身内に裏切られた理由~夫に三行半を突きつけられたら姑が奇襲をかけて来ました!

ユウ

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57.かつての思い

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いきなり呼び出しを受けてこの仕打ち。


「あの、北条君。何故ここに?」

「少し静かにしてくれるか?その代わり礼はする」

「お母さん、なんか面白そう」


愛は何故か北条君に好意的だった。



そして現在。


私は隠れて鬼塚の告白の嵐を聞かされていた。


北条君め、ニヤニヤ笑いながら私の方をチラ見している。







好き放題言って鬼塚君を苛める北条君を今すぐハリセンで叩いてやりたい気分だったわ。

その後私の存在に気付いた鬼塚君を見るのは居た堪れなくなった。

彼の思いが迷惑云々ではなく、彼の自尊心を傷つけている事が嫌だった。


挙句の果てに、鬼塚君がヘタレ?



「真面目で何が悪いのよ!不真面目よりずっといいわ」

「おっ…おう」

「大体ね、男尊女卑をする男や、平気で不誠実な事をする男性あんて論外よ。鬼塚君は昔から優しくて立派だったわ」


「千歳さん…」

「今回のフェスだって学園祭の時に彼のアイデアがあったから成功したのよ」


そう、あの日。


学園祭で鬼塚君が動いてくれた。

だから私達は優勝できたし、今回の売り込みも成功した。


宮内に酷い仕打ちを受けた時も、鬼塚君は助けてくれた。


私のプライドを守ってくれたわ。


「鬼塚君はヘタレでも情けなくもないわ…だって私は…」


ドクン!


私の胸が熱くなる。

本当は今も忘れてんていない。


美しい思い出のまましまい込んでいたら。


関係を変えることはなかったかもしれない。


「私は高校の頃からずっと鬼塚君が好きだった」

「え?」

「大人になって割り切れるようになっても、時折過ることはあった。なのに、貴方は私の前に再び現れてしまうし」

そう、忘れていなかった。
自分に言い聞かせていたけど、鬼塚君を忘れる事は出来なかった。



もう大人だし、初恋を引きずるなんて良くない。


結婚にも失敗した私だから。


そう思っていたのに。


「千歳さん、俺とお友達からでいいので付き合ってください!」


「おい、土下座するのかよ。馬鹿だろお前」

「北条君は黙ってて!」


流石にやり過ぎなような気がするけど、昔からすごく真面目だもの。


「鬼塚君、頭を上げて…そんなことをされたら困るわ」

「ごめん」

「でも嬉しいわ。とっても」


昔から真面目で、鬼塚君はこんな私を未だに思ってくれている。

その思いがどうしようもなく嬉しかった。


でも…


「お母さん、玉の輿だよ!何迷っているの!」

「愛…」

「だってこんなイケメンさんに熱烈な告白までされて、お母さんも嫌じゃないならいいよ!」


私よりも愛の方が乗り気だった。



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