地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

文字の大きさ
9 / 193
序章目覚めた記憶と本当の愛

9友達





学園長室を出て教室に戻ろうとした途中。


「ディアナ!」


髪を乱しながら肩で息をする女子生徒二人が駆け寄ってきた。


「セフィーナ、ウィンリィ」

同じクラスの友人だった。


騎士科のセフィーナ・ファイブスター。
辺境伯爵令嬢であり、騎士を志し、騎士科の期待の星とも言われている。
長身で茶髪に碧眼の男装の麗人と呼ばれている。


対する可憐な容姿で小柄な令嬢、ウィンリィ・シルクロード。
音楽科に籍を置く人魚姫と呼ばれるほどの魅惑の歌声で数多の聴衆を虜にする。
美しい海よりも深い青い瞳は天使のようだとも言われている。


二人とも一般科ではあるが、他の生徒よりも抜きんでた才能がある。

その一方で天才肌ゆえに、他の令嬢とは少し距離を置いているのだが、一年生の頃から同じクラスであるディアナとは親しい間柄にある。



学園内の心無い噂は二人も知っていたが部外者ゆえに強く言えなかったが、ここ最近はその噂がひどいのでディアナを心配していた矢先、学園長に呼ばれて気が気でなかった。


「悪い話ではなかったのね?」

「うん…」

「馬鹿を言うな。ディアナは模範優等生だ。そんなわけ…」

「あら?愛剣を片手に今すぐあの最低男を串刺しにするとか言ってなかったかしら?」

「そっちこそ地獄の子守歌で永遠の地獄を味わせると言っていなかったか?」

「うっ!」


二人は何かあった時の為に戦闘態勢並みの準備をしていた。
互いに魔力があるので最悪死闘も辞さない覚悟でいたのだから。


「あの…悪い話ではないの。いえ…場合によっては良くないのか」

「はっきりしないな」


「何で呼ばれたの?」


ある意味では喜ばしいのだろうが、大好きな友人と離れるのであれば悲しいことだ。


「えっと転科の推薦が」

「「え?」」


「えっと…錬金術科の枠があるので私に推薦されたと」



言いにくそうにするディアナに二人は言葉を失う。


「あのね…二人とも」


錬金術科は魔法科の生徒でもとりわけ優秀な生徒でなくては入ることはできない。
その理由は授業のカリキュラムが一般科よりも多く、言語や数式がかなり難しいとされている。

特に文学は古語を学ぶ為に神話の時代の文明や考古学と貴族の子息、令嬢が容易に学べるものではない。
専攻科目の錬金術に関しては研究所に長時間引きこもって研究に没頭する。


また試験も厳しく、毎日のように試験があり、少しでも平均点を落とせばクラスは落ちる。
しかも特別科から一般科に落ちるとペナルティーが与えられる。



そんな狭き門に入ることになったディアナに…


「すごいじゃないか!」

「やっぱりやればできる子だって思っていたわ!」


二人は自分の事のように喜び手を上げた。
クラスが変わるのは寂しいが、友人が評価されるのは嬉しいのだから。


「二人とも…」

「私達もすぐにランクを上げて特別科に行く!待っていろ」

「私は今度のコンクールで金賞を取ってすぐに特別科よ!」


ただ応援するだけではなく自分達も必ず行くとディアナの背中を押すのだった。


感想 228

あなたにおすすめの小説

試験でカンニング犯にされた平民ですが、帝国文官試験で首席合格しました

あきくん☆ひろくん
恋愛
魔法学園の卒業試験で、私はカンニング犯に仕立て上げられた。 断罪してきたのは、かつて好意を寄せてくれていた高位貴族の子息。そしてその隣には、私を嫌う貴族令嬢が立っていた。 平民の私には弁明の余地もない。私は試験の順位を辞退し、その場を去ることになった。 ――だが。 私にはもう一つの試験がある。 それは、帝国でも屈指の難関といわれる帝国文官試験。 そして数日後。 その結果は――首席合格だった。 冤罪で断罪された平民が、帝国の文官として身を立てる物語。

愛人と暮らすために私と結婚した伯爵子息、皇帝宮の夜会で本音を喋る魔道具を使ったらすべて暴露されました

あきくん☆ひろくん
恋愛
愛人と暮らすために私と結婚した伯爵子息。その本性を知ったのは、結婚した後でした。 私は子供を産むためだけの妻。生まれた子は愛人が育て、私は屋敷に閉じ込められる運命だという。 絶望する私が思い出したのは、大魔導士から渡された魔道具。「心に思ったことを言葉にしてしまう」もの。 そして皇帝宮の夜会で――伯爵子息は皇太子の前で、自分の本音をすべて喋ってしまいました。 この作品は、「僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です」シリーズの外伝です。 リリアーナは、第1作目の第3部のおまけ、のお話にでてくる子爵令嬢です。

『ブスと結婚とか罰ゲーム』と言われた商人令嬢ですが、結婚式で婚約者の不正を暴いたら幼馴染の騎士様が味方でした

大棗ナツメ
恋愛
「なんで、お前みたいなブスと結婚しないといけないんだ」 そう言い放ったのは、結婚を一週間後に控えた婚約者だった。 商人の娘エフィは、持参金目当ての政略結婚を受け入れていたが、彼からは日常的に「ブス」「価値がない」と罵られていた。 そんなある日、エフィは父の商会の帳簿から男爵家の不審な金の流れを発見する。 さらに婚約者が娼婦と歩いているところを目撃し―― 「泣く暇があるなら策を考えなさい」 昔、自分が言った言葉を思い出したエフィは決意する。 結婚式の日、すべてを暴くと。 そして再会したのは、かつて「姉さん」と慕ってくれた幼馴染の騎士レオンだった。 これは、ブスと蔑まれた商人令嬢が、 結婚式で運命をひっくり返す逆転劇。

「お前は妹の身代わりにすぎなかった」と捨てられた養女——でも領民が選んだのは、血の繋がらない姉の方だった

歩人
ファンタジー
孤児のフィーネは伯爵家に引き取られた。 病弱な令嬢エーデルの「代役」として。社交も、領地管理も、使用人の采配も—— 全て「エーデル様」の名前で、完璧にこなしてきた。 十一年後。健康を取り戻したエーデルが屋敷に帰還した日、伯爵は言った。 「もう用済みだ、出ていけ」 フィーネは静かに屋敷を去った。 それから一月もしないうちに、領民たちが伯爵に詰め寄った。 「前のお嬢様を返してください」

(完)イケメン侯爵嫡男様は、妹と間違えて私に告白したらしいー婚約解消ですか?嬉しいです!

青空一夏
恋愛
私は学園でも女生徒に憧れられているアール・シュトン候爵嫡男様に告白されました。 図書館でいきなり『愛している』と言われた私ですが、妹と勘違いされたようです? 全5話。ゆるふわ。

【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~

Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。 だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと── 公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、 幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。 二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。 しかし、リリーベル十歳の誕生日。 嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、 リリーベルを取り巻く環境は一変する。 リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。 そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。 唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。 そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう…… そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は─── ※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』 こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。 めちゃくちゃチートを発揮しています……

危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました

しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。 自分のことも誰のことも覚えていない。 王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。 聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。 なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。

姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します

しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。 失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。 そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……! 悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。