令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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社交界

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舞踏会当日。
多くの人が参加するのを見ていた。

「凄い人ね」

「レオンハルト様は国では英雄ですから」

大戦争を生き抜き勝利したので注目が高まってきている。

「なんだか恐れ多い気がするわ」

「何をおっしゃいますか。どっしりと構えてくださいませ」

「はい」


煌びやかな世界の裏で腹の探り合いをする場所。
常に他人を蹴落としてのし上がろうとする貴族達が多い。

「さぁ、参りましょう」

「ええ」


ユリアに手を引かれ、戦場に赴く。


これが初めての社交界デビューとなる。

(もしお母様が生きていたら…)

ふと他の令嬢を見て思った。
もし、母が生きていれば自分のデビュタントをしていたのかと。

父が再婚せず居たら。

宮廷に行儀見習いとして侍女となり、年季が明けたら見合う男性と結婚したら。

もしなんて考えてもキリがない。

(考えても仕方ないわ)


アレーシャは考えを振り切ってホールに向かう。


人通りの多い中歩いて行くと視線が集まる。


(視線が痛い)

ジロジロと見られているのに気づく。


蔑むような視線ではなかった。
特に男性から送られるこの視線は知っていた。


(笑顔…笑顔)

どんな時も笑顔でいなくてはならない。
母の教えを守るべく笑顔を心掛け挨拶しようとした時だ。


誰かとすれ違い笑顔で挨拶をする。

不躾な視線や好奇な視線もあったが憧憬の眼差しの方が圧倒的に多かった。

「何故かしら?ものすごく見られているけど?」

「ええ」

「皆さんのお目当ての令嬢がいらっしゃるのね」

貴族の令息がアレーシャの方を見ているが本人は自分ではなく他の誰かと思い込んでいた。

(鈍すぎますお嬢様!)

これまで男性に好意的に接してもらったのは年配ばかりなので解っていなかった。


「アレーシャ様を見ておられるとは思われないのですか?」

「まさか」

まずはありえないだろうと言い切るアレーシャにユリアは別の意味で不安を感じた。


「レオンハルト様はどちらにいらっしゃるのでしょう」

「この人混みですもの。落ち合う時間はまだ早いから」

キョロキョロとあたりを見渡す中誰かとすれ違う。

「お姉様…」

「カテリーナ」

ホールの中心で二人は遭遇した。
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