地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

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第1章白銀の錬金術師の奮闘記

47女性騎士の護衛


寮を出て学園の校門に荷馬車が待っている手はずだった。


「ディアナ!」

校門まで待機していたのは赤い騎士服を着たセフィーナだった。


「何故セフィーナが」

「護衛騎士を数人派遣することになっているんだ」


騎士科の生徒が護衛の仕事をすることは珍しくない。
在学中に実戦経験として護衛の仕事を受けるけど、最上級生に限定されている。


「先輩に試合を申し込んで勝ち取った」

「流石セフィーナ」


騎士科は完全なる実力主義。
規定はあれど、絶対ではなく柔軟に対応する。


今回王宮に向かうことになったディアナの為に護衛騎士として同行したと訴え正式な試合を申し込んだのちに勝ち取ったのだ。

「お嬢様、彼女は既に予備騎士のレベルを超えております」

「ルーカス…」

「彼女が上に行くのも時間の問題です」

騎士科の講師として招かれたルーカスは贔屓することはしない。
公平な判断で見てセフィーナの実力が他の生徒よりも格段に上だと判断した。


「騎士として絶対必要な要素をすべて持っています」

「そうか…」


女性で騎士として生きるのは難しいが、その常識をセフィーナは崩そうとしている。

「私が今からお守りします。レディー」

「もうセフィーナったら」

「約束しただろ?必ず追いつくと」


あの時の約束を思い出す。
一人で特別科に転科になった日に言われた言葉だ。


「ウィンリィもランク上げをしている」

「うん…」

「私達が特別科に行くのも時間の問題だ。私達で新しい扉を開こう」


男尊女卑が未だに尾を引いているこの国で女性が行きやすい時代を開く為にも学園内で証明をしなくてはならない。


女性進出を願う王女のサロンに行くことはその夢を叶える近道でもある。


「参りましょう」

「はい。レディー」


セフィーナにエスコートされながらディアナは校門に向かった。


その先では――。


「ディアナ!」

「ディアナちゃん!」


校門前にはマリーとユーリが待っていた。


「見送りに来たのよ。私がデザインから採寸まで手掛けたドレスよ」

「自信を持って。誰よりも綺麗よ」


二人はサロンに行くディアナを励ますべく見送りに来ていた。

「それにしても真珠のイヤリングに銀細工の髪飾りにガラスの靴なんて」

「素敵だわ」


王宮に行くにふさわしい装いだった。
美的センスに自信を持つ二人はこれ以上の装いはないと思えた。


「騎士科の方ですね。私はマリー・ブリリアントと申します。友人をお願いいたします」

「彼女は私達の大事な友人なのです。どうかお願いますね」


二人はセフィーナに礼を尽くした。

「お任せください」


騎士としての礼儀を通しながらセフィーナは安堵した。

(良き友人に恵まれたのだな…)

喜びとほんの少しの寂しさを抱く。
あの頃のディアナには自分達しかいなかったのにと思いながらも。


(いや…違うな)


ディアナが必要としたのではないと思いなおす。
セフィーナとウィンリィも孤独な立場にあり、学園でも浮いた存在で友人ができなかった。

異質だった二人を受け入れてくれたのがディアナだったのだから。


何時か自分達以外の友人ができるだろう。
その時は寂しくて仕方ないだろうと思ったが、これでいいのだと納得した。


優しい友人がいつまでも日陰にいるよりもずっといいのだから。




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