54 / 88
54 王太子視点
しおりを挟む
「ネオ様、せっかくなんで、この前みたいに露店街で買ってきて工房で食べるのではなく、お店で食べませんか?」
ローザがお店で食べたいと言ってきた。いきなり店に行って食べるのは、個室は案内されないだろうし、滞在時間が長くなると身バレしてしまう可能性が上がってしまう。
「……お店で食べるのは最終日にしようか」
俺は少し考えて、他の日にちで個室を予約すれば他の人に会わずに済むんじゃないかと思いついた。
「いきなりはダメでしたか?」
ローザが申し訳なさそうな顔をして聞いてくる。
「そう言うわけではないんだけど……」
今すぐ予約ができないこともないが、個室が空いている店があるかどうかわからない。個室のことを話そうか迷っているとローザが笑顔を見せた。
「……わかりました。最終日ですね!楽しみにしています!」
「今日、行けなくてすまない…」
申し訳なさそうに俺は答えた。
「最終日に行けるので大丈夫ですよ。気にしないでください」
気にしないと言いながらも気にしているそぶりが見える。ローザはわかりやすい。
俺も申し訳なさが顔に出ていたようだ。それを打ち消すかのようにローザがまた笑顔でいった。
「最終日、楽しみにしてますね!」
「俺も楽しみにしてる。ローザ嬢は何か食べたいものはあるかな?」
ローザが気にしていないように振る舞うなら俺も合わせて接していく。
「私、お肉が好きなんですよ。そうそう、この前ネオ様にお店の中で聞いたハンバーグ美味しかったです!」
隣町の店で偶然ローザに会った時のことだ。俺もあの店のことは視察をしてる時に偶然知った。
「ローザ嬢は肉が好きなんだな。じゃあ美味しい肉を食べさせてくれる店を探しておくよ」
「わー!嬉しいです!お店も楽しみにしていますね!」
侍従に帰ったら美味しい店を聞いてみる。俺の侍従の1人はよく食べ歩きをしていると言っていた。ついでに予約もお願いしようと思う。
ローザと話しながら歩いているとあっという間に露店街に着いてしまった。この前のローザの話を聞くばかりだった俺からは少し成長したと思う。
「今日、なんかこの前より人が多いですね」
「ああ、本当に」
「今日は何かあるのかな?」
「いや、今日は勤め人の休日の前日の夜だから人が多いのかもしれない」
ローザは地方貴族だから平民の生活はよく知らないようだ。
「明日休みだと思うと寄り道しちゃいますよね。私も王都に来た時に、明日自領に帰るだけだと思うと、遅くまで色々みちゃうからそれと一緒ですよね」
「そうだろうね」
露店街を歩いているとローザの目線があるところに向いていた。
「あ!この前美味しかった米粉のサンドイッチの店がありました!」
「どこ?」
「そこです。私、明日の朝のために買っていきますね!ちょっとここで待っていてもらえますか?」
ローザが斜め向かいを指差した。今のところお客さんはいないようだった。
「俺も一緒に行くよ」
デートのつもりだったから一緒に行こうとしたがローザは1人でいくようだった。
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。すぐ買ってくるので、待っててください」
「わかった」
ローザを待つことにした。
「ネオシスト?ネオシストだよね?」
ローザを待っているといきなり王太子名で呼ばれた。俺の本当の名はネオシスト・キュメント。声のする方を見るとオシラだった。
「!オシラじゃないか!」
「久しぶりね、ネオシスト。変装してこんなところで立っていてどうしたの?」
オシラは俺の叔父の娘でつまり、俺の従姉妹にあたる。
オシラは公爵の娘でありながら、外商で公爵のところへ出向いていた平民のシルクリア商会のロッド会長に惚れて、猛アタックしてロッド会長を落とし、強靭な精神力で公爵を説得し結婚した強者だった。
従姉妹であり、歳も近かったのもあって、俺とオシラは最初は俺と守護精霊同士が番なんじゃないかって言われていたが、蓋を開けてみたらそうではなかった。
オシラが結婚してからは平民になってしまったこともあり、全く会うことがなかった。今日会ったのも3年ぶりだった。
ローザがお店で食べたいと言ってきた。いきなり店に行って食べるのは、個室は案内されないだろうし、滞在時間が長くなると身バレしてしまう可能性が上がってしまう。
「……お店で食べるのは最終日にしようか」
俺は少し考えて、他の日にちで個室を予約すれば他の人に会わずに済むんじゃないかと思いついた。
「いきなりはダメでしたか?」
ローザが申し訳なさそうな顔をして聞いてくる。
「そう言うわけではないんだけど……」
今すぐ予約ができないこともないが、個室が空いている店があるかどうかわからない。個室のことを話そうか迷っているとローザが笑顔を見せた。
「……わかりました。最終日ですね!楽しみにしています!」
「今日、行けなくてすまない…」
申し訳なさそうに俺は答えた。
「最終日に行けるので大丈夫ですよ。気にしないでください」
気にしないと言いながらも気にしているそぶりが見える。ローザはわかりやすい。
俺も申し訳なさが顔に出ていたようだ。それを打ち消すかのようにローザがまた笑顔でいった。
「最終日、楽しみにしてますね!」
「俺も楽しみにしてる。ローザ嬢は何か食べたいものはあるかな?」
ローザが気にしていないように振る舞うなら俺も合わせて接していく。
「私、お肉が好きなんですよ。そうそう、この前ネオ様にお店の中で聞いたハンバーグ美味しかったです!」
隣町の店で偶然ローザに会った時のことだ。俺もあの店のことは視察をしてる時に偶然知った。
「ローザ嬢は肉が好きなんだな。じゃあ美味しい肉を食べさせてくれる店を探しておくよ」
「わー!嬉しいです!お店も楽しみにしていますね!」
侍従に帰ったら美味しい店を聞いてみる。俺の侍従の1人はよく食べ歩きをしていると言っていた。ついでに予約もお願いしようと思う。
ローザと話しながら歩いているとあっという間に露店街に着いてしまった。この前のローザの話を聞くばかりだった俺からは少し成長したと思う。
「今日、なんかこの前より人が多いですね」
「ああ、本当に」
「今日は何かあるのかな?」
「いや、今日は勤め人の休日の前日の夜だから人が多いのかもしれない」
ローザは地方貴族だから平民の生活はよく知らないようだ。
「明日休みだと思うと寄り道しちゃいますよね。私も王都に来た時に、明日自領に帰るだけだと思うと、遅くまで色々みちゃうからそれと一緒ですよね」
「そうだろうね」
露店街を歩いているとローザの目線があるところに向いていた。
「あ!この前美味しかった米粉のサンドイッチの店がありました!」
「どこ?」
「そこです。私、明日の朝のために買っていきますね!ちょっとここで待っていてもらえますか?」
ローザが斜め向かいを指差した。今のところお客さんはいないようだった。
「俺も一緒に行くよ」
デートのつもりだったから一緒に行こうとしたがローザは1人でいくようだった。
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。すぐ買ってくるので、待っててください」
「わかった」
ローザを待つことにした。
「ネオシスト?ネオシストだよね?」
ローザを待っているといきなり王太子名で呼ばれた。俺の本当の名はネオシスト・キュメント。声のする方を見るとオシラだった。
「!オシラじゃないか!」
「久しぶりね、ネオシスト。変装してこんなところで立っていてどうしたの?」
オシラは俺の叔父の娘でつまり、俺の従姉妹にあたる。
オシラは公爵の娘でありながら、外商で公爵のところへ出向いていた平民のシルクリア商会のロッド会長に惚れて、猛アタックしてロッド会長を落とし、強靭な精神力で公爵を説得し結婚した強者だった。
従姉妹であり、歳も近かったのもあって、俺とオシラは最初は俺と守護精霊同士が番なんじゃないかって言われていたが、蓋を開けてみたらそうではなかった。
オシラが結婚してからは平民になってしまったこともあり、全く会うことがなかった。今日会ったのも3年ぶりだった。
52
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。
専業プウタ
恋愛
ミリア・カルマンは帝国唯一の公爵家の次女。高貴な皇族の血を引く紫色の瞳を持って生まれたワガママな姉の陰謀で、帝国一裕福でイケメンのレナード・アーデン侯爵と婚約することになる。父親であるカルマン公爵の指示のもと後継者としてアカデミーで必死に勉強してきて首席で卒業した。アカデミー時代からの恋人、サイラスもいる。公爵になる夢も恋人も諦められない。私の人生は私が決めるんだから、イケメンの婚約者になど屈しない。地位も名誉も美しさも備えた婚約者の弱みを握り、婚約を破棄する。そして、大好きな恋人と結婚してみせる。そう決意して婚約者と接しても、この婚約者一筋縄ではいかない。初対面のはずなのに、まるで自分を知っていたかのような振る舞い。ミリアは恋人を裏切りたくない、姉の思い通りになりたくないと思いつつも彼に惹かれてく気持ちが抑えられなくなっていく。
契約結婚の相手が優しすぎて困ります
みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。
過労薬師です。冷酷無慈悲と噂の騎士様に心配されるようになりました。
黒猫とと
恋愛
王都西区で薬師として働くソフィアは毎日大忙し。かかりつけ薬師として常備薬の準備や急患の対応をたった1人でこなしている。
明るく振舞っているが、完全なるブラック企業と化している。
そんな過労薬師の元には冷徹無慈悲と噂の騎士様が差し入れを持って訪ねてくる。
………何でこんな事になったっけ?
【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?
エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。
文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。
そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。
もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。
「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」
......って言われましても、ねぇ?
レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。
お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。
気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!
しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?
恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!?
※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる