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⑤
しおりを挟む先を急がなくてはならない。
こんな人の為に時間をつぶすなんて無駄な時間でしかない。
「行きましょう」
「待て!エリーゼ」
「気やすく呼び捨てにしないでくださいますか?愚王」
「愚王だと!」
だってそうじゃない。
国を崩壊に導き、自分の保身しか守らない。
「貴方は私を何度失望させれば満足するんですか。私は国の為に嫁ぎました。貴方を愛していたからじゃない…国を民を守る為に」
なのにこの男は何をした?
判断を間違えるだけではなく自分の保身のためにどれだけの犠牲を払った?
「今の貴方は最低最悪ですわ。私の前から消えてください」
「この亡国の王女風情が!」
「エリーゼ。下がれ」
アルバシア様が薔薇を投げようとした時だ。
「ばめ!」
「は?」
大量のシャボンだが突っ込んできた。
「ぎゃあああ!」
シャボン玉にぺんしゃんこにされ、もがき苦しむ。
「めっ!」
「おお、赤ん坊にして聡明だな。エデンよ…このままミイラにしてくれ」
「あう?」
「ちょっとルリ、赤ちゃんに何を言っているのよ」
「効率的ではないか」
エデンは意味をりかいしていないけどシャボン玉がまた増えていく。
既に虫の息である彼はシャボン玉の中に入れられふわふわ飛んでいく。
「とりあえず紐つけておくか」
「できるのか?」
「ハッ、このマクシミリアン様を侮るなよ」
そういいながら懐から縄と挟むを取り出す。
「おいルリ、この際だから肌の王にしてやれ」
「解った」
ルリ様が力を加減して炎で服を焼いていく。
「吊るしておこうぜ」
「これは…」
何という屈辱的なのかしら。
「なんだったらかぼちゃパンツも」
「いいんじゃねぇか?」
ないわ!
こんな国王前代未聞だわ。
「では最上階に行くとするか。エデンよ…頼めるか」
「だう!」
教皇様に頷き、シャボン玉は再びふわふわ浮き私達を乗せたまま最上階に向かった。
階段を上がる途中でエデンはシャボン玉で倒れている騎士達を癒してくれた。
不幸中の幸いで、重傷者はいても死亡者はいなかった。
だけど…
「いないわ」
「え?」
「辺境伯爵様や、魔導士団の子供達が」
最上階に行くにつれて、黒い霧が濃くなる中、私はこの場にいるはずの彼らがいないことに気づく。
「彼らが救援に来ないなんてありえない」
王家に不満を持ちながらも国を思い民を思う気持ちは誰よりも強い辺境伯爵様がいないなんておかしいわ。
「おい…なんかおかしくねぇか?」
「確かに、以前はこんなにオブジェはなかった」
あたりを見渡すと私が王宮にいた時にはなかった石像が並べられていた。
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