地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

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第1章白銀の錬金術師の奮闘記

40暗転する元婚約者②






騎士科の生徒は他の生徒と異なり別の制服を与えられている。
学生でありながらも騎士である彼らは万一の時は戦場に立つのだから。

侵入者が現れた時は真っ先に動くのは風紀委員と騎士科の生徒だからだ。
普段から騎士科専用の制服を着ることを許されている。


ただし、その制服に身をまとうのは騎士科の中でも即戦力になる生徒のみ。
セフィーナはその一人である。


「優秀だと名高い貴方の対戦相手になれるとは光栄だ」

「女性が相手か」

「何か問題でも?私は女とはいえ、幼少期から騎士の訓練を受けていますが?剣を昨日今日握った殿方とは違います」

「なっ…」


遠回しに嫌味を言われたと思ったオルフェは睨みつける。


「僕を馬鹿に…」

「無駄口を叩くな」

担当教官が二人を注意する。

「本日から特別講師をお招きした。ルーカス先生お願いします」

「は?」


担当教官が招き入れた人物はオルフェがよく知る人物だった。


「貴様!何故ここにいるんだ!」


「先生に向かって貴様とはなんだルーズベルト!」

「えっ…でも!」



オルフェはルーカスが特別講師だと言われたことを忘れ罵倒したが、即座に担当教官に抑え込まれた。


「知っている者も多いかと思うが、ルーカス先生はプロの騎士で貴族の護衛騎士をされている。本日から特別に指導をしていただく…野外実習の時は私とルーカス先生で監督する」


「「「ルーカス先生!よろしくお願いします!」」」


体育会系の生徒が多い騎士科の生徒は身分がどうであれ講師と招かれた騎士は教官として敬意を示す。
学園から講師に臨まれたのであれば、騎士としての品位、腕前は申し分ないという信頼性は抜群だったからだ。



「これより諸君の指導を行うルーカスだ。身分は平民であるが、騎士として必要な要素を教える。だが私も騎士として未熟な部分はあるかと思う…君達も私に指導をして欲しい」


騎士としての人柄。
平民でありながらも礼節がしっかりしているルーカスに敬意を持つ生徒は敬礼をした。


「ルーズベルト!」

「はい!」

敬礼をしないオルフェは担当教師に怒鳴られ、いやいやながらも敬礼をした。



「今回の組み分けだが、上級者と初心者で組むようにしている」


担当教師が組み合わせの詳細を教えた。


「騎士科の生徒は剣術に関しては上級者だ。万一怪我をさせないようにとの配慮だ…騎士科以外の生徒も腕に自信はあっても実践経験がないからな」

「無論、君達の腕を認めていないわけではないが。騎士科は常に剣を握っている故に差が出るのは当然だ」


担当教官の言葉に続くようにルーカスがフォローを入れたことで騎士科以外の生徒は安堵した。



「ただし、ルーズベルトは騎士科ではないが剣術の腕は一年の頃から良かった。故に彼女と試合を組ませた」

「まぁ…所詮は剣術ですから」


褒められたことに気を良くしたオルフェは笑顔を浮かべた。
一年の頃から剣術、乗馬に関しては他の生徒よりも自信があったのだが、この言葉が後にオルフェを地獄に落とす結果となるのだった。



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