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第8話
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あたふたと自分を抱きしめるようにして胸を隠す。しかしあっさりと両手首をさらわれて、顔の横につなぎとめられてしまった。
「あんた……だいぶ胸あるな。わざと大きめの服を着て、隠してたのか」
「だって、街に出たとき、男の人たちがみんな私の胸、見てきたんですもの……。私の顔を見て、それからすっと視線が落ちて……。怖かった……」
「それについては、まあ……男の性だからどうしようもねえっつーか……。こんだけの大きさがあって、見ないでいられる男なんて、世界中どこを探しても居ねえと思う」
「世界中? そういうものなんですか?」
「ああ、もう無意識だな、目が行くのは。でも見られる側としちゃあ嫌だよな。全世界の男を代表して俺が謝る。つい見ちまって、本当にすまねえ」
「……ふふ。お気遣い、ありがとうございます」
他人の目の前に素肌をさらしている異様な状況にもかかわらず、テレシュナは恥じらいよりも、淫魔の真摯さに心を奪われていた。
(淫魔さんになら、じっと見つめられても、触れられてもきっと、嫌じゃない)
心の中で自分に言い聞かせるようにそうつぶやいてから、視線をもたげて使い魔と目を合わせる。綺麗な赤い瞳を一心に見上げて微笑んでみせる。
「好きなだけ、見て、触って、ください。それが、あなたにとって、ご褒美……になるんですよね?」
「ああ、もちろんだ……!」
淫魔が目を輝かせた次の瞬間、胸に覆いかぶさってきた。
「ひゃんっ!」
胸の先が熱に包み込まれる。と同時にもう一方の先端が指に挟まれる。
初めて与えられる感覚は、体の中心をつらぬいていき、下腹の奥に突き刺さった。身をよじらせて、慣れない感覚を必死に耐える。
「あっあっ、やあっ、はあっ、あっあっあっ……!」
胸の頂点が熱い舌で弾かれる。ぴんっと強く弾かれたかと思えば、舌先で細かく弄り回される。
もう一方の頂点も、舌の動きをまねるかのように指の背で引っかけては、指先でかりかりと弾き倒す。
テレシュナは無意識のうちに、淫魔の頭をぎゅっと抱きしめていた。
(気持ちい、きもちい、きもちい……!)
もっと触って欲しくて、腕に力を込める。
するとすぐ、うなり声と共に動きが止まった。
「……!?」
何かまずかっただろうかと、おそるおそる視線を下げる。すると、胸の上でわずかに顔を浮かせた淫魔が苦笑いを浮かべた。
「主サマよ、ちょっとだけ腕の力を弱めてもらっていいか? 主サマの、ふわふわの胸に顔をうずめるのは最高に気持ちいいんだけどよ。ちょっとばかし息苦しい」
「あ! す、すみません……」
慌てて両手から力を抜く。
笑顔をさらに輝かせた淫魔が、愛撫を再開した。ちゅうううっと胸を吸っては、舌先でぴんっぴんっと弾きまわす。
再び戻ってきた快感に、ただただ浸る。しばらくそうして淫魔の頭をそっと抱きしめては心地よさに耽溺していると、片方の手が離れていき、肌をさすり出し――。
下着の中を探られ始めた。指先が足の間に滑り込んできて、誰にも触れさせたことのない箇所にあてがわれる。
「ひゃんっ」
またしても初めて与えられた刺激は、胸よりももっと鮮烈だった。ひとりでに膝が跳ねる。
淫魔がテレシュナの胸の先を唇で挟んだまま、くぐもった声でつぶやいた。
「よかった……。濡れてるな」
「ほえ!?」
女の体が性的な刺激を受けると愛液を分泌させる、そういった知識はあった。しかしまさか、自分の身にその現象が起きるなどとは想像すらしたことがなかった。テレシュナは、動揺と恥じらいとに同時に襲われて目が回る思いがした。
「何が、『よかった』なんですか……! そんなところ、汚いから触っちゃダメです……!」
「汚ねえもんかよ。あんたの中からあふれてくる蜜は、全部俺のもんだ……!」
切々と訴える風な口調でつぶやいた淫魔が起き上がり、テレシュナの下着を強引に脱がしていく。それからテレシュナの足を大きく開き、その間に顔をうずめた。
「やだ、やだあっ、――はあんっ」
指で触れていた箇所が、じゅっと吸い上げられる。指とは違った強烈な快感に、びくりと腰が跳ねた。
その動きを押さえつけるように、太ももをつかむ手に力が込められる。と同時に、完全に吸い尽くされた柔らかな部分が、熱い口の中でぐちゅぐちゅと舐められ始めた。
「きゃんっ! あっあっはああっ! や、やだやだっやめてええ……!」
頭を押してもびくともしない。角をつかんで揺さぶってみても、淫魔はまるで意に介す様子もなく愛撫を続けている。
拒むテレシュナの体がさらに追い詰められる。舐め回されている部分のすぐ下に、指が一本差し込まれたのだった。
「はうっ、あうっ、あっあっあっあっ……」
舌で弾く動きに合わせて指の抜き差しが始まる。はじめはごくゆっくりと、次第に強く、深みを探られだす。
無意識に締め上げてしまうそこに響く感覚は、胸の先から送り込まれたものとは比べ物にならないほど鮮烈だった。深い悦びが、下腹から体の中心を駆け上がり脳に突き刺さる。
気持ちいい――テレシュナは、それ以外にもはや何も考えられなくなった。
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