地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

文字の大きさ
75 / 193
第1章白銀の錬金術師の奮闘記

52必須アイテム





サロンから一週間後。
外は騒がしいがディアナの生活はそれ程影響がなかった。


何故ならミーハー丸出しなのは一般科の生徒だけで特別科では他人を噂したり、妬むならば己の研究に時間を費やすという考えが強い。


他人に夢中しすぎて自分の成績を落とせば本末転倒であるし、各科によっては少しでも成績を落とせば特別科から一般科に逆戻りになる。

最悪の場合即退学という厳しい沙汰が下る。
一般科からは特別科が特権を得ていると思われがちだが、その分リスクを背負っているのだから。


「ポーション100本問題ありません」


現在錬金術科の基礎授業にて。
制作されたポーションの検品をより正確により迅速に行う授業がされていた。


「いいでしょう。次」

「はい」


ベルトコンベアから運ばれるポーションを生徒たちが検品し、教師が時間を計るというものだ。
国内では現在粗悪品のポーションや出来損ないのポーションが冒険者に出回る事故が多発している為、効率的に検品できる目を養う為の授業でもある。



「錬金術士にとってポーション製作は基礎です」

「「「はい!」」」

「検品の腕もしっかり磨くように」


生徒達はひたすら検品作業に戻る。
かなり目が疲れ、立ち眩みをする生徒が増えている中、

ディアナは最速で検品を続けていた。


「早い!」

「すごいわ!」


瞬きすることも許さないと言わんばかりの速さだった。



「ちょっとディアナちゃん!もういいのよ!」

「ディアナ嬢!」


同じ専攻科目であるユーリとミカエルはあまりの気迫に止めようとするも、


「眼鏡?」

「ポーションはしっかり栓をしているので必要は」

普段授業に使う眼鏡と異なっている。
通常のメガネはもう少しレンズが薄いのだがディアナがつけている眼鏡は少し分厚く感じた。

デザインも見たことがない。

「ディアナちゃん、これ!」

「拡大眼鏡ですけど」

作業を終えたディアナが眼鏡を取り、見せるとユーリが口を開けたまま固まった。
隣にいるミカエルは興奮した手つきで眼鏡に触れる。

「なんて精巧な作りでしょう…それに厚みがあるのに軽い」

「使われます?」

「はい…わぁ!すごく見やすい。それに目が疲れない」

研究者にとって目は命だ。
特に長い間研究をしなくてはならない錬金術士は目を酷使するので、目が疲れやすい。
中には特別な光を目に当ててしまうので、失明にもなるリスクがあるのでディアナは前世で愛用していた眼鏡を作った。


(まぁ、ブルーライトカット眼鏡の応用だけど)


作業を効率化する為に作ったにすぎないのだけど…


「ディアナ嬢!すごいです…僕、こんな発明品初めてで。もしかして他にも」

「えーっと。目薬とか?」


愛用のポシェットから取り出したのは普段から必要になる薬の数々だった。
中には銀食器も入っている。


「何でこんなに薬が多い…いっ!」

「乙女の花園は秘密が多いのよ」

ユーリがミカエルの足を踏んでいながら微笑みを向けるがその目にはこれ以上何も言うなと言っていた。



「すっ…すいません!」

「いえ、いいんですよ」


ディアナは気にしないが、少し前に起きた毒殺未遂事件を思い出すユーリは痛ましいと思った。
常に薬と銀食器を持ち歩くということは予防なのだから。





感想 228

あなたにおすすめの小説

試験でカンニング犯にされた平民ですが、帝国文官試験で首席合格しました

あきくん☆ひろくん
恋愛
魔法学園の卒業試験で、私はカンニング犯に仕立て上げられた。 断罪してきたのは、かつて好意を寄せてくれていた高位貴族の子息。そしてその隣には、私を嫌う貴族令嬢が立っていた。 平民の私には弁明の余地もない。私は試験の順位を辞退し、その場を去ることになった。 ――だが。 私にはもう一つの試験がある。 それは、帝国でも屈指の難関といわれる帝国文官試験。 そして数日後。 その結果は――首席合格だった。 冤罪で断罪された平民が、帝国の文官として身を立てる物語。

愛人と暮らすために私と結婚した伯爵子息、皇帝宮の夜会で本音を喋る魔道具を使ったらすべて暴露されました

あきくん☆ひろくん
恋愛
愛人と暮らすために私と結婚した伯爵子息。その本性を知ったのは、結婚した後でした。 私は子供を産むためだけの妻。生まれた子は愛人が育て、私は屋敷に閉じ込められる運命だという。 絶望する私が思い出したのは、大魔導士から渡された魔道具。「心に思ったことを言葉にしてしまう」もの。 そして皇帝宮の夜会で――伯爵子息は皇太子の前で、自分の本音をすべて喋ってしまいました。 この作品は、「僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です」シリーズの外伝です。 リリアーナは、第1作目の第3部のおまけ、のお話にでてくる子爵令嬢です。

『ブスと結婚とか罰ゲーム』と言われた商人令嬢ですが、結婚式で婚約者の不正を暴いたら幼馴染の騎士様が味方でした

大棗ナツメ
恋愛
「なんで、お前みたいなブスと結婚しないといけないんだ」 そう言い放ったのは、結婚を一週間後に控えた婚約者だった。 商人の娘エフィは、持参金目当ての政略結婚を受け入れていたが、彼からは日常的に「ブス」「価値がない」と罵られていた。 そんなある日、エフィは父の商会の帳簿から男爵家の不審な金の流れを発見する。 さらに婚約者が娼婦と歩いているところを目撃し―― 「泣く暇があるなら策を考えなさい」 昔、自分が言った言葉を思い出したエフィは決意する。 結婚式の日、すべてを暴くと。 そして再会したのは、かつて「姉さん」と慕ってくれた幼馴染の騎士レオンだった。 これは、ブスと蔑まれた商人令嬢が、 結婚式で運命をひっくり返す逆転劇。

「お前は妹の身代わりにすぎなかった」と捨てられた養女——でも領民が選んだのは、血の繋がらない姉の方だった

歩人
ファンタジー
孤児のフィーネは伯爵家に引き取られた。 病弱な令嬢エーデルの「代役」として。社交も、領地管理も、使用人の采配も—— 全て「エーデル様」の名前で、完璧にこなしてきた。 十一年後。健康を取り戻したエーデルが屋敷に帰還した日、伯爵は言った。 「もう用済みだ、出ていけ」 フィーネは静かに屋敷を去った。 それから一月もしないうちに、領民たちが伯爵に詰め寄った。 「前のお嬢様を返してください」

(完)イケメン侯爵嫡男様は、妹と間違えて私に告白したらしいー婚約解消ですか?嬉しいです!

青空一夏
恋愛
私は学園でも女生徒に憧れられているアール・シュトン候爵嫡男様に告白されました。 図書館でいきなり『愛している』と言われた私ですが、妹と勘違いされたようです? 全5話。ゆるふわ。

【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~

Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。 だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと── 公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、 幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。 二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。 しかし、リリーベル十歳の誕生日。 嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、 リリーベルを取り巻く環境は一変する。 リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。 そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。 唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。 そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう…… そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は─── ※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』 こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。 めちゃくちゃチートを発揮しています……

危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました

しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。 自分のことも誰のことも覚えていない。 王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。 聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。 なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。

姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します

しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。 失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。 そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……! 悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。