乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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5予想外の展開





悪役令嬢であるエリザベート様こと愛称シシィ様は多忙な身だ。
模範優等生で学園内ではトツプの成績を誇っている。

他にも学園の風紀にも目を配るまさしく完璧令嬢。
兄のレオナルド様は第一王子の側近という立場もあり、とても忙しい。


自身で伯爵の地位も持っている。
実家の領地経営だけでなく第一王子の諜報活動的な事もされている身だ。


「とりあえず三食は部屋に持ってきてもらえるし。後は部屋で一人なのだから時間はたっぷりある」


正直な所、すぐに婚約解消をしたいところだけど自由に動けない状況では難しい。


だから完璧な計画を立てないと。

「できたら縁切り寺…この場合は教会かしら?」


ただ、この体ではすぐに動くことは難しいので手紙を先に出すか。


「そうだわ。挙式で誓いの儀式を担当してくださるはずの司祭様に相談を」


お詫びの手紙を出さなくてはならない。
本来なら身の丈に合わない大がかりな挙式の後に誓いの儀式で教皇猊下に立ち合いをしていただくのだけど。


「今更になるけど、ありえないわ」


「…何がありえないんだ」


音もなく声が聞こえた。


「レオナルド様!」


何で公爵家にいるの?
この時間は公務の時間のはずなのに。


「しばらく私は休暇を取った」

「はい?」

職業病の社畜上等なのに?
しかも今回は挙式の為に二日間休暇を取る為に前倒しで働いていたのに?


「妻が死にかけたんだ。仕事を優先する程私は冷酷ではない」

「いえ…ですが」


こう言ってはなんだけど。
公爵家では食事は三食しっかりとつくし、お世話もばっちりだわ。

医師も呼んでくださっている。


なのに何故に?


「王宮は今混乱状態だ。外にも気軽に出ることはできない」

「混乱…」


「王家お膝魔元の学園で殺人未遂事件並びに集団暴行事件が起きたんだ」


それって私の所為ですか?
確かに殺人未遂というのは間違いではない。



「相手が公爵夫人となる女性ならば猶のことだ」


「ですが…」

「現在、警察が傷害罪、殺人未遂罪として調査をしている」


貴族に取って醜聞は命とりだ。
公の場で暴力事件を起こせば噂が回る。


例え相手が身分が低かろうとも。


「以前から学園では騒動が起きていた。一人の少女をめぐって愚かな事件が…口にするのも馬鹿らしいものだ」


例の小説家。
悪役令嬢を題材にした、真実の愛の物語だ。


「君を殺そうとした連中はその小説に感化されたそうだ。やっていることは犯罪に近いのにヒーロー気取りだ」


声がいつも以上に低い。
これはかなり怒っているな。



「聞き取りをしても愛の為だと言うばかりだ」


乙女ゲームだからってないだろ?
愛の為になんでもしていいはずないのに、そんなに馬鹿だった?


乙女ゲームの基本的なシナリオは知らないし、仕組みは知らない。

ただライバルの悪役令嬢に勝利して愛を勝ち取るまでは分かるけど、いくら何でもないわ。


「我がベルシュタイン家は正式に抗議をする。君は正式な公爵家の妻であり私の唯一の妻だ」

「えっ…」


抗議って学園側?
それとも王家?


第一王子殿下に絶対の忠誠を誓っているレオナルド様の立場が危うい。


それにシシィ様は?


「そんなことしたらシシィ様はどうなりますか!」

「先ほど、グレゴリー殿下とエリザベートとの婚約は破棄になった」

「え?」


婚約破棄になるのはもっと後じゃなかった?
確か卒業パーティーが行われる場所で王子とヒロインが断罪するはずじゃ…


「エリザベートが大勢の前で婚約破棄を告げた」

「は?」


悪役令嬢が婚約破棄を告げるって何?


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