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第二章
19.誓い
差し出されたのは薔薇一輪。
そして薔薇と一緒に告げられたのは愛の言葉だった。
「必ず優勝する。優勝を君に捧げると誓うよ」
「ローレンツ様」
「ローレンツって呼んでくれアリア」
優しく名前を呼ばれるたびに胸がドキドキして心が温かくなるような思いだった。
恋とは恐ろしいもの。
理性もあったものではないと言うけどまさしくそうだった。
私は今までエイミールを好きになろうと必死だったけど、無理矢理愛そうと思っても愛は生まれない。
だって形がないんだから。
「ありがとうございますローレンツ。私も貴方と一緒に生きれるように戦いますわ。公爵令嬢として足りないものが余りにも多すぎますが…でも」
足りなくても今の私にできる限りの事をしなくてはならない。
ハント侯爵家に頼る必要ないとお父様もお兄様も言ってくれたじゃない?
何よりお母様と結婚する為にあの手この手を使って努力を惜しまなかったお父様。
私も手段を択ばずに足搔けばいいのだ。
「嬉しいよアリア」
「私もですわ」
私は自分の運命を諦めたりしない。
もう二度と言いなりになったりはしないのだから。
「貴方に出会えて私は幸せです」
「それは僕の台詞だ。正直あの男の行動は同じ男として許せないが…君とこうしていられたことは感謝するよ」
「まぁ…」
こんな風に笑える日が来るとは思えなかった。
愛されることはないと思っていた私は独りよがりだったと思った。
「兄君の病気は大丈夫だ。僕の知り合いに腕の良い薬師と優れた医師がいる。彼は紅薔薇師団であり医局長を務めている」
「紅薔薇師団!」
「彼はカテーテル…管を使って手術を行って、肉体を傷つけない手術をしている。これならば兄君の体に負担は少ない。完全に病気を取り除くのは今の医学では難しいが、五年先、十年先ならば治すことはできる」
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「ローレンツ」
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こんな事までしてくれるなんて。
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「僕はかつて、何かを望んではいけないと思った。でも、欲しいなら手を伸ばせと言われた。だからどんな手を使ってでも君と共に生きれる道を探す。その為には必要な手札がいる」
ここまで私を思ってくれる人はきっといないわ。
公爵令嬢でありながら冷遇され、抵抗もできなかった私にここまでしてくれる人はきっといない。
だから私は――
彼に相応しい女性になる為に死ぬ気で頑張ろう。
二人で未来を生きていけるように。
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