地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

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第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!

31崩されるバランス





この世界のバランスは四大精霊の力によって行われている。
四大精霊が力を合わせることにより自然界の秩序を守っていたのだ。


その秩序を壊すきっかけになったのだ。

「あの女が瘴気のど真ん中に、風の精霊を召喚したのよ!」

「は?」

ファティマの使役する風の精霊は高位精霊ではないがそれなりに強い。
魔物を風の魔法ではじくことはできるが、瘴気の傍に召喚すれば風の精霊は瘴気に飲まれ、悪の精霊となってしまう。


「精霊殺しは大罪よ。あの女は自分が何をしたか分かっていないわ」

「風は他の精霊との仲介役も行う。故意的に風の精霊にとなると」

「ハッ、悪気がないから許される?馬鹿を言わないで」


いつも以上に当たりが強いウィンリィは相当ご立腹だった。
風の精霊とは縁がある故にファティマの行動は余計に許せなかったのだから。


「どんな状況だったか理解できる」

「セフィーナ」

ファティマが風の精霊を召喚して風魔法を使った経緯を想像するのは難しくない。
少なくとも誰かを守る為に使ったわけではないのは明白だった。


風の精霊は気質が優しく、正義、悪関係なく何かを守る為であれば力を貸してくれる。
術者なりの正義があれば、正しくなかろうと関係なのだから。


「状況も分からず、中途半端な力を中途半端な知識で使い、自然を壊したと聞いたわ」

「お姉様…」


ディアナは眩暈がした。
ファティマは魔術に関して基礎からちゃんと勉強していない為、なんとなくで使っていた。

その結果がこれだ。

「でも…ストッパー役が」

「あんなの役に立たないわ」


ストッパー役になるはずだったのはオルフェだった。
正確にはオルフェの持つ魔力と契約する精霊の事を言っているのだ。


「あの男は火属性だったか」

「ええ、しょぼい火属性だけど。風との相性は悪くなかった…にも拘らずあの馬鹿は風の精霊に火魔法をぶつけたのよ!」


ダァンとターブルを叩くウィンリィ。


「風の精霊を殺しかけたと…風の精霊王がご立腹よ。このままだとウィステリア王国から風の精霊、妖精は敵対心を持つわ」


「まずいな…そうなれば」

「ウィステリア王国から風が消える」



風が消えるとすべての空気を正常に循環しなくなる。
そうなると、植物が正常に育たなくなる。

そして次に来るのは――。


「灰色の時代になるわ」






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