所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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29とある少女の苦悩③

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「君の言うとおりだな」

沈黙を破られたのは殿下だった。


「本来、アグネスを止めるのは私の役目だ。嫌な役目をすべて彼女に押し付けている」

「ですが殿下!」

「彼女にそんな権限はない。むしろ彼女は損な役目を担っている」

他の幹部の方はバツの悪そうな表情をした。


「皆さんはどうして彼女をそこまで毛嫌いするんですか」

「別に嫌っては…」

「彼女がアグネス嬢を止めてくれれば…」

「どうしてですか?」


何故リーゼロッテ様に頼るの?


「私は解らないんです。どうして私が虐められてリーゼロッテ様が責められるのでしょうか、私が虐められるのはリーゼロッテ様の所為なんですか?」

「ステラ!」

「まるで皆さんの言葉を聞くと、この学園で問題があればリーゼロッテ様がすべての責任を負うべきだと言ってるように聞こえます」


まるでリーゼロッテ様が学園の責任を背負わなくては…


「もしやあの方はこの学園の理事を?」

「え?」

「だから責任を負うべきなのでしょうか。そうでなければ、おかしいですわ。生徒であるリーゼロッテ様が管理しないといけない…アグネス様の監視役なのでしょうか」

「いや…それは」

「アグネス様は殿下の婚約者で将来は王妃様になられるんですよね?だったら普通は窘めるのは難しいと思うんです。言ってみれば平民が貴族様を躾けるんですよね」


「「「‥‥」」」


私は貴族の格差社会を完全に理解していない。
ある程度しか解っていないけど、リーゼロッテ様の立場で王妃様になられる方を叱るのは難しいということだわ。


「最悪だな」


「殿下…」

「私達は辺境伯爵令嬢の彼女にすべてを押し付け、ステラが嫌がらせをされているのを見ているだけだ」

「ですが…」

「婚約者が間違ったことをしてるのに、波風をたたせたくないから放置しているだけだ」



「同感です」



殿下の言葉に皆さんは暗い表情をした。

私はなんて言葉をかければいいか解らなかった。



「遠回しに言うのではなく直接言うべきかもしれない」

「しかし、殿下のお立場が」

「そのために無関係なリーゼロッテ嬢を犠牲にするのか。既に社交界で彼女の噂は最悪なものだ」

「あくまで噂…そう言って逃げていたのも事実です」

「アグネス様の幼馴染なんだからなんとかしてくれ。辺境伯爵令嬢なんだからどうにかしろ…そう思っていた私達っも同罪ということですね」



この時からだった。


生徒会の皆さんは生徒会室にいるのは最低限となり婚約者の方々と向き合うようになったそうだ。


でも私への嫌がらせは頻繁に続き。



教科書を破られたり、体操着を破られるようになった。



なのだけど、不思議なことに翌日には新しいものに代わっていた。


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