ランプの令嬢は妹の婚約者に溺愛され過ぎている

ユウ

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第三部.栄光と失墜

2.マナー違反




パーティー会場に入って来て、早々に声をかけられて迷惑そうな表情をする夫人や、遠巻きでヒソヒソ囁く声。

使用人が冷ややかな表情をしたりと、彼等に向ける視線はかなり冷たかった。

「何ですの…声をかけているのに!」

苛立ちを感じながら再度声をかけようとするアミールだったが、声をかけても無視をされたり。
他の話で盛り上がって聞こえない振りをしていた。


そこに、彼等とは遅れて会場入りを果たした貴族がいた。


「ごきげんよう」

「まぁ、リシュベール侯爵夫人」

「お声をかけていただき光栄ですわ」


エレンフレッドにエスコートされ美しく聞かざるビアンカに夫人達は挨拶を交わした。

「まぁ、なんて煌びやかな髪飾りですの?」

「ありがとうございます。先日、夫が記念日にと」

「まぁ、相変わらず仲睦まじいですわね。今では社交界で最も仲睦まじいご夫婦ですわ」

「本当に」

ビアンカと楽しく会話をするも、アミールは完全に無視をされている状態だった。


「お待ちなさい!私を無視しないでください」



「なっ!」

マナー違反をしたことにも気づかず、怒鳴り散らすジェネットを信じられないと見つめる夫人達、他にも冷たい視線を向ける貴族は多かった。


「ごきげんよう、ビアンカ様」

アミールが挨拶をするも、完全に無視をしながら背を向ける。


「ごきげんよう、ノーチェス伯爵夫人」

「ごきげんよう」

友人が近くをお降りかかっていたので挨拶を交わすが、この態度にジェネットは怒りを覚える。

「私を無視するなんてどういうつもりですの!」

去ろうとするビアンカの手を掴もうとするも。


バシッ!

「なっ…何を!」

側にいた貴族夫人が扇を投げつける。

「ジェネット!」

「何をされます!」


直ぐにアミールが駆け寄り、シュナイダーが睨みつけるも。

「失礼しましたわ。蠅がいたと」

「ええ、さっきから煩い蠅が、ビアンカ様の手に止まろうとしていましたの。ごめんあそばせ」

まるで悪びれることもなく謝罪するが、意味のない謝罪だった。

「娘を愚弄する気か!」

「愚弄しているのはどちらですの?社交界のルールを破ったのは何方ですの?」


カーネルが睨み、怒鳴ろうとするも。
ビアンカがルール違反をしたことを告げた。


「わが国だけでなく、どの国も共通して、格下の人間が格上の人間に声をかけるなんて許されませんわ」

「リシュベール侯爵家は高位貴族。対して伯爵程度の貴方達が簡単に声をかけることは許されません」

「それに、この度、ビアンカ様は王妃様の側付きを命じられました。その意味を御存じですの?」

通常、王宮に仕える侍女は次女、三女が多い。
ただし、王妃の側仕えとなれば別だった。

特に王妃専属の侍女は伯爵夫人、侯爵夫人も存在する。
先代女王陛下の側仕えが、元女侯爵だった前例もあるのだから。


しかし、常識を知らない者は告げる。


「まぁ、なんて惨めなのかしら」

高位貴族でありながら誰かに仕えなくてはならない者を愚かだと思っている常識知らずがここにいた。

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