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リシャールはミレーヌに対して妹のような感情を持っていたに過ぎなかった。
甘え上手で可愛いとは思ったが、あくまでシェリラの妹という位置づけでしかなかったのだ。
「そんな…僕はそんなつもりは。彼女は僕の婚約者の妹君だ」
「シャル様」
リシャールの言葉にミレーヌは傷ついた表情をするも気づきもしない。
他人の機微にとことん疎いリシャールは悪気が一切なかった。
「僕の婚約者はシェリラです。婚約者にミレーヌ嬢がなるなんてありえない事です」
「そんな…シャル様は私の事を可愛いと。一緒にいて楽しいと言ってくださったのに」
「確かにそう言ったけど」
互いに意見の食い違が生じていた。
リシャールはミレーヌに可愛いと言ったのは小さな子供のようなものだった。
楽しいと言ったのは他意はない。
「お姉様とは緊張して息がつまる。お話だって私との方が楽しいとおっしゃいましたわ。リシャール様は!」
「ミレーヌ嬢!」
リシャールは勢い余って怒鳴りつける。
あんなのは愚痴に過ぎないし本心から言っているのではない。
少しの不満はあったのは事実だが。
「ほぉ?それは誠ですか」
「お祖父様…」
シェリラは止めようとするも、オズワルドは首を振った。
「王族との婚約は義務ですから色恋は不要ですが…殿下はミレーヌを望まれていたのですか」
「前ノースライナ侯爵!」
シェリラが止めようとするもオズワルドは聞かなかった。
これまで言いたいことも言えず、耐えて来たシェリラを思うと言わずにいれなかった。
「シェリラは五歳の頃からお妃教育を受け、常に厳しい教育に苦しみました。外に自由に出ることもできずにずっと…そんな孫をそのように思われていたのですか」
「待ってくれ…」
「貴族、王族の結婚は義務です。他人が家族になるのです。最初から上手く行かないからこそ、幼い内から二人を引き合わたいと陛下に願われたが…間違いだったようだ」
「何を…」
オズワルドは当初から王家に嫁がせるのは反対していた。
ノースライナ侯爵家は外交を主にしており、王家との繋がりを必要としなかった。
むしろ隣国の王家と婚約する方がメリットが多かったのだが、シェリラがリシャールを好いていると思っていたので見守ろうと思ったが、シェリラは明らかに無理をしているようにも見えた。
ミレアルやライオネルは子供の事は任せて欲しいと強く言われたのであまり強く言わなかったが、今回の事ではっきりさせたかったのだ。
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