[完結]困窮令嬢は幸せを諦めない~守護精霊同士がつがいだったので、王太子からプロポーズされました

緋月らむね

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「ヤラありがとう!ヤラの言う通りだったよ。うまくイヤーカフができたよ」

 できたものを手に取って確認してみたけど、銀板と銀粘土の境目はわからないくらい綺麗にできていた。

(これならシルクリア商会に持っていけるね)

「うん。それに、これなら今までの10倍の価格で売り出すって言われても納得できるよ」

 私の得意な空想の植物をモチーフにした飾りを作って銀粘土の引っ掛ける部分と合わせた自信作だ。

(ローザが納得できるものができて良かったよ)

 私はなんとかシルクリア商会に納品するための100個のイヤーカフを作った。

「しまった!見せるための見本を作り忘れていた。今から何個か見本を作らないと!」

 大変な事を忘れていた…… 納品するものは作れたけど、見本品を作るのをすっかり忘れていた。

(ローザ、落ち着いて。今日入れてあと3日あるから、今から作れば間に合うよ)

 ヤラに言われて、落ち着いて考えてみた。自領から出発するまでに、ヤラが言った通り、今日入れて3日ある。見本品は私が着けて見せるのと、コルネ様やロッド会長が実際に手に取って見てみるものが必要だと思う。

 それと、もしかしたら…… ロッド会長の奥様のオシラ様にも必要かもしれない。

 銀板はまだ少し余っていたので4個ぐらいならなんとかなりそうだった。それとせっかく銀粘土もあるから銀粘土だけでも何個かイヤーカフを作ってみることにした。

 銀粘土で作る粘土細工は慣れているから、2時間もあればできる。それよりも、銀板の糸鋸での切り出しをすることの方が、時間がかかるので先に取り掛かることにした。

 100個作ったあとなので、大分慣れてきて思ったよりスムーズに銀板からの切り出しができた。思っていたより早くできて、1時間くらいだった。

「できた!次は銀粘土で引っ掛ける部分と銀粘土だけのイヤーカフの形成だ」

(ローザ、早いじゃん!頑張った!これなら余裕で間に合うね)

「うん、この調子で銀粘土細工も作っちゃう」

 私は夜までには銀粘土細工も完成させていた。




「全部できたー!!あとは乾燥させて窯で焼くだけだ!」

(ローザ、お疲れ)

「ヤラ、ありがとう。今日はもうゆっくりするよ」

 私は窯のある部屋から出て自室に向かっていた。

「ローザ、お疲れ様。食事ができているから一緒に食べよう」

 後ろからお父様に声をかけられた。私がシルクリア商会に納品するものを作成していたから、お父様が食事を作ってくれていたのだ。

 貴族の当主なのに食事も作るなんてと思われるかもしれないけど、私みたいに何か商品が作れるわけではないからと、以前から粘土細工を作って忙しい時はお父様が食事を作ってくれていた。

「もうそんな時間だったんだね。ありがとう」

「今日はポトフだよ」

 お父様の作るポトフはいつも豪快で大きく具材が切ってある食べ応えのあるものだった。

「わー!楽しみ」

 私が笑顔で答えるとお父様も嬉しそうな顔をした。

「沢山作ったから、おかわりも遠慮せずにするんだよ」

「はーい」

 私はお父様の作ったポトフが美味しくて2回もおかわりしてしまった。ちょっと食べ過ぎてしまったかもしれない。

(いつも思うけど、ローザって本当によく食べるよね)

 2回もおかわりしたので、ヤラにはちょっと呆れられていた。
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