ランプの令嬢は妹の婚約者に溺愛され過ぎている

ユウ

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第四部.幸せになる条件

17.茶番劇が終る時




客間にて、話し合いの場を設けることになった。


「物々しいな」

「歓迎されてるとお思いですか、勝手に押しかけて来て」


「お姉様、口の利き方に気を付けたらどうなの?」

上から目線のジェネットに、クラエス家の使用人は殺意を抱く。


「先程から妄言を繰り返しているようですが、どういうつもりですの?」

「妄言…お姉様は私の身代わりに過ぎないわ。ハリボテに過ぎないのに、勘違いして可哀想に…でも、私が今日からこの邸の女主人になるから」

「そうよ。身の程を弁えなさい!」


「お前は代用品に過ぎないんだ。出来損ないで不細工で器量も悪いお前は私達の言うとおりに生きていればいいのだ!これは命令だ」


三人は言いたい放題を言う。
フローレンスは怒りを通り越してあきれ果てているが、黙っているのを見て満足そうにする。


「お姉様、私の為に譲ってくださるでしょ?今まで良い思いをさせて上げたんだから…婚約者も元に戻すわ」

「フローレンス、俺とやり直そう…実家も君が悪かったと頭を下げれば丸く収まる」

「シュナイダーもこう言ってくれているんだ。感謝しろ…」

「そうよ、ジェネットこそが公爵家に相応しいのよ。お前は今まで通り私達の為に働けばいいのよ」


沈黙を貫くフローレンスを見て一同は満足そうにする。

これまで通り従順に従うはずだと信じて疑わなかった。


‥‥が。


「お断りしますわ」

「「「は?」」」


フローレンスは冷たい表情で見下す。

「既に私達は婚約式を交わし、明日に結婚式を行うことになっています。誓約書にもサインしていますし、この婚儀は女王陛下…王太后殿下の許可の元行われています」

「そんなもの撤回…」


「できませんし、仮に叶ったとしても平民に成り下がり、これまで騒動を起こした貴方達が受け入れられるとでも?笑えない冗談ですわ…私の為に生きろ?身の程を弁えなのはどっちなのかしら?」

「なっ…何を!」

フローレンスは物怖じせず淡々と言ってのける。

「それから、死んでも浮気男の紐男と夫婦になるなんて御免だわ。こんな馬鹿で愚酢でひ弱で、勘違い野郎なんてこちから願い下げよ…死んだってないわね」

「なっ!」

「男として以前に人としてアウトだし、何様なの?こんな男の為に尽くした時間が無駄だったわ」


早口で話しながらシュナイダーとの復縁は絶対にないと言い放つ。
それどころか過去の自分を嘆いていた。


「私だって好きで貴方と婚約したんじゃありません。リシュベール家の皆さんは良くしてくださったから…苦痛に耐え忍んできたんです。馬鹿は馬鹿で自覚胃の無い馬鹿は疲れるわ…死んで出直したらいかがかしら?ああ、死ぬ度胸もありませんわね?」


「おっ…お姉様!」

「貴様、誰に向かって言っているんだ!ふざけるのも大概にしろ」

「親に向かってなんて口を利くの?」

「ハッ!」

三人は焦りながらもフローレンスを責めようとするが、鼻で笑われる。


「親らしいことを一度だってされた記憶はないわ。育児放棄をして、お祖母様に私を任せきりだったもの…私の育ての母はお祖母様と伯母様よ。勘違いしないでくださる」

「なっ…なな」

「妻としても母としても何もできず、威張っているしかできないだけ…だって何も学ばなかったんですもの。仕方ありませんわ…」

クスクスと笑みを浮かべながらアミールを見下すフローレンスは悪魔のようだった。


――目の前にいるのだ誰?


アミールはこれまで虐げて来た娘はもっと弱弱しかったはずだと思い冷や汗を流した。


しかし、フローレンスの報復は終わらなかった。


むしろここからが始まりだった。





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