義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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56失った物の大きさ~エセルバートside②

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使用人が十数名辞めてしまった事で邸は広く感じた。
母上とメリッサはうるさい老人がいなくなって清々したと言うが父上の表情は芳しくなかった。


だが僕達はそんなことを気にする事もなかったが問題が起きたのだった。






「あー!」

「アリッサ?」


幼いアリッサが何かを探す様にはいはいで移動していた。
もうこんなに動けるようになったのか。

気づかなかったと思う最中。


「まー!」

「メリッサを呼んでいるのか?」

「やぅ!」

手を伸ばそうとするも頭を横に振って嫌がる。


「まんまぁ!まんまぁぁぁ!」

「待て、泣くな…」

「びやぁぁぁぁ!」


普段大人しいアリッサが泣き始める。
抱き上げるも大暴れをして泣き叫び、その喧しさに耳を塞ぎたくなった。


「ちょっとエセルバート!何をしているの」

「うるさいわよお兄様!アリッサに何をしたのよ」


ドレスアップしている二人が僕を責める。
着飾っている暇があるなら子供面倒を見ればよいのに。


「誰かアリッサを泣き止ませなさい」

「申し訳ありません…私は子守をした経験が無く無理です」

「私も…傍によると泣かれるので」


残った侍女やメイドは年若く育児の経験はない。


「とりあえずあやしてくれ。できないならできるようになればいいだろ?女なんだから」

「は?」

「やる前からできないなんてどうなんだ?できるようになればいいだろ」


女性は母性本能があるんだから大丈夫だろ?
アリアだってすぐにできるようになったんだ、最初は中々あやすの下手で容量が悪かったようだが、アリアができることが我が家の使用人ができないはずはない。

子守なんて火事に比べれば簡単だ。
少し抱っこすれば簡単だろうに。


一番簡単な仕事は育児だろ?
アリアは良く僕に一人で育児をさせられる事を不満に思っていたのも解らない。


「ぎゃああああ!」

「アリア様…」

「やぁぁぁ!」


抱っこをしようにも大暴れして泣き出し、それだけではしまなかった。


「泣き止んでください」

「やぁぁぁ!まんまぁぁぁ!」


ただ泣くだけで、何を言っているか解らない。



「まんまぁぁぁ!」

「メリッサ!なんとかしろ!母親だろ」


「嫌よ、折角ドレスアップしたのに汚れるわ…臭いんだけど」

「ちょっと床が…絨毯!」


嫌な臭いがしてしばらく絨毯に染みがついていた。


侍女達に掃除をさせようとしたが、一度汚した絨毯を使う気にはなれず処分をする事にした。


だが悲劇はそれで終わらなかった。
アリアがいなくなった事で連動して問題が起こり始めたのだ。


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