14 / 21
第一章婚約破棄と国外追放
13.斬りこみ
しおりを挟む何かを勘違いしていると即座に察した。
「エリーゼ様」
「この度は我が国がご無礼をしたことを心からお詫び申し上げます」
「ひぃ!」
床に座り土下座をしそうな勢いのエリーゼに悲鳴をあげる。
「おやめくださいエリーゼ様…そのような」
「ユーフェミアを望んでいたにも関わらず、私が代理となりさぞ公爵様もお怒りかと」
本来ならばユーフェミアを愛妾に望んでいるのにその代理が自分ではさぞ落胆させてしまっただろう。
そもそも愛妾とは側妻を意味しており。
正妻は家柄と血筋に家を守る妻を意味し、恋愛関係を持つのは側妻の役目だった。
貴族社会では結婚と恋愛は別と考えている。
正妻が早くなくなった場合は寵愛する愛妾を妻に向かえるパターンも少なくない。
「私では公爵様の側に侍る役目も果たせません」
「はい?」
「ジークベルト様には幼少期から気にかけていただきましたのに、恩をあだで返すことに」
完全に誤解をしていると思ったジークベルトは手を伸ばしエリーゼの肩を掴む。
「リゼ様、どうか」
「ジーク様」
二人の距離が短くなったその時だった。
「ジークベルト」
低い声が響き渡る。
「貴様は何をしている」
「え?」
首に突きつけられたのは剣の先端だった。
「団長ぉー…」
「リゼ様に何をしている。事と次第によって許さん」
少しの間、離れていたカイルが戻って来た。
カイルも完全に誤解をし、殺意を飛ばしている状況だった。
「団長!お待ちを」
「副団長も、この非常時になにやってるんですか!」
部下達は真っ青になりながらもカイルを抑え込む。
「お前達!」
「団長も落ち着いてください。我らはこの後あの我儘姫を迎えなくちゃならないんですよ」
「そうですよ、顔しか良い所のないお姫様を迎えなくちゃならないって言うのに…どこで攫って来たんですか」
「確かに、見目麗しく可憐なお姫様ですけどね」
部下達は本人がいない所で言いたい放題だった。
エリーゼは首をかしげ、まったく意味が解らなずにいた。
「皆さんは、その方が苦手なのですか」
「「「苦手以前に生理的に無理です!」」」
サラウンドで言われてしまい、耳を疑ってしまう。
レスティア王国一番の絶世の美女と謳われ、社交界の華とされているはずだ。
ユーフェミアを欲しがる貴族が多いのに何故?とさえ思った。
「そもそもあんな強欲の塊など、論外です」
「まぁ、陛下のお妃になられなかっただけましですが」
「馬鹿を言うな、皇妃になんてなれるわけがないだろう」
「ああ、後宮に入っても問題を起こすだけだ」
「「「うんうん!!」」」
部下達は心を一つにしてうんうんと頷いていた。
(知らなかった…)
国内でも誰からも愛されるユーフェミアをここまでボロカスに言うなんて信じられなかった。
(帝国では容姿よりも実力重視なのかしら?)
レスティア王国とは主観が異なっているのは知っていたが、ここまで嫌われるなんて何をしたのだろうか。
ふと、ここまで嫌われるなんてある意味凄いと思った。
95
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】✴︎私と結婚しない王太子(あなた)に存在価値はありませんのよ?
綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
「エステファニア・サラ・メレンデス――お前との婚約を破棄する」
婚約者であるクラウディオ王太子に、王妃の生誕祝いの夜会で言い渡された私。愛しているわけでもない男に婚約破棄され、断罪されるが……残念ですけど、私と結婚しない王太子殿下に価値はありませんのよ? 何を勘違いしたのか、淫らな恰好の女を伴った元婚約者の暴挙は彼自身へ跳ね返った。
ざまぁ要素あり。溺愛される主人公が無事婚約破棄を乗り越えて幸せを掴むお話。
表紙イラスト:リルドア様(https://coconala.com/users/791723)
【完結】本編63話+外伝11話、2021/01/19
【複数掲載】アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアップ+
2021/12 異世界恋愛小説コンテスト 一次審査通過
2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
『胸の大きさで婚約破棄する王太子を捨てたら、国の方が先に詰みました』
鷹 綾
恋愛
「女性の胸には愛と希望が詰まっている。大きい方がいいに決まっている」
――そう公言し、婚約者であるマルティナを堂々と切り捨てた王太子オスカー。
理由はただ一つ。「理想の女性像に合わない」から。
あまりにも愚かで、あまりにも軽薄。
マルティナは怒りも泣きもせず、静かに身を引くことを選ぶ。
「国内の人間を、これ以上巻き込むべきではありません」
それは諫言であり、同時に――予告だった。
彼女が去った王都では、次第に“判断できる人間”が消えていく。
調整役を失い、声の大きな者に振り回され、国政は静かに、しかし確実に崩壊へ向かっていった。
一方、王都を離れたマルティナは、名も肩書きも出さず、
「誰かに依存しない仕組み」を築き始める。
戻らない。
復縁しない。
選ばれなかった人生を、自分で選び直すために。
これは、
愚かな王太子が壊した国と、
“何も壊さずに離れた令嬢”の物語。
静かで冷静な、痛快ざまぁ×知性派ヒロイン譚。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる