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112消えた元妻の行方~エセルバートside②
探偵をクビにしてしまった以上自分で探すしかない。
シャドール侯爵家に何度も手紙を出したのに返答は同じで知らないの一点張りだった。
プリメラ商会にも頼み込んだが、彼等は無礼にも。
「いい加減になさったらどうですか」
「は?」
「勝手な理由で奥様を虐げ、挙句の果てに親の言いなりで離縁して今度は自分の都合で復縁。何様ですか」
「奥様は貴方の都合の良い人形ではありませんのよ」
「無礼な!」
元平民でありながら僕に無礼な口を利くその女に手を上げようとするも。
「私の妻に暴力を振るうとは…やはり噂は真実だったか」
「最低な方…男として人として貴族としてもなんて最低最悪なのかしら?聖女のようにお優しいアリア様の時間をこんな男の為に無駄にするなんて」
「気の毒で仕方ない。いかに無理矢理な縁談だったとしても」
「何を…」
「まさか、自分は選ばれたとでも?」
アリアは僕を望んでいた。
表向き政略結婚だったが、婚約を望んだのはアリアのはずだ。
「ここまでおめでたいとは」
「アリア様はお家の為、派閥の為に泣く泣く婚約を了承されたというのは真実です。フリーシア家を守る為のね」
「シャドール侯爵夫人は養女に迎えてしかるべきお相手と婚約していただくつもりでしたのよ」
「それを貴方の母君がほとんど脅しに近い方法で婚約させたという噂は信憑性が強いですわ」
嘘だ…
そんな馬鹿な話があるものか!
いくら後見人を名乗っていても赤の他人のアリアにそこまでするのか?
「アリア様を実の娘以上に愛しておられたシャドール侯爵夫人からすれば貴方は殺したいほど憎い敵」
「なのに貴方は図々しくもストーカーのよう手紙を送りつけて大丈夫なのですかね?」
「何がだ‥」
手紙を送ったが、不愉快になるようなことではないだろ?
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「貴方、侯爵とはどういう地位か解ってまして?」
「馬鹿にするな!」
それぐらい僕だって知っているさ。
「シャドール侯爵閣下は王族の血を引く方…その奥方が訴えればすぐにでも貴方等消せますわ。そうしないのは奥様の慈悲」
そんな…
その程度の事で?
「これ以上しつこいなら、私も証言しますわ。そうそう、この部屋にはセキュリティーシステムがありますの」
「え?」
「質の悪いクレーマー対応の為に映像を残せるように」
見せられたのは水晶玉だった。
そこに映ったのは僕が夫人を殴ろうとした映像だった。
まさか脅迫するつもりなのか!
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