所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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閑話被害者の会③

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ハイビスカ王国には相応の慰謝料と不足している食料に薬草や、ドワーフの技術を提供する形でお手打ちとなった。



並行して修道院にも多額の寄付と丁寧な謝罪文を送った後に代表としてミレーヌがハイビスカ王国に出向く形になった。


本来ならば許されることはないが、元より友好的な対応をしてくれたのだ。


「次にあの馬鹿共の処遇ですが」

「もう慈悲は火うようありません。人間的な対応も」

「ええ?情けなんて不要です奴隷以下…いいえ公開処刑にすべきです」


全員一致で元婚約者は家族関係視野は殺してもいいとまで言う始末だ。
勿論親族にも許可を取ったのだ。


今回の事件の主犯のマルセルの親も。


「息子は死にました。天に帰ったのです」


という返事が来たのだ。


「状う王陛下に許可をいただき無人島に放り込んでいただくことになりました。ちなみにあの島は」

「時間が過ぎると道が無くなり無人島から脱出は不可能」

「湧き水も食料もありませんわね?あるのは食虫植物や肉食の鳥達にクロコダイルがいますわ」


「素晴らしい環境ではなくて?」


この世に慈悲はない。
彼女達の辞書に寛容や慈悲の二文字は消えていた。



「これで終わりにいたしますわ」

「ええ…」


被害者の会の話し合いは最悪な形で決着がついた。

しかし油断はできない。
人間の命の危機に面すると何をするか解ったものではない。


なので――



「騎士団から人を派遣していただきました。若かりし頃は鬼軍曹と呼ばれ罪人を拷問していたそうですわ。まぁ今もその腕は健在で士官学校の教官をなさって世界中飛び回っているとか」

「「「素晴らしい!」」」


監視役をどうすべきか悩んだ末にミレーヌは祖父に頼み込み良い人はいないかと尋ねるとすべての条件にぴったりの人物だった。

「報酬は問題ないそうですわ」

「では早速お願いしましょう」


こうして着々と話し合いは終わり、着実に愚か者たちのカウントダウンが始まったのだった。




その数日後、ミレーヌは旅支度を整え、被害者の会の幹部と共にお忍びでハイビスカ王国に出向くことになる。



女王陛下に謁見するのはミレーヌだけだが、この目であの愚か者達を島流しにするまでは安心できなかったことと、一番の被害者であるリーゼロッテに謝罪をしたいと言う気持ちが強かったのだった。


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