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40小さな新聞
王都を離れているので問題ないと思ったが、しくじったか。
「ディアッカ!貴様と言う奴は」
「何だよ?別に王都日報じゃないんだから…こんなの小さな新聞じゃねぇか。平和で娯楽もねぇんだぜ?」
「チャールズ、少しイライラし過ぎだぞ。ミルクを飲め」
「お前はのんびり構え過ぎだ!」
新聞をテーブルに叩きつけ怒るチャールズの言いたいことも解るが、ディアッカは何故こんな真似をしたんだ?
「理由を聞かせてくれ」
「あ?」
「お前は理由なくこんな真似をしない。何故こんな真似を」
ディアッカは聡明な男だ。
士官学校時代からディアッカの頭の良さは教官も騎士になるのではなく文官になるべきだという程の頭の回転が速かった。
「少しは領民を安心させてやれよ。お前あのビッチ女に捨てられて領民達、特にギルド達が嘆いていたんだぜ?」
「ぐっ…」
この領地を賜ってから私の親代わりを務めてくれた彼等。
水軍ギルド達には心配をかけていたのは事実だ。
「今まで浮いた噂も無く真面目過ぎたお前があれに捨てられ王都の噂で精神的に病んでいるんだ。明るい話を持ってきてもいいじゃねぇか」
「ディアッカ…」
そうだったのか。
お前は領民達の為にわざとこんな事を!
「騙されるなシオン!こいつのニヤニヤした顔を見ろ」
「水を差すなよ。半分は事実だぜ?」
「その半分は?」
「予防線」
半分は予防線とはどういう意味だろうか?
「お前社交界でどう呼ばれているか解っているか?少し前は愛し合う二人を邪魔する最低な男、今は婚約者の浮気を黙認し許した腰抜けだ」
バキッ!
今バキッて音がしたんだが。
「挙句の果てにお前は男として欠陥品、不良品だとも言われて…」
「誰だ!ぶっ殺してやる!」
「チャールズ止めろ!騎士だろうが」
「人として許せん!」
こう見えて情に厚い男であるチャールズは許せないのだろう。
私自身は顔も知らない人間に言われたことがから気にする事はないし、そんなくだらない噂を流す人間は器が小さいのだろう。
「まぁ噂を流した人間は誰かなんとなく想像できるぜ」
「誰だ」
「あの女に決まっているだろ?婚約解消はまだ公になってねぇが、王都でやりたい放題をしたしっぺ返しがそろそろ来ているだろうよ」
「しっぺ返し?」
「考えて見ろよ。伯爵令嬢程度がこれまで騎士団をパシリに出来たのはお前の婚約者だからだ」
パシリとは言い方が酷いな。
確かに私の代わりに護衛をしてくれた心優しい部下は多かった。
他にも天候が悪くなり迎えに来て欲しいと言われた時も私は任務中で困っている時に別の部隊の騎士が代わりに馬車を出してくれたな。
「お前と全くの他人になったのなら騎士団の連中は従う理由はない」
「そうだな」
だが、ディアッカの言わんとしている意味をイマイチ理解しかねてる私は気づかなかった。
私との婚約が解消された事で大きな被害を受ける事を。
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