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159久々の再会
しおりを挟む罪を犯した者が入れられる牢屋。
そこでは許可を取れば三十分の面会時間を設けられる。
面会では通常は家族、もしくは弁護士だけ。
だけど、あの人が不在の今、特別な措置が行われていた。
最も弁護士も面会に来ることは滅多にないそうだ。
「我ららもあの二人の対応にはもう限界です」
「そうですか」
地下に通じる階段を歩いて行く。
普通は面会の部屋に連れて来るはずなのに何故?」
「あの二人が暴れた時を考えてです」
「暴れる?」
「力で抑え込むのは簡単ですが、騒がれては色々面倒ですから‥どうぞ」
「ご面倒をおかけして申しわけありません」
「いいえ…」
淡々と話される看守さん。
だけど二人を丸投げんした裁判所とは異なり中立的のようにも見える。
「万一の時の為に面会時間は短めにしてあります。見えない壁を囲んでいるので危険はないないと思いますが、万一の時は鈴を鳴らしてください」
「どうしてです」
「何がです」
「どうして私に良くしてくださるのです」
彼等にとってあの二人は迷惑以外の何物でもない。
仕事を増やし面倒事ばかり増やしているのに、私に対しては親切だった。
「この度、裁判所側が貴女を呼ぶんだのは面倒事を押し付ける為。貴女は被害者だ」
「え…」
「事情はある程度聞いております。なのに第三者が貴女を呼ぶなど間違いです」
もしかして目の前の人は私を呼ぶことを望んでいなかったのかな。
「私は貴女が巻き込まれ苦しめられる事を望んでいません。私だけではありません」
「え?」
「例の感染病、そして数年前の戦争で私は貴女の薬草に救われました」
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「はい…」
「貴女の望むままに。加害者に慈悲は必要ありません…あいつ等は優しささえも利用する犯罪者です」
まるで私の背中を押してくれているように聞こえる。
そんな最中。
「いい加減にしなさいよ!」
「そうよ早くあの女を出しなさい!どれだけ待っていると思っているの!」
久しぶりなのに。
懐かしさも感じなかった。
感じるのは不快感とこの後の話し合いの事を考えると少しばかり頭が痛く感じた。
「どうぞ」
「はい、ありがとうございます」
行かないわけにはいかない。
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