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②
しおりを挟むあの国は歪んでいる。
王族が傲慢であるのはあの国だけではない。
だが、典型的だ。
しかも一番達の悪いのはあの馬鹿王子だ。
自分は良い王族だ。
国民思いの優秀な王だと思い込んでいる。
しかも厄介な事に民は国に尽くすことこそが一番の幸福で王家を守るためなら喜んで命を指す出すものだと思い込んでいる。
馬鹿げている。
「王が役目を放棄して民に負担を強いてるのによ。何で民が王を愛すると思ってんだよ」
「馬鹿なのだ。民の心は既に離れているというのに」
「最後の砦は姫さんだってのに、あいつらは自分で自分の首を絞めていたな」
「まぁ、そうだな…」
だが、姫さんを捧げられることも師匠は作戦の範囲内だろう。
天下の教皇が気づかないはずがない。
「強欲な連中だ。エリーゼを差し出すのは目に見えていた。多額の金を出すよりも邪魔な妃を処分できると思ったのだろう」
「普通なら敵国に遅れらたら自害するだろうな…まぁ姫さんはねぇよな」
恐らくあいつらは薬で姫さんの体を蝕んでいたはずだ。
だが姫さんはそんじょそこらのお姫様じゃない。
毒に関しては水の女神が手助けしたのと、元から普通の人間より毒が強い事が解った。
ついでに言えば自己治癒能力が半端ない。
「本当にぶっ飛んだ姫さんだぜ。だがそのおかげで助かったが」
「干ばつの問題と例の禁術の解決策は問題ない。村同士のトラブルを未然に防ぐことが叶かった」
「後は万能薬をポンポン作っていたからな」
「通常は精霊の薬とも言われる妙薬なんだが…本人はポーションだと豪語しているが」
「自覚ねぇのが怖ぇよ」
加護の力が半端ないが、最近になってレベルアップしている。
それと並行して、かつて作物が育たなかった西の領地では嘘のように作物が豊作になった。
汚れた海岸では浄化され、聖水が流れるようになった。
「アクアレーナって、そんなにすごかったのか」
「水はすべての命と繋がっているからな」
姫さんが嫁いできてから国に使役しかない。
当初は元王女で、元王太子妃を聖騎士の妻に迎えることに戸惑いはあったが、今ではそんなことはない。
王女と言えど質素な国だったので贅沢を好まないことも民の心を掴んでいた。
それだけでなく、慈善活動にも活発で、復興活動に積極的に関わる姿はまさしく聖女のようだった。
「嫁いですぐに子を身ごもった事で二人の関係が良好だとアピールできるしな」
「ああ、ここからだ。あの馬鹿共にお仕置きだ」
「お仕置きねぇ?」
この爺さんが普通のお仕置きなんて可愛い物で終わるはずがない。
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