義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

文字の大きさ
190 / 196

190死刑宣告~エセルバートside①

しおりを挟む




あの後、馬車を奪い逃亡しようとした。
国境を抜ければ何とかなると思ったが、国境を出る前に審査で引っ掛かり馬車を捨て逃げる事になったが顔が割れているので何処へ行っても終われる。


「何でこんな田舎までも僕の顔が…」


町から町へ移動しても新聞では僕の事を悪く書かれている。
悪い噂が日に日に酷くなる先日も少し脅そうとした女を人質にして殺したなんて噂が流れている。


「僕は悪くない…僕は!」

顔を隠しながら歩き続けるも、空腹で我慢できなかった。
小さな村にたどり着いたが食べる物もなく体は泥だらけでとにかく休みたかった。


そんな中村の一番ハズレにポツンと立つ小さな小屋。
煙突から煙が出ているので人が住んでいるのが解ったのでこっそり中の様子を伺うと。


「人はいない…留守か?」


こうなったら食料だけ貰っていこう。
背に腹は代えられないと思ったが僕がドアノブに触れる前に扉が開かれる。


「誰じゃ?」

「あっ…」

まずい。
顔を隠さないと!

「誰かいるのかのぉ?」

小さな老人が出て来たが目が見えないようだ。
杖を突いていた。


目が見えないなら騙せると思った僕は出来るだけ優しい声で話した。


「悪い人に騙されてお金を奪われてしまって…」

「そうか、そうか。それは苛んじゃったな。入りなされ」

「どうしたんじゃ?」

奥からもう一人声が聞こえた。
同じ年頃の老人で杖をついているが身なりは悪くない。


もしかしたらこの二人は貴族かとも思った。
身分はそれ程高くないかもしれないが良い靴を履いているし服装も悪くない。


「そのまま立つ話もなんじゃ。入ったらどうじゃ」

「そうじゃな。旅のお方。入りなされ」

「ありがとうございます」

ちょろいな。
所詮は年寄りで、老害だ。

馬鹿な奴等だ。
しかし、しばらくここで匿って貰えばいい。

こんな村奥に住むような物好きだ。
きっと家族から見放されたのだろうが、使用人ぐらいはいると思った。


だから安心していた。
ゆっくり眠る事も、食事も満足に食べられなかった僕はようやく安心できると油断していた。


「今日はゆっくり休みなされ」

「ありがとうございます」

夜も遅い事で軽食しか食べれなかったが、まぁいい。
フカフカのベッドで眠れると思ってその夜はそのまま眠ってしまった。



しおりを挟む
感想 480

あなたにおすすめの小説

裏で国を支えていた令嬢「不純物だ」と追放されるも、強面辺境伯と共に辺境を改革する ~戻ってきてと嘆願されましたが、それに対する答えは……~、

水上
恋愛
「君のような地味な不純物は不要だ」と婚約破棄され追放されたルチア。失意の彼女を拾ったのは、皆から恐れられる辺境伯レオンハルトだった。だが彼には意外な一面があって!? ルチアはレオンハルトと共に、自らの知識や技術で領地を改革し始める。 一方、ルチアを追放した王国は、彼女の不在によって崩壊の危機に陥る。 今更戻ってきてほしいと嘆願されましたが、それに対する答えは……。

誤解は解きません。悪女で結構です。

砂礫レキ
恋愛
オルソン家の伯爵令嬢エリカ。彼女は亡き母がメイドだった為に異母姉ローズとその母によって長年虐げられていた。 二人から男好きの悪女の噂を流布され、それを真に受けた結婚相手に乱暴に扱われそうになる。 その瞬間エリカは前世の記憶を思い出した。そして今の自分が「一輪の花は氷を溶かす」という漫画のドアマットヒロインに転生していることに気付く。 漫画の内容は氷の公爵ケビン・アベニウスが政略結婚相手のエリカを悪女と思い込み冷遇するが、優しさに徐々に惹かれていくという長編ストーリーだ。 しかし記憶を取り戻した彼女は呟く。「そんな噂を鵜呑みにするアホ男なんてどうでもいいわ」 夫からの愛を求めない新生エリカは悪女と呼ばれようと自分らしく生きることを決意するのだった。

わたしがお屋敷を去った結果

柚木ゆず
恋愛
 両親、妹、婚約者、使用人。ロドレル子爵令嬢カプシーヌは周囲の人々から理不尽に疎まれ酷い扱いを受け続けており、これ以上はこの場所で生きていけないと感じ人知れずお屋敷を去りました。  ――カプシーヌさえいなくなれば、何もかもうまく行く――。  ――カプシーヌがいなくなったおかげで、嬉しいことが起きるようになった――。  関係者たちは大喜びしていましたが、誰もまだ知りません。今まで幸せな日常を過ごせていたのはカプシーヌのおかげで、そんな彼女が居なくなったことで自分達の人生は間もなく180度変わってしまうことを。  17日本編完結。4月1日より、それぞれのその後を描く番外編の投稿をさせていただきます。

初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました

柚木ゆず
恋愛
「俺の前で声を出すな!!」  マトート子爵令嬢シャルリーの婚約者であるレロッズ伯爵令息エタンには、隣国に嫁いでしまった初恋の人がいました。  シャルリーの声はその女性とそっくりで、聞いていると恋人になれなかったその人のことを思い出してしまう――。そんな理由でエタンは立場を利用してマトート家に圧力をかけ、自分の前はもちろんのこと不自然にならないよう人前で声を出すことさえも禁じてしまったのです。  自分の都合で好き放題するエタン、そんな彼はまだ知りません。  その傍若無人な振る舞いと自己中心的な性格が、あまりにも大きな災難をもたらしてしまうことを。  ※11月18日、本編完結。時期は未定ではありますが、シャルリーのその後などの番外編の投稿を予定しております。  ※体調の影響により一時的に、最新作以外の感想欄を閉じさせていただいております。

婚約者が妹と婚約したいと言い出しましたが、わたしに妹はいないのですが?

柚木ゆず
恋愛
婚約者であるアスユト子爵家の嫡男マティウス様が、わたしとの関係を解消して妹のルナと婚約をしたいと言い出しました。 わたしには、妹なんていないのに。  

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください

ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。 義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。 外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。 彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。 「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」 ――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

私のことは愛さなくても結構です

ありがとうございました。さようなら
恋愛
サブリナは、聖騎士ジークムントからの婚約の打診の手紙をもらって有頂天になった。 一緒になって喜ぶ父親の姿を見た瞬間に前世の記憶が蘇った。 彼女は、自分が本の世界の中に生まれ変わったことに気がついた。 サブリナは、ジークムントと愛のない結婚をした後に、彼の愛する聖女アルネを嫉妬心の末に殺害しようとする。 いわゆる悪女だった。 サブリナは、ジークムントに首を切り落とされて、彼女の家族は全員死刑となった。 全ての記憶を思い出した後、サブリナは熱を出して寝込んでしまった。 そして、サブリナの妹クラリスが代打としてジークムントの婚約者になってしまう。 主役は、いわゆる悪役の妹です

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

処理中です...