
しばらくそのまま羽交い締めにしておいてくれ。
さて、アイアイのおっさんよ、
「早速、次のクエストを紹介してほしい」
「希望は?」
「何でもいいから池周辺のクエストで頼む」
「池……はないな。どうして池にこだわる?」
テレジアちゃんが俺の代わりに答えて、
「ドラゴン族をブッ飛ばすために決まってんだろ! あいつらは水から水に瞬間移動できるじゃん。だから池とか湖のそばに行って、待ち伏せるんだよ。遭遇できなくっても、何か痕跡を見つけられるかもしんねえしな!」
「しらみ潰しに?」
「何もしないクソギルドよりよっぽどマシだろうが!」
「ふっ」
アイアイは苦笑しつつも、
「おめぇの気持ちはわからんでもねぇよ」
彼の語るところによると、そもそもドラゴン族に対抗できる魔力を持つものは稀らしい。
だから誰も立ち向かわない。
だが、もし偶然そんな実力者とパーティーを組むことができたら、少なくとも、
「俺ならドラゴン殺しに人生を賭けてみたくならぁな。……ふっ。にしても、てるてる坊主か」
何だ?
俺がどうした?
「予言だよ。もしかすると、おめぇが予言された神かもしれねぇな」
「予言? 神? どういうことだ?」
怪訝そうに俺を見るなよ。
しょうがないだろ。
俺はこの世界に来たばかりで、あんたらにとっての常識ってもんを知らねーの。
というわけで、OKチョーケーに説明を求めた。
「昔から〝悪魔が世界を沈めようとする時、太陽の神が世界を照らす〟という予言が伝わっているのです」
「俺がその太陽の神様だってのか?」
「初めてお会いした時、私はそう確信しました。てるてる坊主様の強さは神の域です」
「はっ。どうだか。そんなヨタ話より、クエストを探そうぜ」
アイアイは頭を抱える。
「水の近くのクエストねぇ……」
と、そこへギルド職員のキャネコットちゃんが現れた。
アイアイの元まで走ってきて、
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