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第二部.薔薇の花嫁
33.女達の決意
その夜、王太子のアーダルベルトを交えて、婚約式の日取りの相談が行われた。
婚約式はクラエス領地で行われシプロキサン式で極々身近な友人だけを招くことになったのだが、公爵家であり、王族である為王家は勿論参加し、宰相や財務大臣の参加は絶対だった。
他にも同盟国の代表も参加する手はずとなっていた。
「婚約式には王太后様も参加されるはずですわ」
「ええ、ですから」
にっこりと微笑むナタリアとツェリーチェはとても美しい笑みを浮かべていた。
「婚約式は最高のドレスを用意しなくては」
「ええ、豪華なのはもちろん」
「時期公爵夫人として、立派なドレスにしなくては!」
二人の笑みにフローレンスは嫌な予感がした。
「クロエ嬢、よくて?」
「お任せください。我が商会で一番のドレスを用意させましょう。ええ…ルチア様に負けないようにしなくては」
片手にメジャーを持ちながら、一歩、また一歩と距離を縮めて来る。
「これからが勝負ですわ!婚約式は2週間後、それまでダイエットにエステですわ!」
「いえ…そんな」
ダラダラと冷や汗が滝のように流れて来る。
何故なら前世の頃から、常に動きやすく機能重視の服装をしていたので、女の戦装束は苦手だった。
「なりませんわ!これからフローレンス様には私のスペシャルビューティーコースを受けていただきます!もちろん、メイクもしていただきますわ」
「えええ!」
「ええ!じゃありませんわ。フローレンス様、婚約式まで私はスパルタで参りますわ。誰もが見惚れる程の美い女性になっていただきます。あの紐野郎に復讐するのです!」
ついには紐呼ばわりをするようになるクロエに、フローレンスは遠い目をする。
(クロエ、どんどん、口調が悪くなっているわね)
前世の記憶を取り戻してからは些細なことは気にならなくなったが、貴族社会で完璧な令嬢として謳われるのに良いのだろうかと思ってしまう。
(宰相閣下が知ったら泣くんじゃ…)
クラエス領地に来てからクロエはドンドン自由になって行く。
口調も乱暴になりつつあるので、父親が知ったら間違いなく失神するのではないだろうか?と思ってしまった。
「さぁ、今日から気合をいれますわよ!エイエイオー!!」
「「エイエイオー!!」」
女性陣は気合を入れて声を上げるも、フローレンスは不安しかなかった。
元婚約者と元妹の始末は自分お手でしたい所だが、そうも行かないようだった。
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