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第9話:訳ありの真相
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放課後の教室。
衣装制作も、残すところ装飾品をつけるだけとなった。
このままでも十分に気品にあふれたドレスだが、どこか寂しい印象がある。
ゴールドのレースを襟元、袖口、スカートの裾に縫いつけ、身ごろにもあしらう。
仕上げに、腰にゴールドのリボンを巻けば完成だ。
雛森と並んで襟元のレース部分を仮止めしていると、ふと手が触れた。
「あっ、ごめん」
よく見ると、以前は絆創膏だらけだった彼女の手も、今ではすっかり癒えていた。
「傷、治ってよかったな」
まっすぐに見つめてくる瞳に、吸い込まれそうになる。
「これで、覗きの分は……チャラってことで」
助けあげているつもりだったが、よくよく考えれば危ない橋を渡っていた。
彼女が俺の手を取らなければ、すべてが終わっていた。
「ありがとうございます」
雛森の寛大な心に、思わず頭を下げた。
雛森は手を止め、席を立ち、窓際に歩いていく。
彼女は息抜きのたびに、窓の外を見ていた。
夕陽が差す横顔には、どこか遠くを見つめるような寂しさがあった。
「……なぁ、雛森」
聞きたくても聞けなかった。
彼女の瞳に宿る影に、どんな過去が潜んでいるのか。
ただ一言、尋ねればいい。
返事がなくても、話を流せばいい。
けれど、その一言が喉の奥で引っかかる。
きっと、知っても俺には何もできないという思いが、言葉をせき止める。
だが、意を決して俺は聞いた。
「なんで、演劇をやめたんだ?」
そして、一瞬だけ目を閉じて、何かを決意したように口を引き結ぶ。
静かに口を開く。
「演劇が怖いんだ……」
「あんなに楽しかったのに……」
「ステージに上がると、足が動かなくなる」
「観客の顔を見ると笑顔が嘲笑に見えて声が出なくなる」
彼女の声は静かだったけれど、心の奥から滲み出る痛みがあった。
「何がそんなに、雛森を変えてしまったんだ?」
瞳に映る影が俺を強く引き寄せる。
「私……」
教室の空気が、ぴたりと止まる。 心臓の鼓動だけが、やけに大きく響く。
「――笑えないんだ」
その言葉を聞いた瞬間、思わず耳を疑った。
笑えない?
学校生活がつまらないとか、人間関係がうまくいかないとか、そういう意味か?
「それって、話が合わないとか……そういう話だよな?」
「違うよ」
「本当に、笑えないの」
「心では笑ってる。ちゃんとそういう気持ちはあるのに……表情に出せないの」
「いえ……出せなくなってしまったんだ」
彼女と久しぶりに再会したときに感じた違和感。
顔が死んでいることは分かった。
だがそれは、学校やクラスメイトが嫌いなだけで
笑顔を見せていないだけだと思っていた。
でも違った。彼女は
――笑顔を失っていたんだ。
あのステージで見せた、眩しいくらいの笑顔。
あれを見ることができない。
――今この瞬間も
「そういうことだったのか……」
普通の人間にとって、笑顔はただ感情を伝える手段のひとつに過ぎない。
それを失えば、人間関係に支障はあるだろう。
でも、彼女にとっては違う。
役者である彼女にとって、“笑えない”ということは――
「演劇をやめたんじゃなくて」
「――演劇ができないんだな」
それは、演じることそのものを、封じられるということだった。
役者生命の、終わり。
彼女の夢の終わり。
雛森は、そっと首を縦に振った。
「うん……」
「中学三年の夏から……ずっと」
慧が言っていたことと一致する。
雛森の様子がおかしくなったのは、まさにその時期だ。
「中三の最後の大会。演劇のラストシーンは私が振り返って笑顔になるシーンだった」
「最後いい笑顔で終わらせないといけない、そう思って振り向こうとしたとき」
「私は泣いていたの……」
「緊張したのか?」
「それもある。でもその前に色々あって……」
不器用で真っすぐな彼女だからこそ、普通の人間なら抱えきれない何かを背負っていたのだろう。
「でも、他にやり方はなかったのか?」
「笑わない役とかだって、あるだろ?そういうのから始めてみるとか……」
「――全部やったよ。でも、ダメだったんだ……」
「両親、友達、先輩、みんなに相談した」
「最後の望みで病院にも通った。やっぱり原因は分からなかった」
「カウンセリングも続けた。でも、良くならなくて……正直、積んでいるんだよ」
俺は思い出す。
中学の野球部にイップスになったやつがいた。
たった一球のデッドボールで、投げられなくなった。
でも本当の原因は、その背景にあった。
親からの期待、監督の叱責、部長としての責任、仲間の視線。
見えない重圧が少しずつ心を蝕み、ある日、ぽきりと折れる。
雛森も、抱えきれない何かを、ずっと一人で抱え、そして押し潰されてしまったのだ。
「笑えなくても、高校1年の秋までは演劇続けていたんだ」
「9月の地区大会、私はちょい役で出る予定だった」
「でも、大会前日に脇役の子が出られなくなって、私が代役に選ばれたの」
「えっ、それって、雛森が笑えないって知ってて、明るい役を?」
「うん、笑顔が必要な役だった。なのに……」
「部の人たちは、私が笑えないことを知ってたけど、緊張や練習不足だと思ってたみたい」
「気の持ちようって言われてた」
理解のない言葉だ。
「それで、どうだったんだ?」
「最初は大丈夫だった。けど、笑顔で喜ぶシーンがダメで」
「そこから頭が真っ白になって、パニックを起こした」
「先輩たちの最後の舞台だったの。絶対に失敗できないって思うほど、体が動かなくなった」
「そして総崩れ」
「県大会どころか、地区大会で敗退した」
それは、本当に雛森ひとりの責任なのか。
準備不足の部体制の問題もある。
「それ、雛森だけのせいじゃないと思う」
「もう一度ステージ立てば……」
「それもできないの……」
「『私たちの努力返してよ』っていわれちゃってさ」
雛森は一瞬、俯いて拳をぎゅっと握った。張り詰めた沈黙が、教室の空気を凍らせる。
「演劇部には、もう私の居場所なんてないの」
「だから、無理なの……」
「もう、ステージに立てないの」
さっきまで晴れていた空に急に雲がかかり、窓の外では大粒の雨が打ちつけ始めた。
雷鳴が遠くで響き、雨はあっという間に豪雨へと変わり、教室を包み込む。
激しく打ちつける雨音が窓を震わせ、生乾きのアスファルトと濡れた木々の匂いが漂い始めた。
「今日は、もう、作業終わりにしよう」
「集中できないや」
「ごめん、主人公君、片づけ、お願い……」
そう言って、雛森はカバンを手に取り、教室を出ていった。
衣装制作も、残すところ装飾品をつけるだけとなった。
このままでも十分に気品にあふれたドレスだが、どこか寂しい印象がある。
ゴールドのレースを襟元、袖口、スカートの裾に縫いつけ、身ごろにもあしらう。
仕上げに、腰にゴールドのリボンを巻けば完成だ。
雛森と並んで襟元のレース部分を仮止めしていると、ふと手が触れた。
「あっ、ごめん」
よく見ると、以前は絆創膏だらけだった彼女の手も、今ではすっかり癒えていた。
「傷、治ってよかったな」
まっすぐに見つめてくる瞳に、吸い込まれそうになる。
「これで、覗きの分は……チャラってことで」
助けあげているつもりだったが、よくよく考えれば危ない橋を渡っていた。
彼女が俺の手を取らなければ、すべてが終わっていた。
「ありがとうございます」
雛森の寛大な心に、思わず頭を下げた。
雛森は手を止め、席を立ち、窓際に歩いていく。
彼女は息抜きのたびに、窓の外を見ていた。
夕陽が差す横顔には、どこか遠くを見つめるような寂しさがあった。
「……なぁ、雛森」
聞きたくても聞けなかった。
彼女の瞳に宿る影に、どんな過去が潜んでいるのか。
ただ一言、尋ねればいい。
返事がなくても、話を流せばいい。
けれど、その一言が喉の奥で引っかかる。
きっと、知っても俺には何もできないという思いが、言葉をせき止める。
だが、意を決して俺は聞いた。
「なんで、演劇をやめたんだ?」
そして、一瞬だけ目を閉じて、何かを決意したように口を引き結ぶ。
静かに口を開く。
「演劇が怖いんだ……」
「あんなに楽しかったのに……」
「ステージに上がると、足が動かなくなる」
「観客の顔を見ると笑顔が嘲笑に見えて声が出なくなる」
彼女の声は静かだったけれど、心の奥から滲み出る痛みがあった。
「何がそんなに、雛森を変えてしまったんだ?」
瞳に映る影が俺を強く引き寄せる。
「私……」
教室の空気が、ぴたりと止まる。 心臓の鼓動だけが、やけに大きく響く。
「――笑えないんだ」
その言葉を聞いた瞬間、思わず耳を疑った。
笑えない?
学校生活がつまらないとか、人間関係がうまくいかないとか、そういう意味か?
「それって、話が合わないとか……そういう話だよな?」
「違うよ」
「本当に、笑えないの」
「心では笑ってる。ちゃんとそういう気持ちはあるのに……表情に出せないの」
「いえ……出せなくなってしまったんだ」
彼女と久しぶりに再会したときに感じた違和感。
顔が死んでいることは分かった。
だがそれは、学校やクラスメイトが嫌いなだけで
笑顔を見せていないだけだと思っていた。
でも違った。彼女は
――笑顔を失っていたんだ。
あのステージで見せた、眩しいくらいの笑顔。
あれを見ることができない。
――今この瞬間も
「そういうことだったのか……」
普通の人間にとって、笑顔はただ感情を伝える手段のひとつに過ぎない。
それを失えば、人間関係に支障はあるだろう。
でも、彼女にとっては違う。
役者である彼女にとって、“笑えない”ということは――
「演劇をやめたんじゃなくて」
「――演劇ができないんだな」
それは、演じることそのものを、封じられるということだった。
役者生命の、終わり。
彼女の夢の終わり。
雛森は、そっと首を縦に振った。
「うん……」
「中学三年の夏から……ずっと」
慧が言っていたことと一致する。
雛森の様子がおかしくなったのは、まさにその時期だ。
「中三の最後の大会。演劇のラストシーンは私が振り返って笑顔になるシーンだった」
「最後いい笑顔で終わらせないといけない、そう思って振り向こうとしたとき」
「私は泣いていたの……」
「緊張したのか?」
「それもある。でもその前に色々あって……」
不器用で真っすぐな彼女だからこそ、普通の人間なら抱えきれない何かを背負っていたのだろう。
「でも、他にやり方はなかったのか?」
「笑わない役とかだって、あるだろ?そういうのから始めてみるとか……」
「――全部やったよ。でも、ダメだったんだ……」
「両親、友達、先輩、みんなに相談した」
「最後の望みで病院にも通った。やっぱり原因は分からなかった」
「カウンセリングも続けた。でも、良くならなくて……正直、積んでいるんだよ」
俺は思い出す。
中学の野球部にイップスになったやつがいた。
たった一球のデッドボールで、投げられなくなった。
でも本当の原因は、その背景にあった。
親からの期待、監督の叱責、部長としての責任、仲間の視線。
見えない重圧が少しずつ心を蝕み、ある日、ぽきりと折れる。
雛森も、抱えきれない何かを、ずっと一人で抱え、そして押し潰されてしまったのだ。
「笑えなくても、高校1年の秋までは演劇続けていたんだ」
「9月の地区大会、私はちょい役で出る予定だった」
「でも、大会前日に脇役の子が出られなくなって、私が代役に選ばれたの」
「えっ、それって、雛森が笑えないって知ってて、明るい役を?」
「うん、笑顔が必要な役だった。なのに……」
「部の人たちは、私が笑えないことを知ってたけど、緊張や練習不足だと思ってたみたい」
「気の持ちようって言われてた」
理解のない言葉だ。
「それで、どうだったんだ?」
「最初は大丈夫だった。けど、笑顔で喜ぶシーンがダメで」
「そこから頭が真っ白になって、パニックを起こした」
「先輩たちの最後の舞台だったの。絶対に失敗できないって思うほど、体が動かなくなった」
「そして総崩れ」
「県大会どころか、地区大会で敗退した」
それは、本当に雛森ひとりの責任なのか。
準備不足の部体制の問題もある。
「それ、雛森だけのせいじゃないと思う」
「もう一度ステージ立てば……」
「それもできないの……」
「『私たちの努力返してよ』っていわれちゃってさ」
雛森は一瞬、俯いて拳をぎゅっと握った。張り詰めた沈黙が、教室の空気を凍らせる。
「演劇部には、もう私の居場所なんてないの」
「だから、無理なの……」
「もう、ステージに立てないの」
さっきまで晴れていた空に急に雲がかかり、窓の外では大粒の雨が打ちつけ始めた。
雷鳴が遠くで響き、雨はあっという間に豪雨へと変わり、教室を包み込む。
激しく打ちつける雨音が窓を震わせ、生乾きのアスファルトと濡れた木々の匂いが漂い始めた。
「今日は、もう、作業終わりにしよう」
「集中できないや」
「ごめん、主人公君、片づけ、お願い……」
そう言って、雛森はカバンを手に取り、教室を出ていった。
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