所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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ほとんど強引に押しきられる形になったが、今後のことを考えると私も外交になれるべきだと思った。


レオと結婚した後に厄介な連中が攻撃をしてくれるだろう。
王族と強い繋がりを持ちたい令嬢は多いだろうし、私自身ももっと地位を上げておく必要がある。


それに他国との交流はないよりもある方がいい。
なので引き受けない手はない。

そう思ったのだけど。


問題は、護衛や同行する者なのだけど。


「おい、何故この二人が」

「エラノーラ様」


護衛騎士に交渉人や商談になった場合の仲介人が必要だと言うのは解っている。

他国に行くときにも商人を装う必要がある。
極秘で向かうのだから当然と言えば当然だけど。


「何を言ってますの?旅には危険がつきものですわ。今現在我が国で最も腕が立つ騎士はどなたかしら?真剣を使わずに現役の親衛隊並びに近衛騎士をボコボコにしたのは」

「ボコボコ言うな!」

「事実ですわ。こんなみみっちいことを言わないでくださる?軟弱ですわね」


口で言っても勝てないと解っているはずなのに、レオは言わずにいれない。


「クスッ、ダメダメですね」


「ステラ…」


不敵に微笑むステラ。
だんだん貴族の笑い方ができるようになってきたわね。

「リゼ様、こう見えても旅慣れしてますので!」

ドンっと胸を叩きどや顔をするステラとその隣には輝かんばかりのお兄様の表情。


「お兄様に任せろ!敵は真っ赤に染めてあげるから」

「真っ赤に染める必要はありません!」


戦いに行くんじゃないのに。
外交に行くのに、このメンバーで大丈夫かしら?



「先方の女王陛下は気の良い方ですわ。言ってみれば女王陛下とミカエラ様を足したような…」


「最悪だろそれ…」


「甘いですわね。女性が君主になるにはそれぐらいの強さが必要ということになるのです」


言っている意味が正論で何も言えないわ。
確かに女性が君主を務めるにはお二人ぐらいの強さが必要になる。



「それに、このメンバーが一番身軽ですし。信頼できますの」ぐ


「エラノーラ、何時の間に交流を…」

「あら?優秀な人材は目を光らせてこそなんぼですわ。彼女にはゆくゆくは女官長ぐらいはなっていただきたいですわね」


「女官長…」


侍女とは異なり政治にも直接口出しし、王族の婚姻にも口出せる存在。
しかもこの国では女官となれば相応の地位が約束される。



「頭が痛い…」

レオの苦悩を察すると何も言えなかった。

けれど裏切ることがない。
最も信頼できるメンバーであることは確かだった。


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