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序章目覚めた記憶と本当の愛
22不穏な前に
一般科と特別科で校舎が分かれていた。
制服に関しても色が異なっていた。
一般科は黒を統一しているが、特別科は白を統一している。
またネクタイのデザインも異なる。
一般科は男女ともにシンプルなネクタイに対して、特別科はスカーフだった。
制服からして高級感あふれる作りになっている。
「お前の制服だ」
「ありがとうございます」
特別科の校舎に入ってすぐに、制服を渡される。
「すぐに生徒会室で着替えろ。中からカギをかけてから着替えが終われば声をかけろ」
「そこまでしていただかなくても空き教室で…」
「貴様は馬鹿か!嫁入り前の女子が着替えを見られたらどうする気だ!」
「すいません…」
朝から怒られてばかりのディアナは猫背になり、しょんぼりしながら制服を持って生徒会室に向かった。
「シリル。君、本当不器用だね」
「何がですか」
「心配だから生徒会室で着替えておいでって言えばよかったのに」
「なっ!心配などしておりません!」
顔を赤らめて慌てるシリルにアルフレッドは苦笑する。
「色気の欠片もない小娘ですが。特殊な趣味の輩もいますし…」
「ふーん?それだけ?」
「おっしゃっている意味が分かりません」
ニヤニヤ笑うアルフレッドは不器用すぎる幼馴染の優しさに微笑ましくなるが、もう少しスマートになれないのかと思った。
(小娘ねぇ?どうかな?)
確かにディアナは地味に見えるかもしれない。
制服をきっちり着て、おしゃれもほとんどしていない。
(着飾らない状態でも悪くないからな…化けると思うんだけど)
アルフレッドはディアナをダイヤモンドの原石と思っていた。
そぎ落とせば誰よりも輝くと確信があったのだ。
「あの…着替え終わりました」
「まぁ、早かったな」
女性の身支度にしてはかなり早いと思いながら生徒会室に入った二人は驚いた。
「シャンデラ嬢…とっても似合っているよ」
「ありがとうございます」
髪は少し編み込みを入れてつつむも清楚感を強調し、スカーフの巻き方もおしゃれにした。
スカートは長すぎず短すぎずにしていた。
「特別科の制服の方が似合っているね」
「殿下、制服が似合わぬ生徒はおりません」
「シリル。似合っていると言えばいいじゃないか」
「なっ…違います!我が校のデザイン科の生徒がデザインしたのです!誰が着ても似合うように作られているんです!」
言い方は分かりにくいが似合って当然という言葉だった。
「とにかくお前は生徒会の人間になるのだ。もっと堂々とせんか!」
「はっ…はい」
「実力で入ったのなら他の生徒に実力を見せつけ認めさせろ」
怒りながら言うが、遠回しな喝を入れてくれたことが分かったディアナは笑みを浮かべた。
「心配しなくていいよ。君の学力なら基礎科の授業は問題ない」
「あるとすれば魔術学でしょうか」
一般科と特別科でも基礎学はそう変わらない。
問題は魔法学と錬金術学だった。
これまでは魔法学を学ぶ機会はなかったので、今から叩き込まないといけない。
「問題は午後の淑女科も参加するお茶会だ」
「お茶会…」
学園内で必須科目の一つ。
お茶会の授業は月に一度上級生も混合でお茶会の授業が行われる。
「何もないといいんだけど」
「え?」
「いや、気にしすぎだね」
学園内のお茶会で組む相手は公平に決められるので問題ないと思ったアルフレッドだったがその不安は的中した。
そしてそのお茶会の授業で事件は起きた。
「ディアナ様!」
「毒よ!」
大勢の前でディアナは毒を盛られて倒れたのだった。
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