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136おめでたモード
しおりを挟む私の懐妊が解ってから周りは以前よりもずっと過保護になった。
家事をしたくても許してもらえなかった。
「ああ、私がいない間に何かあったらどうしよう。やはり休暇を」
「馬鹿を言うな。お前がいても何も役に立たないなら働け…長期球を取って育児休暇を取る馬鹿が何処にいるんだ」
「バルト!」
「お前はいない方が静かだ」
流石にそれは言い過ぎだけど。
実際侍女達に邪魔に扱われているのでフォローが出来なかった。
「来週にはアリアのお祖母様がこられるのだろう」
「ええ‥」
「辺境伯爵夫人もアリアの母君もいらっしゃるんだから問題ない」
本来ならお母様だけのはずが、お祖母様も心配して来てくださることになった。
でもお義母様まで来ていただくのは申し訳ないと思ったのだけど。
手紙では選択権が無かった。
「お前はしっかり働いて来い」
「くっ…恨むぞバルト」
結局泣く泣く仕事に向かったのだけど。
「さぁアリア、立ってばかりだと辛いだろう。椅子に」
「ありがとうございます」
最近はお腹も膨れて来て歩くのも辛い状態だ。
「この邸も少し弄った方がいいな」
「え…」
「階段や廊下も少しな…まぁ、何かあった時はちゃんと侍女に頼るんだ」
「でも、私事で…」
「それが君の悪い癖だな」
深いため息をつくバルト様。
私は何か間違った事を言ってしまったのだろうか?
「アリア、君はもう自分一人の体じゃない」
「はい」
「君は他人に頼らなさすぎる。その結果、子供に何かあったらどうするんだ」
「あ…」
そうか、私一人慢心して何かあったら大変だ。
「君の環境もあるが、無理をするぐらいなら頼るんだ。子供を最優先に考えるんだ…いいな?」
「はい」
バルト様は私の身を案じると同時にお腹の子供の身も案じてくれていたのだ。
その日からバルト様は私の世話を焼いてくれたけど。
その結果。
「何でバルトが…」
「旦那様、バルト様は本当に気の利く方ですわね」
「なっ!」
このタイミングで言われてしまうと立場がないわね。
エレナは解っていて言っているので質が悪いのだけど。
「この際旦那様にはもっとしっかりしてもらわなくては」
ジョナも止める気は全くないようだった。
その後も私はとりあえずはお腹の子供は順調であったが、お祝いだと言いながら大公家から恐ろしい程の贈り物が届いて大変だったけど。
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