乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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48激マズ料理





美味しいご飯が好きだ。
お茶も大好きだけど、三食のご飯は私の動力源だ。

「大帝国の料理が食べられるなんて嬉しいな」


私は国を出て食事をしたことがない。
前世では日本各地を旅行して郷土料理を食べ歩いていた程の食いしん坊。


だから海外の料理に興味がある。
郷土料理はやっぱりその土地の物を食べるべきよね。

「やっぱりまずは魚介が食べたいです」

「魚介ならまずはスープドポワゾンか」

「ほぉー高級料理の定番ですね!私が学生時代に作ったのは田舎スープだし」


領地の特産品の一つのコースープやポタージュスープ。
中には野菜を煮込んでポトフにしたものも主流だったが、高級料理店とは程遠かった。




「リネット様…」

「なぁに?」


「いいえ、何でもありません」

顔色が悪いな。
お店に入ってからずっとだけど大丈夫かな?


「お待たせしました。スープドポワゾンでございます」



給仕係の人が人数分のスープを持ってきてくれたので笑顔を浮かべたが…



「これ何?」


スープを見て絶句した。
私が良く知るスープドポワゾンじゃない。



香りが全然違うだけじゃない。
スープを入れた瞬間重いと感じたのだ。


でも、見た目だけかもしれない。
美味しいかもしれないと思いきや、私は甘かった。


「レオ…」


「やはりまずかったか」


「酷いですわ」

「うっ…」

「これは」


私だけでなくレオも侍女さん達も顔を顰める。
けれど大きな声で不味いなんて言えるはずもなく小声で話す。


「この後の料理も…な」

「うう…」

「前はもう少しマシだったんです」


振るえるメープル。
まだマシということは料理人が代わった?


でもこの味は…


「私も以前に食べた時は味覚障害を患っていたんだ。まだそこまで酷くなかったから味は分かったが…」

美味しいとは思わなかったんだ。


「ただ食事はその人によって好みがあるだろ?」


「そうですね」

レオは私に美味しいものを食べさせたいと思ってくれたに違いない。
レストランの外装はおしゃれで器も素敵だし、運ばれている料理の盛り付けもすごく綺麗だ。

だから期待してしまう。
私も過度な期待を持ったのだけど、それだけじゃない。


「ここは海なのに、山の魚も入っているわ」

「そうなのか?」

「うん」

私は海育ちだから海の魚はすぐに解る。
ここで山の魚を持ってくることも間違いだけど、調味料の味が強すぎる。


「私が君に初めて食べさせてもらったお菓子は本当に美味しかった。その後素朴な料理も」

「簡単なポタージュだよ」

「だが、味がしたんだ」


当時、女神の加護で影響を受けていたレオは味覚が麻痺していたからだろう。


「だが、これが標準だろう」

「え?」

「セレスティア王国の王都の貴族御用達のレストランもそう変わらない」

私は王都のお店で食事をすることがあまりない。
学生時代は外で食事をしなかったし学食もあまり使わずに自炊をしていた。

生徒会でも確か私が炊事係をして、領地から野菜や肉に魚を送ってもらった気がする。

「私も味覚が戻ってからは君の領地から送られた食材を公爵家で調理されていた」

「え?」

「正確には母上が頼み込んで君の母君にずっと食材を送ってもらっていた」


公爵夫人は何してんですか!

でも、思えば私は美味しいものしか食べてこなかったのかな。
領地では小人族や妖精達が手塩に育てた野菜や果物に魚に肉は本当に美味しかった。

でも外では違うのだと改めて思い知った。


食べ物は粗末にできないので頑張って食べることにしたけど。

食べ終えた後は全員顔が死んでいた。




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