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第四部.幸せになる条件
11.似た者同士
王妃主催の舞踏会は、小さな仕返しだった。
学園内でフローレンスに嫌がらせをしていたのは貴族令嬢や令息だけではなかった。
アスガルト侯爵家を良く思わない貴族達が裏で動いていた。
元より彼等は、女性が地位を得ることを反対し、女性が学問を学んだり、外で働くことを快く思っていなかった。
かつてルチアは、女性の地位向上の立役者となった。
その裏側で、これまで女性が虐げられて来た状況を一気にひっくり返され、男性側の立場が弱くなったのだ。
ルチアが継承ではなく爵位を得たことにより、女性達は希望を得た。
家で夫の命れに従うだけが、道ではない。
特に家庭内で孤立する妻は居場所が無かった時代でもある。
もしルチアの孫であるフローレンスがさらに女性の地位向上を広げたら厄介だった。
何より、アスガルト家は骨の髄まで王家への忠誠を誓っている。
貴族派はこれ以上王家や王族派が力を得ることを避けたかったが、度々邪魔をするトリアノン侯爵とアスガルト侯爵を抑え込みたかった。
そこで考えたのがフローレンスの排除だった。
社交界から抹殺し、尚且つ学園でも孤立させ、婚約者からも相手にされない噂を大袈裟にでっち上げた。
噂の半分は真実だったので信憑性は高かったが、さらにつけ加えたのは、学問をする令嬢は夫から嫌われる等という噂だった。
他にも貴族令嬢でありながら看護師の真似事をするフローレンスの行動を悪業だと触れ回ったのだ。
辺境地ではランプの令嬢は希望の光とされるも、王都ではランプの令嬢は風前の灯とも言われていた。
この二つの噂に矛盾があるのだが、宮廷貴族は後者の噂を信じたのだ。
そうなるように仕向けたのが貴族派だっいたが、その人物が王族となり、しかも公爵夫人となればどうなるかなんて解り切っていた。
「うふふ…いい気味です事」
「叔母上もお人が悪いですね」
「こんなのは露払いでしてよ?これから存分に踊っていただきますから」
腹黒い笑みを浮かべる王妃はローゼンメリーと通じる所がある。
血は繋がっていないが、この腹黒さとそこ意地の悪さはそっくりではないかと、冷や汗を流すアリシエだった。
「綺麗なだけでは王妃は務まらなくてよ?貴方もいい加減学びなさい」
「怖いです叔母上」
「女は男にとって猛毒のようなもの…綺麗なだけでは踏み潰されてしまいますわ」
天使の様に微笑みながらも本性は悪魔そのもので、フローレンスが真似をしないか心配になるも…
ガリガリ!!
「フローレンス、何をメモっているんだ」
「え?参考に…」
「しなくていいから!」
隣で必死でメモるフローレンスを止めようとするも、背後からペンを走らせる音がする。
ガリガリ!
ガリガリ!!
「参考にせなね!」
「わったーも見習なます」
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何時の間に潜入したのか解らないが、アリシエは必死に止めに入っていた。
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