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第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!
39シリルの恋
生徒会室に残されたシリルは考えを巡らせた。
ロクサーヌの言葉が未だに木霊するが答えが見つからない。
「私がシャンデラを…」
誰もいなくなった生徒会室で一人自分に問いかける。
ふとシリルはディアナの座る席を見ると、引き出しから紙がはみ出していた。
「まったく」
整理整頓ができていないのと思い引き出しを開けて書類を片付けようとしたが、会計報告には付箋が貼り付けられていた。
「半年後の決算まで」
何度も書き直した跡がある。
来年度の気引継ぎもしっかり記入されており、シリルがするはずの仕事も代わりにしている事が気づく。
「あの馬鹿…仕事を寮に持ち帰ったのか」
仕事量が他の役員よりも多いなのは分かっていたからシリルは事前に手助けをしていたが、ここ最近はシリルの仕事も手伝っていた。
「馬鹿な事を」
無理をするなと何度も言っても聞かない。
出来る範囲でと言っているが、シリルの仕事量は多すぎるので勝手に手伝いをしていた。
「不器用な癖に」
書類を手でなぞり、ため息をつく。
ディアナは人の為に働くことがあり前になり自分の事は後回しだった。
「もっと自分を大切にして欲しいというのに」
長い間家族に搾取された習慣は簡単に消えないとも思ったがディアナの性分でもある。
その性格を利用されることを懸念した。
「私はお前をこれ以上王家の為に傷つくのを見たくなくて…」
ディアナのデスクに触れながら呟く。
決して器用な人間ではないが、一生懸命なディアナが早く周りにも認められて欲しいと願った。
「私はディアナが好きなのか?」
答えは見つからない。
だが女性に苦手意識を持つシリルはディアナに対して苦手意識はなくむしろ手のかかる後輩だと思った。
その一方で…
「それを愛というんだ」
「ハイネ様?」
「相手の幸福を願い。己の身を差し出す行為は恋を通り越して愛だろう」
音もなく現れたハイネは困った表情でほほ笑む。
「相手に見返りを求めない感情を愛以外何という」
「私は…」
「ちゃんと自分の心と向き合えばその正体が分かる。怖がるな」
シリルに優しく問いかける。
「あの時、魔力を暴走させてまで怒りをあの男にぶつけた時の事を思い出せ」
「あの時は…」
「ディアナが傷つけられるのが嫌だった以上にあの男にディアナが触れようとした時どう感じた」
「不快感が…」
「もしその相手がロクサーヌだったら同じだったか?」
ロクサーヌは友人であるが、そこまでの感情を抱くことはない。
「他の男がディアナに触れて不快感はないのか」
「そんな…私は」
否定しようとしたが、できなかった。
「答えはでたようだな」
「ハイネ様…私は」
「シリル。自分の心を偽るな…私達は自由に誰かを愛していると言葉にできない」
自由な恋愛を許された立場にないからこそハイネはこうも告げる。
「自由に愛することを言葉に告げられるなら言葉にしろ」
「ですが…」
「私は後悔した。過去に素直にならなかった自分を…その結果未練が残り最悪な結果になった」
あの時の手違いを正し、ディアナに己の心の内を明かさないまま傍に入れるならいいと言い聞かせた結果中途半端になった。
「ディアナは環境故に恋をすることも分からないでいた…だが、助けを求め縋ったのはお前だけだ」
「えっ…」
困惑するシリルにハイネは確信があった。
ディアナの心を。
境界線を持っているディアナが無意識に頼った男が誰かなのか。
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