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116初めての気持ち
しおりを挟む初めての隣国に私はドキドキの連続だった。
国を出る事は初めてだったけど、異国情緒あふれる世界で戸惑う事が多かった。
でも一番と戸惑ったのは言うまでもない。
「今日はここでアイスを食べようか」
「えっと…」
「好きだろう?甘いの…それよりも別の甘いのが良かったか?」
至近距離で囁かれ私は昨夜の事を思い出す。
「どうしたんだ?」
「何でもないですエレンディス様」
「もう呼んでくれないのか昨夜は私の名前を呼んでくれたのに」
そっと耳打ちされ息がかかる。
「わぁぁぁ!」
私は耳を塞いで顔をぶんぶんと振った。
「団長さん!」
「はいペナルティ」
「ひゃっ…」
「言っただろ?私を団長さんと読んだらお仕置きだって。今夜も罰を与えるよ」
甘い声で囁きながらも目はギラギラしている。
強く握られた手を振りほどく事は出来なかった。
「完全に場を忘れていますわね」
「真昼間から…」
呆れた表情をするエレナとジョナは私を助けてくれなかった。
遠回しに口パクされる。
『頑張ってください』
何をどう頑張るの?
今夜もするの?
私の体力以前に精神が持たないんだけど。
「奥様、大丈夫ですか」
昼過ぎに宿泊している宿に戻った後にエレナがお茶を用意してくれた。
エレンディス様は席を外してくれていた。
「本日の入浴はラベンダーにいたしましょう」
「うん…」
「汗をかいておられるのでしっかり磨かせていただきます。髪も艶々にして旦那様を誘惑してください」
「ゆっ…誘惑?」
逆じゃないの?
私が現在進行形で誘惑されているんだけど!
「いいですか、奥様」
「はい」
「旦那様は奥様にぞっこんなのです。ですが受け身では…」
「エレナ!無礼ですよ」
「ですが、新婚旅行中が肝心ですわ」
真っ赤になる私は、今でも十分大変なのだけど。
まさかエレンディス様があんな獣だったなんて。
いや、その言い方は失礼よね。
「奥様、無理をなさる必要はございませんから」
「ありがとう…」
でも、ペナルティーって言っていたし。
今夜もなのかしら?
昨夜はされるがままで私は完全なるまな板の鯉だったわ。
やはり積極的に行かないと…
「奥様が悶々としているわ」
「エレナ、無理を言わないのよ」
「でも、侍女としてすべきことをしなくては」
二人が男女の機微に…特に夜の事情に疎い私に二人は協力的だった。
それは嬉しいのだけど。
「今夜はこれをお召しください」
「こっ…これは」
官能的な下着だった。
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