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163嫌な予感と筆跡
しおりを挟む渡された手紙の封筒は以前にお祖父様からいただいたもの。
普通の封筒とは異なり貴族の中でも限られた人間しか使用できない。
そして便箋に書かれた墨だった。
通常の墨とは異なる成分でできており、他国からすれば高位貴族だと思うだろう。
ただこの筆跡。
そしてこの書き方は。
「最近大人しいと思ったら何してんだ!」
「レオ、落ち着いてください…頭が痛い」
「胃が痛い!」
何故ステラはティメリア王国の大臣と手紙なんてやりとりしているの。
「ちなみにですがこの大臣は先日、数多の汚職事件が公になって職を失いました。15歳未満の少女を夜の相手にする趣味がありまして」
「少女趣味の大臣ですか」
「ええ…愛人のほとんどは成人前の女性です。若い娘がお好きなようで」
噂は聞いたことがある。
女性の好みが若い娘だと言うのも。
だけど、なまじ権力があるので余程の証拠がない限り罪に問うのは難しい。
頭も良いので現行犯として捕まえるなんて不可能に近い。
ならば証拠をかき集めるのがいいのだけど。
「手紙の送り主はそうとう頭が良い方です。あの変態がそそる言葉を丁寧に書き、素晴らしいまでドラマチックな言葉で綴りながら誘導していまして…ハニートラップだと言うのは理解しておりました」
「はぁ…」
頭がついていかないわ。
ステラが何故こんなことをしたのか?
一人でできるはずもない。
いや、ステラの向学心旺盛なのはお祖父様も感心していたし。
お祖父様の元に通うようになり多くの書物を読むようになったけど。
「以前、男女の機微を学びたいとサロンに行きたいと言っていたが…」
「レオ」
「以前に過激なロマンス小説…修羅場がメインの物語を熱心に読んでたな。後は七人の男を誘惑した女というタイトルの物語を…」
「ああ…」
その物語は私も知っている。
ティメリア王国では規制になっているけど、カスメリア王国では規制がない。
あくまで過激なロマンス小説は15歳以上は解禁だわ。
自己責任としている。
まぁ挿絵が過激なのは禁じられているけど。
「何故ステラがそんな真似をしたのか…」
「このところほったらかしにしたからか?その所為で暴走したのか!」
二人で頭を抱えたが、そんな私達に手をあげた令嬢がいた。
「発言をしてもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「ありがとうございます。私はナタル・リーベルトと申します。父は中央の文官長官をしております」
物静かな令嬢だった。
確かリーベルト家は子爵家で元は平民でありながらも文官を輩出して来た家柄だ。
そうなると政治の内情も詳しいはず。
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