地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

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第1章白銀の錬金術師の奮闘記

31ドワーフの寵愛




ギルドではドワーフを怒らせたら職人としては生きていけない。
どの国でも共通しているのはドワーフに気に入られれば国は安泰だと言われるほどに、ドワーフの技術は喉から手が出るほど欲しいものだった。


実際、勇者の聖剣や聖騎士の鎧に聖女の聖杖等はドワーフの存在なくして作れないと言われている。
鍛冶の神の加護を得ているドワーフはそれだけ人間にとってありがたい存在であるが、一方でドワーフを見下す人間も多いのだ。



ドワーフを支配下に置いて人間の方が別格の存在だと知らしめようと考える人間も少なくない。
特に貴族はどんなに素晴らしい技術でも所詮は職人だと汚く罵倒している。


その為ドワーフ達は強欲な人間を毛嫌いしている。
ただし、彼らは情が深く一度でも懐に入れれば絶対に見捨てるような真似をしない。

特に一度でも師弟の絆を結んだのなら、子々孫々とその一族を庇護する程の情の深さだった。


東のドワーフ族の長、ジョルノ。
四大ドワーフの中でも一番の年配であり、彼はドワーフ王国の王からの信頼も厚い。


彼を怒らせたら国から鍛冶の技術は消え、どんなに素晴らしい剣も鎧も鉄の塊になる。
武器だけでなく建物も崩壊する。

彼が合図を送れば一瞬で砂の城にもなりえるのだから。



「お爺様!すごいです」

「この程度朝飯前だ!」


現在、寮内のダイニングにて。
大きな薪ストーブが設置されていた。


「なんて温かいのかしら」

「新築祝いにしてはしょぼいからな!厨房も新しくしたぞ!部屋もベッドを設置してやる!」


ジョルノは早速寮内の環境を見て改善すべくリフォームに取り掛かった。
冷暖房機は勿論のこと、厨房とダイニングが快適になるようにすべてを作り替え調度品だけでなくソファーを作りくつろげるスペースを作り学生寮とは思えない豪華さだった。


「勝手にいいのかしら?」

「お前は錬金術科であろう?ならば問題ない。そもそも自分でリノベーションさせるために古い寮を与えられたのだからな。個人資産で作るのも問題ない」



ディアナはこの寮を当てがわれた意味を知らなかったが、才能のある生徒は学園側から訳あり物件を与えられることになっていた。


自身の私財を使いリフォームしたり、時には魔法を使って好みの家にする。
学園内に美容サロンを持つマリーとユーリも同様だった。



「でも、お爺様に丸投げで」

「基本はお前が作っておる。しかしいつの間にこんな高度な術式を覚えたのだ?周りに強い結界魔術が敷かれていたぞ?かなり年季の入っておる」


「あはは…」


笑ってごまかすディアナは困り果てた。


(前世で身に付けたんですなんて言えない)

この世界の錬金術式と、現世の錬金術式は微妙に違う。
悪く言えばこの世界の錬金術式はかなり古い手法であるが、前世でディアナが得た錬金術は魔術と錬金術が融合して作られたものでかなり斬新だったがその違いに気づくものはない。


そう、人間ならば。



(流石ドワーフの年長者)


同じドワーフでもジョルノは他のドワーフよりもご長寿組とされているのだから気づかないはずもない。


「まぁ、いい。お前に錬金術を学ぶように命じたのはわしだからな!」


「はは…」


深く追究されなかったことに喜んだのだが、これで終わりというわけにはいかなかった。


「わしはしばらくここに住むからな?」

「「はい?」」


とんでもない爆弾発言が投げ込まれた。



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