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56老女になった友人
しおりを挟む白磁のような白い肌は荒れていて、艶やかな髪も酷く荒れて、目元にはクマができている。
顔色は真っ青で、姿勢も悪くなっている。
老けこんだなんて可愛い表現ではない。
「アグネス…」
まだそんなに時間が過ぎていないのに、こんな短期間で変わるのか。
「寄らないでください!」
アグネスが私に近づこうとしたがキャンベルさんが両手を広げて壁となった。
「リーゼロッテ様に何をする気です!今度はナイフで刺す気ですか!」
「何を言っているの!」
「そんな恐ろしい目で…私の故郷ではそういう目をしている人は野党と間違われます!」
キャンベルさん…
以前よりも目の輝きが違って見える。
以前は俯き、大勢の悪意に傷つき守ってあげないといけない女の子だった。
でも、今は違う。
「無礼な!私を誰だと…」
「身分至上主義の寝取り女です!」
「…キャンベルさん」
ここは学校だというのを忘れているのかしら。
公衆の面前で大きな声で言うのは良くないと思い止めようと思ったが…
「私がアルフレッド様と話すと怒る癖に自分は何をしているんですか!リーゼロッテ様の婚約者を奪い不貞行為をして挙句の果てにその仲をわざと見せつけ、挙句の果てにご自分の手は汚さずにリーゼロッテ様を殺そうとしたくせに!この人でなし!」
「言ったな…誰も言わないことを」
「レオ…」
「まさかこの場で言うとは」
レオは頭を抱えた。
「ステラちゃん!」
「アリーさん」
急いで駆け込んできたのは寮母さんだった…
「貴女、なんてことを」
「私は本当の事を言いました。だって私にはアルフレッド様と口を聞くなと言ったのに自分は不倫行為を繰り返してリーゼロッテ様を傷つけ楽しんでいたんですよ…裏庭で笑っている声を聞きました」
今更傷つかないけど、アグネスはそんな悪趣味な真似をしていたのね。
「友人と一緒にお茶菓子代わりに言ってました。リーゼロッテ様が殴られた後も自業自得だって言っているのを聞きました!」
「そんなの嘘よ!」
「じゃあ、その場にいた食堂のおばさんに聞きましょう。庭師の方も聞いています!」
アグネスの表情が強張る。
社交界では愛想笑いが鉄則だって言っていたのはアグネスなのに笑えていないわ。
それどころかかなり動揺している。
「化けの皮がはがれているな。元より醜いと皮だったが更に醜いな…これ以上の醜い顔はないな」
「アルステッド様、元より醜いお顔を化粧で隠していたのです。お嬢様に化粧気がないと言ったのも己の醜さw.を隠すためです。本当に心までも醜く歪んでおりますわ」
――酷い。
この二人の言葉はあまりにも酷すぎる。
だけど口を挟めないわ。
私が何か言う暇もないほどに二人は早口だったし。
勿論アグネスも口を挟む暇がない。
…というか何なのこの臭いは。
すごい臭いわ。
アグネスからかしら?
私は近づきたくなくて距離を置こうとしたのだけど、キャンベルさんはまたしても爆弾発言をした。
「腐ったパンの臭いがします」
ここでこれを言うの?
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