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第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!
13規格外の主従
所変わって学園内の寮にて。
「馬鹿か」
手紙を読みながらシリルは頭を抱えていた。
「どうしたんだ」
「ハイネ様。早々の寄生虫がやらかしました」
誰がなんて聞くまでもない。
もはや名前で呼ぶことすらないファティマとオルフェだった。
「道中を手紙で知らせるようにと魔物討伐の騎士に伝えておいたのですが」
「そんなことをしていたのか」
シリルも魔物討伐に関しては無関係ではない。
状況によれば、次の討伐隊に加わることになるのだから。
「最前線部隊。ルーカス達は人は足早くバイエル領地に向かっています」
「二手に分かれたか…」
危険な道を通り、後から来る魔術師達の道を安全にするためであることは分かるが、それだけではない。
「あの二人がいたらバイエル領地に到着できないと判断したんだろうな」
「むしろ魔物が余計集結したかもしれません」
手紙には経緯が事細かに書かれていた。
当初から討伐隊は二組に分けるつもりだったので問題はない。
片方がバイエル領地に向かい、もう片方がマリンフォール領地だった。
国の最後の砦と言われるバイエル領地はこの時期山道は険しく雪も積もっているので素人が安易に踏み込めば死にに行くようなものだ。
しかも魔力の強い魔物が襲ってくるのだから。
脅威は魔物だけでなくバイエル領地に入る前に森の精霊が人間を迷わせることが多いのだ。
「手紙では無事に森を抜けたそうです」
「いくら土地勘があっても普通は一週間は必要だ」
「近道にノームの森を通ったと」
「…普通は永遠に迷子になるんだがな」
ノームの森とはその名の通りノームが住まう森で人間が簡単に足を踏み入れることはない。
一歩踏み込めば二度と森から出られないのだが。
「ノームの通行証を持っていたとか」
「そんなものあるか?」
「約一名持っていそうな人物が」
そんな人物一人しかない。
「ディアナか」
「はい」
遠い目をする二人。
ここにきてディアナの規格外さを思い知る。
「しかも道中にグリフォンの群れを蹴散らしたとか」
「蹴散らせるか!」
普通に考えて無理だった。
いかに腕の立つ騎士であっても王都の外の魔物は魔力が強く魔力だけで人間を苦しめることができる。
中には瘴気を放つ魔物もいるのだから。
「手紙には剣で正気を薙ぎ払ったと…後は威圧感でブラックタランチュラを細切れに」
「巨大毒蜘蛛のボスだぞ!」
道中に片手間で出来ることじゃないのだが規格外なのはディアナだけではなかった。
「手紙にはルーカスを見て逃げる魔物がいたとか」
「まるで百獣の王だな」
魔物の世界も弱肉強食の世界で、知能が高ければ自分よりも強いと判断すれば手を出さないこともある。
「ただ、問題なのは」
「こうなると厄介のはあの隊か」
ファティマとオルフェが同行している討伐隊が気にかかる。
決して二人の心配をしているのではなく、隊の和が乱れることを心配してのことだった。
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