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第三章真実の聖女
17群衆の中で
「動くなよ」
大勢の前で罪人として晒される中、メアリは視察団の服装のまままぎれていた。
「でも…」
「ここで目を逸らすな。いいな」
誰も気づくことはない。
その場に紛れ込んでいるのは当事者であるメアリである事に。
話しは数刻前に遡る。
ペトロとサリアンと一緒に屋根から異変を感じたメアリは白のグリモワールが反応するのを感じた。
「これは…グリモワールに星が」
「聖騎士の紋章…これは」
「通常聖なる職業は女神に与えられます。ですが相応しくない場合、剥奪されます」
「そんな…」
聖騎士の称号を持つ人物は三人。
二人は隣国に向かっており称号となる紋章も異なっている。
白のグリモワールに戻った紋章はアークに与えられた紋章だった。
「恐らく完全に女神様の怒りを買ったのでしょう」
「女神様の…」
「与えられたスキル、特別な称号や加護は人間の振る舞いにより失われるのです」
(アークが聖騎士を剥奪されたなんて)
サリアンの言葉にショックを受けるも、白のグリモワールは勝手にページが捲られていた。
「これは正義の女神?」
天秤と剣を持った女神が描かれる。
「女神様…裁判をお望みなのですか。すべての正義の為に」
グリモワールに触れると、そこからビジョンが頭に流れ込んで来る。
(これは…)
まるでグリモワールがメアリに何かを伝えようとしているかのように。
「メアリ様!」
「サリアン、これは」
「間違いありません。これは女神様の意思。猊下にお伝えしようとしているのです」
白のグリモワールが光と共に見せた光景はペトロとサリアンにも見せていた。
「こっ…これは」
「何という事を」
見るに堪えない光景を目の当たりにした二人の表情は険しかった。
「メアリ様…」
二人を信じていただけにメアリの気持ちを考えるとやりきれないでいた。
「行かないと」
「え?」
「二人に会わないと…グリモワールは私にちゃんと今を受け入れろと言いたいのだと思います」
真実は残酷で、惨い物だった。
優しさの欠片もなかったが、それでもグリモワールが伝えたかったのは真実だけじゃない。
「私を連れて行っていただけませんか」
「辛い物を見なくてはなりません。きっとさらに苦しむでしょう」
「お覚悟はございますか」
この機会を逃せばもう、二人と会う事は出来ない。
直接話をすることもできないとなんとなく理解したメアリだったが。
「お願いします。罪を憎んでも人を憎むような真似はしません」
メアリの願いを聞き二人は胸が痛くて仕方なかった。
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