地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

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第1章白銀の錬金術師の奮闘記

2療養の中で






学園内で起きた毒殺未遂事件は内々で片付けられた。
本来なら致死量ではなかったのだが、小柄なディアナが一度に飲み込んだこともあり最悪な形になっただけだった。


毒に近い成分であったが通常は香水に使われてるものだった。
幼児などが口似れば死に至るものであることが分かったのだが、犯人を特定するのは難しかった。


お茶会に使われるティーカップは他の生徒も同じでティーカップに毒を塗るのは自殺行為だった。
茶葉に入れたならば、色が濁るか味に変化が出るだろう。

貴族令嬢ならば紅茶の味に違和感を抱き、途中で飲むのを止める。
ならば何処で毒を入れたかだ。


ミルクティーにしたのならミルクを調べるが、授業ではミルクは使われていない。
被害者から聞き取りをする形になったが当人のディアナは記憶が曖昧だと言うばかりで犯人の特定が困難で外部藩の可能性もあると判断されたのだった。




だが疑惑は残る。


特にお茶の席にいた二人にも疑いの目は消えなかった。




「はぁー…」


「お疲れ様ですお嬢様」


さっきまで聞き取りをされて疲れてしまったディアナにルクティアはお茶を用意する。

「ありがとう…」

「お待ちください」


お茶を受け取ろうとするも、ティーカップをルーカスが手に取る。


「安全の為です」

「ルーカス!」


ディアナが飲む前に毒見をしたのだ。

「問題なさそうですね」

「ティア…」

「寮の中ならばまだしも、医務室ですので」


二人が学園も信用できないと言わんばかりだった。


「お嬢様が毒を飲んでも、ファティマ様もオルフェ様もお見舞いすらこないのですね」

「心配ではないのでしょうか」


二人は相当怒っていた。
ディアナが毒殺されかけたことはシャンデラ伯爵家にも連絡したが、見舞いに来ることはなかった。

それどころか、両親が心配したのはファティマだけだった。
ディアナの事は最後まで心配することはなくむしろ、毒を飲んでしまったことを恥じるようなことばかり言っていた。


お茶会の授業の前で毒を飲まされたのではないかと。



「私は暇を頂くつもりです」

「ティア…それは」


「お嬢様が寮生活をなさるときにジョナサン様にも万一の時はお嬢様のお傍にと」



「私もです」



昨夜に話したことがこんなに早く現実になるとは思わなかった。


「もう我慢なりません」

「お嬢様をこれ以上危険に晒すわけには行きません」


二人の優先順位はシャンデラ伯爵家ではなく、ディアナだった。
例え今回の事件にファティマがかかわっていなかったとしても娘が死にかけて見舞いにも来ない時点で彼らはもうディアナを捨てたのだと二人は判断し、仕える価値はないと見限っていた。



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