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第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!
22ただ待つだけの時間
立派過ぎる祖母と母を持つオルフェはどうしてあそこまで捻くれたのか。
「兄弟でも片方がしっかりしているともう片方がダメさが目立ちますわ」
「ティア?」
「シャンデラ伯爵家でも良い例がございます」
冷たい目で告げるルクティアは誰の事を言っているか聞くまでもない。
「英雄のお祖母様と立派なお母様にコンプレックスを抱いていたのでしょう」
「それは…まぁ」
「ですから、ご自分の妻には従順な方を望まれた。女性を何だと思っているのでしょう」
冷めた表情で告げるルクティアにディアナは焦りだす。
(ティアの目が…すごく冷たくなっている!)
基本、ルクティアが少し涙もろく過保護な一面が強いと思っているディアナであるが。
最近のルクティアはこういう表情が増えて来た。
そう、他人に対する厳しさを表に出すようになったのだ。
特にディアナの敵になる人間には情け容赦がない。
「最近、ティアが怖いの」
「そりゃ、仕方ないだろ?」
セフィーナは紅茶を飲みながら横目でルクティアを見る。
(ちゃんとディアナの母親じゃないか)
優しいだけでは主を守れない。
シャンデラ伯爵にいた頃に嫌というほどを理解している。
それでも立場が弱くて耐えるしかなかった。
少し涙もろいであるが、誰よりも愛情深く母性に溢れたルクティアは強くなった。
ならざる得なかったのだから。
普段は少し頼りなさが見えるが、ディアナが関われば別だった。
(皮肉なものだ)
血の繋がらない侍女の方が母親に見える。
対するシャンデラ伯爵夫人は形だけの母親で第三者からは親子にすらみえないのだから。
「だが大変だな」
「何が?」
「君が結婚したら姑と小姑がセットだ」
「はい?」
実の親よりもある意味では厄介な存在だった。
「ルーカス先生なんて、結婚生活に何かあれば嫁ぎ先に何をするか」
「怖い冗談止めてよ」
「やりかねないだろ?」
冗談に聞こえないので冷や汗を流す。
真面目な人間が怒るととんでもない行動に出るのは経験済みだ。
普段冷静沈着な男であるルーカスが本気で怒ったらどうなるか。
想像もできないのだから。
「だから心配しなくていい。ルーカス先生は君を悲しませないだろ」
「セフィーナ」
「戦場か無事帰還して。君に勝利を捧げるはずだ」
友人の気遣いに涙が零れそうになる。
不安は消えないが、今は信じて待つことだけしかできない。
ならば信じようと思った。
(そうよ。ルーカスは約束を守ってくれる)
セフィーナの励ましに再び気持ちを持ち直したディアナは今すべきことを優先することにした。
しかしその二日後の事。
火急で知らせが届いた。
「ワイバーンの群れと北に集まっているですって!」
「はい、北はバイエル領地です!」
「そんな!」
魔物討伐が順調に進んでいる最中だった。
「誰かが黒竜の眠りを妨げたようで!」
国にとって最厄が黒竜だった。
特に黒竜の中でも邪竜となった竜は国を崩壊させると言われている。
「もし黒竜が邪理由になったら国は終わりです殿下!」
「援軍を…バイエル領地に援軍を呼べ!」
ウィステリア王国最大の危機が訪れた瞬間だった。
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