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③
しおりを挟む炎の精霊を体に宿す者は強い魔力を持つと同時に短命なのは生命エネルギーを炎にしているからだ。
私の体の中にいるインフリートは私の生命力を燃やしている。
だから私が死ぬとき、インフリートは外に出るだろう。
なのに抑え込むとはどういうことだ。
「オリヴィエ、期待をさせるだけなのならば私は許さないぞ」
「アクエリアス…」
「インフリートの炎に彼女がどれだけ来るん死できたか、君も知らないはずないだろう」
私の炎をこれまで抑え込んできたのはアクエリアスだ。
とは言っても焼け石に水のようなもので、体が燃えるのを一時だけ抑え込んだだけだが。
それでも彼がいなかったら私は死んでいた。
「嘘じゃないわ。ここ数日熱は出ていないでしょ」
「それは…ああ」
一週間も熱で苦しまないなんてことはない。
特に夜はインフリートの力が強くなり深く眠ることはないのにここ数日は眠れている。
「アルバシア、最近薔薇の育ちが良くない?」
「確かに…」
「私は根拠がない事は言わないわ。それに過去の文献にもイフリートを完全に抑え込んだ術者がいたことが解ったの」
「本当か…」
「ええ、驚いたわ。インフリートを抑え込むなんて芸当は大魔導士でも無可能なのに…だけど過去に一人だけいたのよ!それがマリンパレスの民だったのよ」
「なんと…」
こんな偶然がるというのか?
これまで死を待つしかないと諦めていた。
ただ、次代の聖騎士に引き継がせたくなかった。
「教皇猊下、次の朔の日に例の儀式を行いたいと思います」
「正気かオリヴィエ」
「アルバシア、貴方に相談なしにこの場で言ったことは詫びるわ。だけど貴方の奥さんには許可は取ったわ。だからこの場で話させてもらったの」
「私とて、ルリチェンテを救えるなら協力したい。だが、万一失敗してルリチェンテの身に何かあったらどうするんだ。既に彼女の体は限界だ」
馬鹿な男。
ここで妻を危険に晒したくないと断ればいいのに。
なのにできない。
私の身を案じているのは本心で、儀式に賛成できないのはきっと私の体を心配しての事。
誰よりも騎士道を貫きながら騎士としてはあまりにも優し過ぎた。
人間的過ぎるのだから。
「余計な心配だ」
「ルリチェンテ!」
「私に生きる選択肢があるなら私は選ぶさ」
可能性がゼロだった過去。
でも今は可能性があるならば縋っていいだろうか。
「アルバシア、エリーゼをここに」
「承知しました」
もし生きられるなら生きたい。
それが私の願いなのだから。
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