【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!

ユウ

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12.罠




私が婚約解消になった事は既に噂が流れていたのに、何故メディス伯爵との婚約の事を知っているの?


「随分と節操がない事…殿下との婚約が破談になってすぐに乗り換えるなんて。今夜の舞踏会も堂々と参加なさるなんて、その神経が信じられませんわ」

「何所でそのような話を聞いたか知りませんが…」

「ティア様」

「あら?誤解ではなく本当だったのですね」

タイミングが悪い事に、メディス伯爵が現れてしまった。
しかも何故愛称で呼んでいるの?

私は許可した覚えはないわ。

「遅くなって申し訳ありません」

「まぁ、本日の舞踏会でご一緒に参加されるなんて…お二人はやはり」

「何度も申し上げますが…」

「ええ、そうです」

私がはっきりと断ろうとするも遮って来た所為で最悪な事態になった。


「フフッ、お似合いですわ。メディス伯爵様、おめでとうございます」

「ありがとうございます」


こうなった以上は下手に反対をすれば余計に彼女がつけあがる。

だけど、メディス伯爵が肯定するから周りは私を見て蔑んだ表情を見ている。


――最悪なタイミングだわ。
この舞踏会を最後に王宮を出て国の外に出ようと思っていたのに、ニヤニヤと笑う貴族派の令嬢達の目を見て私は術中にはまったのだと気づかされる。


お父様は遅れて参加する。
その前に彼女達は私を彼の婚約者であることを決定づけた後に辱める気だ。


「もう来ていたんだな」

「殿下、ごきげんうるわしゅうございます。この度はおめでとうございます」

「ああ、ありがとう。今夜はもう一つ報告があるんだ」


待って、この状況で何を言うんの?
笑顔の殿下に嫌な予感がする。

「やっぱり、快く受け入れてくれたんだな」

「何を…」

「君と彼との婚約だよ」



メディス伯爵を見ながら嬉しそうにする殿下は私の顔を見ないで満足げに話し続ける。

「やはりそうでしたの?殿下はアリスティア様に新たな婚約者を」

「ああ、婚約者がないくて困るだろ?だからこの場を借りて皆に報告するよ」


いや…。


止めて!


ここで言われたら私は――。


誰か助けて!



「この場で宣言する。アリスティア・アルゼンテ侯爵令嬢はこの度を持って新たな婚約者を発表する」



震えが止まらず私はギュッと目を瞑り、耐え忍んだその時だった。


広間の扉が開かれ、あの香りがした。


私の大好きな紫の薔薇の香り。




「えっ?」

「あの方は!」


令嬢達の視線が別の方向に代わった。
先まで私達に集中していた視線は別の方に代わり、現れたのは。


「彼女の新たな婚約者は俺だ」


太陽よりも眩しく強さを秘めた一人の男性だった。


アストレイア王国の第一王子。


ジークベルト・アストレイア様が現れたのだった。



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