白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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最終章白の治癒師

13近衛騎士







運命なんて言葉は大嫌いだった幼少期。
その言葉ですべてを片付けるような真似をして欲しくなかった。



だけどその言葉は人を縛り付けるものではないと今ならばわかる。


「陛下、私はようやく解りました」

「何をだ」

「運命とは人を縛る物ではなく乗り越える物だと。私はミカエル様と出会う為に女神様が試練をお与えになったのではないかと」


「メアリ…」


アークとの婚約はメアリにとって試練だったかもしれない。
もしなんて今さら言っても仕方のない事だが、選択の一つで変わって来る。


「私は狭い世界にいました。ミカエル様は広い空に出る手助けをしてくださいました…もしあの時ミカエル様に出会わなければ私は婚約者に捨てられ役目も果たせない哀れな女となっていたでしょう」


「そうか…」

「私が教皇として今いるのはミカエル様や王族の皆様の支え合っての事です」


決してメアリ一人では耐え切れなかったかもしれない。
アークに裏切られて泣いていたメアリに手を差し出してくれたのはミカエルだった。



「メアリ、そなたはやはり治癒師であるな」

「はい?」

「真の治癒師の心を持っている。その心をどうか無くさないでくれ」


国王は優しくも悲しげな表情をした。
メアリを通して誰かを見ているような表情だった。


「陛下?」

「すまぬな」

まだ本調子ではないのに無理をした所為か顔色が悪い。


「陛下、少しお休みください」

「大丈夫だ、こんな日にまでベッドで横になれるか」


ミカエルの婚約式を途中で退場する訳にも行かないと近衛騎士に告げるも。


「まだ呪いが解けたばかりです。無理はなりません」


(え?)


この時、メアリは言葉を失う。


(どうして…)


近衛騎士を見ながらメアリは冷や汗を流す。


「せめて何かお飲み物を…」

「そうだな。では」


近衛騎士が近くにある葡萄ジュースを差し出そうとするも。


「行けません!」


「メアリ?」


急いでそのグラスを奪う。


「何を!」

「貴方、近衛騎士ではありませんね」

メアリはグラスを奪い睨んだ。


「何をおっしゃられているのか」

「いや、メアリの言う通りだ。お前は誰だ!」


ミカエルも近衛騎士に違和感を感じた。



「私は…」


「何者です。貴方は何処でその団服を手に入れたのです!」


杖を取り出し、メアリは光を放った。



すると近衛騎士の姿は変わり始めたのだった。



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