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エピローグ
しおりを挟むそれから百年。
モニーク領地は様々な事が起きた。
精霊の加護を受ける故に本国の貴族から嫉妬による攻撃を受けることもしばしば。
ただし、人間が精霊に勝てるはずもなく。
モニーク伯爵家の女主人。
サーシャ・モニークが次々と突拍子もない事を考え、他種族の受け入れを行った事で大きな後ろ盾を得られるようになった。
その所為で王家は勿論貴族も手出し不可能だった。
元より他種族を受け入れる国は少なくモニーク領地は自然が多い事と魔物を受け入れ国を守る防衛に仕えると王家が判断したことで許可されたんだった。
モニーク領地は後に竜王の国と呼ばれ王都以上に賑わいを見せ、戦争が起こることなく世界一平和な領地だといわれるようになり、竜達は一人の女性を慕い。
そしてその女性は多くの竜に囲まれ眠りについた。
永遠の眠り。
この世を去る日だった。
サーシャ・モニーク。
享年120歳。
世界で最も長寿と言われた女性。
大往生だった。
「ギャウ…ギャッ!」
「ギャウ!」
横たわる中竜達は傍を離れることなく見守り続けた。
「ようやくお迎えが来ました」
「ギャウ!」
「ロール。後は頼みましたよ…ひ孫たちを」
ゆっくりと眠る中。
「もうすぐ会えますね…フレディー、マリア様…ルミエル様」
愛しい人の名を口にしてゆっくりと目を閉じる。
悲しみにくれる竜達は最後までサーシャに寄り添いながら鳴き声をあげた。
ふわふわとした感覚。
ここが何所か解らずただ白い空間を歩いていると光が見えた。
「サーシャ様!」
「マリア様」
手を伸ばした先には会いたかった人達。
「ようやく会えました」
「遅かったなサーシャ」
「はい…ちゃんと長生きして、天寿を全うしました」
「全うし過ぎだ」
あまりにも長生きをし過ぎたのだが、彼らは彼女らしいと思った。
「最後のお詫びだそうだ」
「私達、同じ世界に転生できるそうです」
「そっか…また一緒にいられますね」
長い間の別れ。
だけどもう一度結ばれた手を今度は離すことはなかった。
紡がれた絆という糸は永遠に結ばれていく。
それは人も女神も同じなのかもしれない。
糸は切れやすくもろいがしっかりと結ばれれば解けることはない。
彼らの糸はしっかりと結ばれたのだから。
――完結
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