義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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86元義母と義妹の罪





重苦しい空気の中、唯一の救いかもしれない。

「これ以上は…」

「いいえ、まだあるのですね」


「ああ」


既に聞くに堪えなかったが最後まで聞かなくては。
これまでの話だけではダンテ殿下が亡くなり奥方様の事まで行きついていない。


けれど真実は惨く、私の想像の絶するものだった。


「二年ほど前だ、息子の住まう田舎にあの親子が現れたのは…」


大公様の話曰く、二人は腕の良い彫金師がいる噂を聞きつけた。
小さなお店で銀細工のアクセサリーの工房を持ち、中々の評判だった。

中でも、宝石を使ったペンダントは若い貴族令嬢の間では大人気だった。


ただし全てオーダーメイドだったのだが。
店にいきなり押しは言った二人は無理難題な注文をした後に。


とあるペンダントを注文した。
しかし、ペンダントにつける宝石はその時期では手にい張らないと断ったが、逆らう事は許さないと脅しをかけた。

手に入らないなら自分で手に入れろとまで言って来た。


その所為でダンテ殿下は宝石を取りに行く、崖から足を滑らせ転落死した。


その日、天候は最悪だった。
当初はダンテ殿下も山に行くのは危険だったので後日改めようとしたが、二人は催促したのだ。

時間が欲しいと言っても聞かず、店に嫌がらせをしたり。
客の要望に応えない最悪な店と噂をながされてしまい、奥方も精神的に参っていたらしい。



「その後村人はこう言っていたそうだ…仕事も満足できない夫なんて死んで良かったじゃない?夫なんてまた探せばよいだろうと」


「酷い…酷すぎる」


夫を失い悲しんでいるのにそんな真似を。


「注文の品を作れなかった事で店の複数のアクセサリーを盗人のように奪い店の悪い噂を言いふらした後に嫁は川に身を投げたそうだ…私が領地に来た時は」


「そんな…」

「だが、幸いにも私と懇意な修道院の院長が嫁を救い出してくれた」


けれど夫を失いお店も亡くしているのに…


「しばらく修道院で静養した後にお腹に子供がいる事を知ったようで元気を取り戻したそうだ」

「子供…」

「私は急いで嫁の元に向かった。安堵した…しかしあの悪魔は」


拳を握る大公様の表情は鬼のようだった。

私も聞かなくても解る。
この時点でメリッサ様達の名前が出てくるという事は最悪のパターンが予想された。


「あの女、メリッサ・カスティージョは我が孫を奪ったのだ!」


大公様の怒りと私の中にある失望感と怒りが交じり合った。

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